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ナタリアとの逢瀬

「おお〜、見事に終わったデス」

「綺麗な水晶になったなぁ」


2回目の浄化作業でピッカピカな美しい水晶になった。

更に力の塊をエルフに取り込む事で新技が3つも増えた、だが細かい呪いも残ってるからまだ増える余地あるな。


「……この水晶やるデス」

「おっ、良いのか?」


大精霊が自ら作った大きくて綺麗な水晶をくれると……。

ありがたいが何故?


「私の力で出来てて神聖性が含まれてるデス、だからきっとお前の為になるデス」


俺の為に……良いところあるじゃない!


「じゃあ遠慮なく貰う、ありがとうクリスタル」

「……クリス」

「ん?」

「クリスでいいデス、ランマにそう呼ばれてたデス」


えっ、何……急に可愛い所を見せてくるな。

撫でたろ。


「ん…………勝手に撫でるなデス」

「悪い、つい」

「……そう言うとこデス」

「何が?」

「何でもないデス」


解せぬ。


「アユムくん!ちょっといいか!?」

「ナタリアさん?」

「早く出てくるデス、どうせ他のは明日で何とかなるデス」

「そうだな、また来る!」

「……待っててやるデス」


ナタリアさんに呼ばれるとは珍しい、昨日からブライズは大人しくなったしメリッサと一緒にいた気がするが……。


「やぁ、ははは……どうもぉ」

「おっ、おお……!」


メリッサの服をナタリアさんサイズにした奴着とるぅ!?

健康的でスポーティーな印象をメリッサなら感じるのに、ナタリアさんだと露出多くてムチムチでエッなんだが!!?

……この流れさ、エレンの時やったよな?


『『……』』

「姉者達のテコ入れだ」

「「コラ!」」


やっぱりな!

でもありがとう、凄くエッで助かった!


「や、やっぱり32のおばさんがこんな格好……」

「そんな事ありません、ナタリアさんはとても魅力的な女性ですよ」


否定させない……例え本人でも否定させぬわぁ!

身長とかを入れるカップサイズだとコーデリアに軍配上がるが、純粋に大きさなら引けは取らん!

それが露出の多いチューブトップ、そして下はミニスカート……脚にニーソックス……乗ってるのだ、肉。

そう言うのが絶対って言うんじゃない、女性としての魅力としてめちゃくちゃイイに決まってる!


「そ、そうか?アユムくんにそう言ってもらえるなら、頑張って着てみた甲斐あるなぁ」


羞恥に染まるナタリアさん、イイね!

しかしどうして急に……いや、多分ここで言うべきじゃないな。

野暮ってもんだわ。


「折角です、一緒に里を巡りませんか?」

「───ッ!あ、ああ!」


俺の差し出した手を、ナタリアさんは恐る恐る取ってくれる。

2人きりで里を巡る……。

うむ、デートですねこれ!





*************





「あそこが霊果を育ててる果樹園です、本来ハートリー王国との交易による輸出品として作ってる奴ですね」

「あんなに沢山()るんだね、こうして見るのは初めてだ!」


こちらアユム。

ナタリアさんと手を繋ぎながら、里の見学ツアーデート中だ。

とりあえず張り切ってエスコートする、オーバー。


「この霊果って故郷のリンゴって言うのに似てて、これのパイとかが王道の菓子でしたね」

「霊果のパイ!う、美味そうだ……!」

「ナタリアさん、甘党ですか?」

「じ、実は……」


よし、スイーツだな。


「俺なら作れますから、今度ご馳走させて頂いたでも?」

「本当!?で、でも悪くないか?」

「大丈夫ですよ、それにナタリアさんが喜ぶ顔が見たいですから」

「も、もう……嬉しい事言ってくれるじゃないか!」


ああ、楽しい!

ナタリアさんも喜んでくれてそうで何よりだわ!

この人もずっと苦しんできた人だ、これからは人生楽しんで欲しい。


「ここはあの練兵場か」


そうだった、流れ的にここ来ちゃうじゃん。


「……アユムくん、折角だし汗を流してかないかい?」

「それって試合って事ですか?」

「ああ、何かそんな気分になっちゃってさ!」

「分かりました、喜んで」

「ありがとう!」


って事で甘々から転換、熱々な時間に入った。

ナタリアさんは格闘技が得意みたいだから、俺も無手で相手をする事に。


「よぉし、行くぜ!」

「はい!」


使ってくる感じナタリアさんは拳主体の打撃系、蹴りは牽制程度。

すげぇ速度で間合い取ったり詰めたりして来るので、中々上手くこちらの技が決まらない。

流石ルークランク冒険者まで上り詰めただけある。


「ちぃっ!そっちも上手く躱すじゃねぇか!」

「俺は故郷の武道経験者なんで!」


間合いの取り方ならこちらも剣道やってたからな、ある程度応用は利く。

後は見たり聞きかじりな柔道もどきで対抗してるが、掴む前にヒュッと避けられて拳が飛んでくる。

半身で避けて腕を取ろうとして、また避けられる。

互いに中々決まらない。

以前の俺なら拳食らって負けてそうだが、闇属性状態異常と肉体強化(ブースト)からの超回復で鍛えられた分が避けさせてくれた。

しかしこのままでは埒が明かない、ここは……。


「アユムくん、なんだその構えは……?」

「はっけよい……」


故郷の国技……。


「え?」

「のこった!!」


使わせてもらう!


