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8年後の奇跡 前編

どうでもいいですが元ネタは中学生の時に書いた小説です。

⚠︎元ネタが昔書いた小説なため若干表現が拙いです。

半分実話です。

 僕の名前は小関晴翔。明日成人式を迎える20歳の大学生。今は明日の準備をしているところです!


「よし、あとは明日の予定確認だけだな。」

パパッと準備を終わらせて片付けをしていた。そしてふと、小学生の頃の卒アルを開いた。

「懐かしい...もう8年前か。そんなに経ったんだ。」

ペラペラと卒アルをめくった。そしてあるページで手が止まった。それは当時好きだった人が載っていたページだった。

「うわぁ、もっと懐かしい。」

彼女は中学校入学と同時に別の場所に引っ越してから一度も会っていない。

「元気かなぁ。アイツ。」

卒アルを見ながら過去のことを思い出していた。


 初めて会ったのは小学校低学年、僕が習い事の影響で職員室迎えの時だった。職員室で待っている時によく話していて、会話がよく弾んだ。低学年の頃僕は彼女の名前を知らなかった。彼女名前を知ったのは職員室迎えが終わった小学3年生。まぁ名前を知ってもどうこうするわけではないし暫く会うこともなかったので特に何もなかった。

 次に会ったのは5年生。当時僕が住んでいた地域は集団下校で班を使って家まで帰っていた。同じ班の子は先生の目が届くところは集団で固まって帰っていたが、ある程度のところまで行くとバラバラになり他の班の子と喋ったり走って帰る子がいた。僕は班の中で特に仲が良い子がいなかったため基本的に1人で帰っていた。


 ある日、僕が下校していた時。近所の神社の前で彼女は走りながら僕の隣を「やっほー!」と言いながら通り過ぎていった。家が遠いところにあることは知っていたので引っ越してきたらしい。まぁ班が違うのでどうもしたことはない。

 また少し時が過ぎ6年生になった。まさか彼女とクラスが同じになるとは思っていなかった。僕は彼女と学校でよく話す仲になった。

 掃除の時間。僕の担当場所はグラウンドにあるトイレ。狭いトイレな為すぐ掃除が終わり、同じ担当場所の子とずっと喋っていた。たまに彼女はグラウンドのトイレを見にきていた。見にきた時は文句を言いながらちゃんと掃除をした。

 チャイムが鳴り、掃除が終わった。これから昼休み。教室に戻る途中で近くの掃除区域を担当している浅田累からこんなことを言われた。

「“聖奈”、晴翔のこと好きなんだって〜!」

「そうなんだ。まぁどうでもいいけど。」

笑いながら言い返した。

 別日にグラウンドのトイレへ掃除に向かう時、彼女が担当している場所へ寄り聖奈に会った。そこに累も続いてやってきた。

「晴翔って聖奈のこと好きなのか?」

「は?違うけど。」

続いて聖奈が言った。

「私のお兄ちゃんと累のお兄ちゃんが仲が良くてそれで私たちも仲が良いだけだよ。」

「ふ〜ん。」

僕は急いでグラウンドのトイレへ向かった。彼女僕のことを好きなわけない。

 その日の下校。いつも通り僕は家まで1人で帰った。通学路にある喫茶店の近くで聞き覚えのある声がした。

「累。一緒に帰ってもいい?」

彼女だった。

「良いぞ。」

そうして僕と彼女一緒に帰った。彼女の話を聞きながら初めて異性と帰ったのだ。僕は途中で先ほどの言葉を思い出した。

“晴翔って累のこと好きなのか?”

まぁ、そんなことはない。すると後ろから

「ラブラブ〜!」

と走り去りながら別の知り合いに言われた。

「おい!」

とは言っても、相手は既に向こうに小さく見えた。僕は彼女を見たが全く動じていなかった。僕は心底凄いと思った。また僕と聖奈は話しながら帰っていった。僕は「面白い」と思った。僕が片想いを芽生え始めたのは恐らくこの時だろう。

 僕と聖奈の家の曲がり角は少し遠く、聖奈の家の曲がり角の方が近かったため、“じゃあな”と言おうとした時、

「晴翔の家までついていっていい?」

「え?まぁ、良いけど。」

僕は不思議に思いながら家へ晴翔と向かった。

「あそこが僕の家。」

「そうなんだ。」

家の低いブロック塀まで聖奈を送り、

「じゃあな。」

と言った。だが聖奈は、

「心配だからやっぱ戻る〜。」

と言ってもと来た道を戻った。

「ここまで来て通り過ぎんのかよ。!」

と笑いながら僕は言った。聖奈は笑顔で戻った。僕は家の中に入って荷物を下ろし、ソファーに寝転んだ。

(疲れた。聖奈と帰って、楽しかったな。...ハッ!)

