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俺と少女の永きに渡る戦いがこの日、幕を開けた 〜探しモノ〜


 少女達の存在に気づいた俺は、とりあえず鍵を見つけて来て少女達を開放する。

 だかしかし、捕らわれていた少女たちは怯えたままだ。

 まあ、みんな10代ぐらいの若い子達だからしょうがないか。しゃあない! 黒歴史になりそうだけど、ここは捕らわれていた女の子を助け出す謎のイケメンとしてカッコつけるとしますか! 若い女の子は好きでしょ、こういうの。・・・そうだよね? 少なくとも俺はそうだと信じてる。

 なので。


「大丈夫だったかい子猫ちゃん達。俺が来たからにはもう安心だ☆」


 俺は自分の出来る最大のイケメンスマイルをして手を差し伸べる。

 すると少女は。


「ひぃっ・・・」


 ひぃっ? もしかしてキモかった? 俺、キモい?

 死んじゃおうかな・・・と思いながら差し伸べた手を見る。そして気づく。


(あっ・・・血ぃ・・・ついてる・・・・・)


 そう、俺の手にはビッチャリと血がついていたのだ。

 それはつまり、少女達が悲鳴は血に対してのもので俺に対してのものではなかったことを意味する。そうに決まっている。血がついてたら誰でもびっくりするよね! うんうん! 

 まあ、少女達の悲鳴が何に対してのものでも目撃者であることには変わりない。・・・・・・仕方がねぇ。あんま効果あるとは思えねぇけど『最終奥義』を使うか・・・


 キョロキョロと俺は辺りを見回す。

 『最終奥義』を使うために必要なあるモノを探す為だ。

 やがて俺は探し物を見つけ、取りに行く。そして、取ったらすぐに戻り、少女たちに取ってきたモノを見せて──


「こ、これあげるから今日の出来事は全部忘れてね?」

「そ、それは・・・・・・まさか、お、お金?」


 そう言って俺の最終奥義『買収』を発動させる。

 『買収』の効果は、山札からカードを1枚とってダイレクトアタック───とかではなくその名の通り、金をチラつかせるだけである。

 流石の俺でも少女にダイレクトアタックはしない。男にならするが。

 さて、『最終奥義』の効果はいかほど───


「ありがとうございます! あなたは命の恩人です! 今日は特に何も無かったですけれどありがとうございます!」


 その言葉をきっかけに、みんな俺に「ありがとう!」と感謝を伝える。効果はバツグンだったようだ。

 最近の子はすごいんだなぁ・・・と感心しながらも俺は、「無事でよかったな。さあ早くお家におかえり」と、早くお家に帰るよう促す。そんな俺の言葉を聞き少女達はお辞儀をして去っていく。

 ──いやぁ、無事なんとかなったなぁ・・・人間やれば出来るもんだ・・・これで俺も安心して───ん?なんか俺のことを目をキラキラさせながら見ている子がいる・・・その子は14歳ぐらいのどこか小動物のような少女、なんだけど───どっかで見たことある気がするんだよな・・・う〜ん・・・・・・犬・・・いや、リス・・・やっぱり犬っぽいからか・・・? ま、いっか。


「なんだァ? 悪いがもう金はあげねぇぞ。俺も一文無しだから少し欲しいし・・・・・・まだ何か用か?」


 俺は主に金が無いことをアピールする。

 すると少女は首を横に振る。物分かりのいい子だ。ちょ〜っとサービスしちゃおうかな?

 俺がそんなことを考えていると少女は意を決したように口を開く。


「わ、わたしを連れてって下さいっ!」

「どこに?」

「あなたの旅に!」

「そうか。俺の旅に」

 

 なるほど。納得納得───は!?


「えっと・・・ちなみに理由をお聞きしても?」

 

 そんな俺の敬語になってしまった質問に対し少女は──


「あなたが剣から出した白く光るなにかで悪い人達をブッコロしまくるところを見て私もそうなりたいと思ったからですっ!」

「へぇーそうなんだ・・・」


 随分と変わった将来の夢だなぁ・・・───ん!?〝あなたが〟!?

・・・もしかしてこの子が変わった将来の夢を持ってしまったのって俺のせい!? だとするとこれ、もうすでに取り返しのつかないところまできてしまってしまっているのでは? ・・・お父さん、お母さんごめん・・・・・・俺はこの子の育て方を間違えてしまったようです・・・。───ん? そういえば、さっき言ってた剣から出した白く光るなにかってなんだ? そんなもん出した記憶ないんだけど、あの時俺、お目々閉じてたからなぁ・・・でも、この子がウソをついてるようにもみえないし・・・・・・まぁそれはさておき、それとこれは別! この子を連れ回すのは危ない! 主に世界と俺が!

 よし。そうとなれば、やんわり傷付けないように断ろう。


「えーっと・・・やめといたほうがいいと思うぞ・・・ほら、危ないし・・・」

「覚悟の上ですっ!」


 覚悟しちゃってるのかぁ・・・

 実際、少女の目はまっすぐで言葉通り覚悟が決まったような目をしている。

 こうなってしまったら生半可な説得は意味がなさそうだ。

 はあ・・・俺も覚悟を決めるか・・・・・・そう、黒歴史をつくる覚悟をな!

 俺は、この少女との永きに渡る戦い(40秒ぐらい)に終止符を打つべく覚悟を決める。

 




 


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