「速どわぁっ!?」

「おっとぉ!?」


完全に見様見真似でやった結果、ナタリアさんの上から覆いかぶさる形になってしまった。

尚ナタリアさんはでんぐり返しの体勢とする。


「あ、あわわ……悪い、びっくりして!」

「いえ、その俺もつい……」


俺にとってはご褒美な状況だったが、大変恥ずかしい目に合わせてしまった。

嫌われてないだろうかと目を向けるが、気恥ずかしそうにしつつも笑顔だった。

良かった!


「綺麗にしてから里巡り、戻りますか」

「お、おう!そうだな!」


大分スッキリしたようで良かった、俺も汗をかいたから流石に洗いたい。

場所借りて身体を流し、さっぱりさせて新しい服に着替えた。


「これ、凄く女っぽいな……」

「収納してあった奴で、一番似合うやつ選びました」


間違いなくサキが用意してた奴です、白い清楚なワンピースとかそんな王道(ベタ)な。

素晴らしいです。


「それじゃあ改めて」

「うん……」


手を握る彼女はとてもしおらしかった、女性っぽい服はあまり着ないのかな?


「普段パンツスタイルでしたけど、そっちがお好みなんですか?」

「あっ、いや……女を意識させるのを、避けてたっていうかさ」

「冒険者をする上でって事ですか?」

「ずっと、1人だったから」


そっか、この世界の冒険者にも変な奴いる時あるし。

ナタリアさんがそもそも魅力的だから、狙うのはいるだろう。


「当時アレの事はどうでも良くなってた、けどメリッサの事を考えると辛くて……のめり込む様に仕事してた、男っぽい服装はその名残りだな」

「なら、女性らしい服装が嫌なわけではないんですね」

「ああ、久方ぶりだから気恥ずかしいだけだ」


それならこの服装着てもらって良かった。

もっと魅力的な女性って事を、自覚して欲しい。

つまりもっと着て。


「あっ、ここは……」

「精人族達の墓ですね、メリッサが言うには今回の件での被害はここから向こうのらしいです」

「そっか……大きな爪痕が残っちまったね」


そうなんだよな、解決までに尊い命が沢山散った。


「せめて忘れないでいましょう、俺達は」

「アユムくん、そうだな」


2人で手を合わせる。

犯人は捕まえました、これから償わせていくつもりです……ですのでどうか安らかに。


「……よし、それでナタリアさん」

「ん、なんだ?」

「どうしてオシャレして、俺をデートに誘ってくれたのかなって」

「ウェッ!」


ワタワタしてるナタリアさん、かわいい。


「オホン、その……嫌いにならないでほしいけど……」

「大丈夫です、言ってみてください」

「……皆が羨ましかった、アユムくんと幸せそうにしててさ」


ん、告白。


「実のところ優しくていざって時は男らしく頼りになる……キミに惹かれてるんだ」

「はい」

「でも年齢が年齢だから、きっと本気では求められないだろうって考えて一歩引いてた……でも今朝幸せそうなメリッサを見て、どうしようもなくモヤモヤしちまった」


ナタリアさん、そんなに強く想ってくれてるのか!

これは、応えなきゃ男じゃねぇ!!


「ナタリアさん」

「うん」

「俺と同じ墓に入って下さい」

「えっ……そ、それって……!」


日本だと苗字が違う人はお墓に入れない、そしてそれは異世界カノスの家名のある家族も同じ。


「クイーンランク冒険者になったら家名を得るつもりです、だから同じ家名になって欲しいです」

「い、いいのか?本気でオレの事……!」

「俺の事を好きになってくれた美人は、全員幸せにするって決めてるんで」

「アユムくん!」


互いに抱きしめてから離れ、また近づき唇を交わす。

再度離れた時には、その瞳に火が灯っていた気がした。


───────────


翌朝、アユムに用意された甘い物を美味しそうに食べるナタリアの姿が見られた。


メリッサに聞かれると彼女は「頼まれればいつでも作るってさ、愛されてるなオレ!」と嬉しそうに笑った。


後に女性陣が集ったのは言うまでもない。

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