“楽しかった”?そんなはずないと僕は思っていた。でもそう考えるしかなかった。僕は聖奈が好きなのだと。自覚した僕は頭の中の半分以上が聖奈のことでいっぱいだった。誰かに相談しようか?と思った。それより前に口止めしておかなければと思った。思春期真っ只中だった僕は異性と帰ったことを周り遊ばれたくなかったから。

 そして翌朝、僕は聖奈のところへ行った。

「聖奈。昨日のこと絶対誰にも言うなよ?」

「え〜なんのこと?」

聖奈はニマニマしていた。

「昨日のこともう忘れたの?一緒に帰ったことだよ。」

「あ〜あれね。分かったよ。」

本当に大丈夫か?と思った。

 同日、席替えがあった。僕は聖奈の隣がよかった。神様はいたのであろう。運が良いことに僕の席の隣は聖奈になった。

「よろしく〜晴翔。」

授業中も聖奈の近くにいられるのが嬉しかった。

 ある時聖奈は僕に言った。

「私ね、中学校、浜中じゃなくて明寺中なんだよね。家の都合で。」

またどこかに引っ越すらしい。

「何で僕に言ったんだ?」

「いや、何となく。言っておかなきゃな〜って思って。」

(中学が同じじゃないのか。ちょっと残念。)

 その日僕は久々に友達の吉田海斗と帰ることにした。

「海斗。女子と帰るのってどう思う?」

「は?え〜良いんじゃね?カップルっぽくて。もしかして晴翔、女子と帰ったことあんのか?」

「静かにしてくれ。そんなこと大声で言うなよ。」

俺は小声で海斗に言った。

「もしかして、聖奈と?」

「は、何で?」

「いや〜もしかしてと思って。と・こ・ろ・で。晴翔は聖奈のこと好きなのか?いつ告白するんだ?」

「おいおいそこまで決めないでくれよ。お前は僕と聖奈にカップルになって欲しいのか?」

「まぁ、そうだな。カップル、楽しいぜ?俺一応元カップルだったし。」

(いや元カップルってなんだよ。でも僕は一回他の女子に告白してフラれた記憶がある。だから、もう。)

「晴翔、良かったら俺手伝おうか?他のヤツに聖奈の連絡先聞くこともできるが。」

「良いよ。中学同じじゃないって聞いたし。」

「おいマジかよ。同じじゃないって、私立の中学行くのか?」

「いや、引越しだって。」

「そう、か。残念だな。」

 また別日。その日は雨で少し遅めに学校に来た。傘を傘立てに入れて教室に向かおうとした時に聖奈に会った。

「晴翔。今日雨だけど体育あるのかな?」

「ないんじゃない?」

僕は早々と階段を上り始めた。後ろから聖奈もついてきた。


 そこから時が過ぎ卒業の日となってしまった。最初に起きたのは朝5時。二度寝して起きたのは5時55分。心臓が酷く鳴っていた。卒業式用の服に着替え、海斗を呼びに行った。

「海斗〜。卒業式行くぞ〜。」

「おっけ〜。」

海斗は家から出てきた。

「晴翔、今日カッコいいな。」

「兄ちゃんに手伝ってもらって髪ワックスで固めてもらったんだ。」

「良い兄さんだな。」

海斗と僕は学校へ向かった。

 学校へ着いたら色んな人にカッコいいと言われた。そんなにか?

 卒業証書授与の時のことはあまりよく覚えていない。長すぎるから。覚えているのはその後のこと。今までの学校生活のムービーを見た時だ。泣いている子が結構いたが僕は疲れていたので特に何もなかった。

 外で皆んなで集合写真を撮った。僕は最後に聖奈と写真が撮りたかった。でも気づいた時にはいなかった。一足遅かったか。後悔の気持ちで心がいっぱいだった。中学へ入って卒業して、高校に入って卒業しても。その後悔の念は今でも続いていた。

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