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PRINCE GO HOME.& Memories I want to forget.  

 

 少女達と別れて数分後 山中にて、


「ふぅー、疲れたー・・・今日は本当に色々あったな・・・・・・あれ?そういえば、なんで俺、盗賊に喧嘩売ったんだっけ?たしかお腹が空いて──って、ん!?俺結局飯食ってねぇじゃん!?色々あってご飯食べるの忘れてたぁぁぁぁ!!クソッあのポンコツ盗賊団めぇぇぇ!!ここからさっきのとこ戻れる自信ないんですけどぉぉぉ!・・・・・・はぁ、また迷子かよ・・・・・・ん!?迷子!?うわっやらかしたーっ!!なんで俺さっきあの子達について行かなかったんだろ・・・・・・そうしてればこんなことには・・・・・・クソッ!これもあのポンコツ盗賊団のせいだ!死ね!」


 そしてまた迷子になることさらに5分後──


「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」


 ん?何だ?またどこからか声みたいなのが聞こえた気がする。また盗賊か?今度は心やさしい人でありますよーに。

 そんなことを願いながら声がしたところを探し出し、近づく。


「お前らはもう〜〜〜〜〜〜だ!大人しく〜〜〜〜ろ!」


 だいぶハッキリ聞こえるぐらいまで近づいたみたいだ。

 そこからさらに進むと、崖の様な場所の上に出る。その崖は4メートルぐらいの高さで、下から声が聞こえてくる。

 俺は崖の上から静かに覗く。


 ───う〜ん・・・ちょっと暗くてあんまり良くは見えないな・・・

 もうすでに日が沈んでいるため、暗い。だが、不幸中の幸いと言うべきか今夜は綺麗な満月が出ているためある程度は見えた。

 そこでは、身なりの良い金髪の女の子と、黒髪の女の子が、身なりが良いとは言えないさっきの盗賊みたいな男2人と剣を抜いて向かい合っていた。

 その中で、特に金髪の女が目立っていた。というのも、遠くからでもわかるほど、金髪の女が身に着けている白く煌やかな服は明らかに普通ではないからだ。

 そこから推察するに多分あの女は金持ちだ。つまり、いい感じのところで助けてあげたらたらお礼に大金貰えるかもってことだ!もし俺が勝てなさそうでも、2人とも剣持ってるから3対2でなんとかなるだろうし・・・クックック、まさに穴の無い完璧な作戦!俺の天才すぎる頭脳が恐ろしい!ダァッハッハッハッハッ────って、ん?あれ?あの金髪、ズボン履いてる・・・それに、アイツの服どっちかって言うと男物の気がする。どっちだ?出来れば女の子の方がやる気出るんだけど・・・・・・


「ざぁ〜んねん、もう逃げられねぇぞ~王子サマ」

「くっ・・・!」 


 男だったかぁ・・・まぁお礼の金さえ貰えれば十分か。よし!そろそろ行くぜ!


「駄目だろぉ、王子サマがこんな時間に出歩いたらぁ・・・・・・おうじはおうちに帰れってなァ!」


「「「・・・・・」」」


 は?・・・アイツマジなに言ってんだ・・・アイツのせいで完全に出ていけない空気になっちまったじゃねぇか。余計なこと言いやがって・・・!

 完全に出ていけない空気なので俺はもう少し待つことにする。


「お、おいてめぇら!今言ったことは一言一句全て忘れろ!じゃなきゃ殺すぞ!」


 三下の男が顔を赤くしてそう言う。なんか可哀想。

 そしてその後すぐに、団長と呼ばれていた男に──


「団長ぉぉ!!一生のお願いですぅぅ!今日の事は綺麗サッパリ忘れてくださいぃぃぃ!!お願いしますぅぅぅ!!」


 そう言って、それはそれはとても綺麗な土下座をする・・・・・・

 

 黒歴史を無かった事にする為にそこまでするとは・・・やるな。だかしかし甘いな若僧!黒歴史というものは、自分の記憶にある限り無かったことになどできないのだ!だから大事なのはこれから人生で、どう黒歴史と付き合っていくかということなのだ!!───そんなわけで俺は明日になったら、岩に頭を打ちつけて記憶喪失になろうと思います!黒歴史と共に歩む人生なんて俺ァゴメンだね!


「マイケル・・・」


 現在進行系で土下座中のマイケルから何か感じ取ったのか団長がゆっくりと口を開く。


「お前の覚悟はよくわかった・・・オレは今日、1日中家で寝ていた・・・これでいいな?」

「だ、団長ぉ〜!」


 よかったな、マイケル。いい上司を持ったみたいで──ん?マイケル?あれぇ?つい最近どこかで聞いたような──あ!お頭がよく顔を思い出せないって言っていたあのマイケルなのか!?ふむふむ・・・本当に憶えにくい顔してるなぁ。それにしても、そうか・・・あの2人は違う盗賊団に入っていたんだな。多分2人は、「どっちが早く盗賊王になれるか勝負だ!!」みたいな感じで別れたんだろうな・・・・・・よし!ここはお頭との勝負を潰してしまった俺が責任を持ってマイケルも潰してあげよう!俺は基本的には誰に対しても平等に接する男なのだ。


 そして遂に、4メートルほどある崖を飛び降りる。

 が、この後すぐに俺は自らが犯した過ちに気付く・・・



 

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