合流、そしておかえり
コーデリア
アユム
視点です。
「なるほど、デクスターは本当にあのデクスターが元なのね!」
「オレはてっきり偽名だとばっかり思ってたよ!」
「元の方に負けぬよう精進してまいりますぞ!」
たくさん話したいことがある、本当にその通りになり既に辺りは暗くなっている。
すぐにでもアユムを助けに向かうべきと思いつつも、緊張も相まって滞り、いつもより口が回らなかったみたい。
そんな中でも気にせず母さんはちゃんと全部聞いてくれた、本当に嬉しい……!
「それにしてもコーデリアが召喚者と恋仲で、ルークランク冒険者で、今回で昇格確定なんて……将来安泰ね!」
「もう母さんったら……でも合流して今回の一件を解決出来たら、将来を考える時なのかなって」
「「ほう」」
わっ、母さんとデクスターが揃って顔を見合わせた。
「アユム様は立場が立場です、それが明確になった後の婚姻ともなれば色々と面倒ですな」
「つまり立場が明確になる前に婚姻を結ぶ、或いは相応しい立場になる……なら一択よ」
「「立場が明確になる前に婚姻!」」
2人の意見がピッタリ合った!
「やっぱりそうかな?」
まぁ、私もそうすべきかなって思ってたけど。
「私の子だと明かすと亡霊に足を引っ張られるし、貴族として名を上げるのは面倒な上に柵が多すぎるわ!」
「その点クイーンランク冒険者になった後に婚姻、立場が明確になる前にキングランクに至れていれば尚の事誰も文句はつけられないでしょう!」
「この場のメンバーはそれで行くつもりよね?」
「もちろんです」
「わ、ワタシも……!」
そりゃあそうよね、愛されてるだけじゃなくて結ばれたいもの。
それに母さんの言う通り、血筋に柵が私達にはある。
私は皇帝、エレンは帝国貴族、アリスは王族庶子。
口うるさい特権階級を黙らせるならキングランク冒険者は、この上ないアドバンテージになる。
強くて国に認められてるのが分かってるわけだし!
「ならやはり彼はあくまでもルークランク冒険者アルフとして扱う、全員分かっているわね!」
『はっ!』
現在の近衛騎士団のメンバーは母さんに育てられてここまで強くなったらしく、頭が上がらないそう。
だから言う事には基本YESみたい、そうでなくても「長らく我が国を守る為に戦われている、女性の憧れですから」と慕われてるしね。
「それじゃあ明日、シャーウッドの里への接触を試みましょう!ところでコーデリア」
「うん、どうしたの?」
「少しばかり試合してみましょうか、話はしたけど実際に合わせてみましょう」
「わぁ!えぇ、もちろんよ!」
母さんからの誘いが嬉しくて、その日は軽く試合をする……つもりだったのだけど。
「何度も言うけどあの時置いてかれた時、本当に嫌われてたんだと思ってたんだから!」
「私も何が正しいのか分からなかったわ!でもずっと貴女の事を思ってたのは本当よ!」
こんな感じでまだ言い足りない事を互いに言い合いながら、何度も強く切りあった。
「アユムくんはそんなに良い人で良かったけど、先程のやり方じゃ表だって正妻にはなれないわ!それで良いのね!?」
「立場に拘りはないもん!彼と結ばれた上で愛し合えれば、それで良いもの!」
「うふふっ!貴女が幸せな人生を歩めそうで良かった!少し羨ましい!!」
「母さんだって再婚すればいいじゃない!望めばいくらでも相手がいそうだけど!!」
「これでも理想が高いのよ!!何もしない間に孫を見ることになるかもね!!」
「それ自分で言う!!?」
だんだん方向性が逸れていったけど、互いにいい汗かいて楽しかったぁ!
「ふぅ、ふぅ……力は負けてそうね、大分痺れたわ」
「はぁ、はぁ……速度は母さんだよ、ついてくのがやっと」
「ふふ、見事よ……これなら、将来キングランク冒険者で通用するでしょう!」
「ありがとう、母さん!」
長い間離れ離れだったとしても、こうやって剣を通じて分かるものもある。
私達、やっぱり親子だね!
この後は身体を綺麗にして母さんと一緒に寝た、明日里へ向かう!
何事も無く合流できるかな?
*************
目が覚めると左右に人がおって、腕が痺れとります。
右にメリッサ、無垢な寝顔を晒しとります。
左にアルバータ姫、以外と熟睡してて無防備。
大丈夫、何かあった事は……メリッサと触れるだけのキスしたくらい。
それだけでもキャーキャー言う取りましたから、とりあえず今はここまででね?
アルバータ姫は好意あるアピールみたいなのは見せて来るけど、あくまで興味や召喚者に対する憧憬みたいな感じ……だと思うし、多分。
だがそれが一緒に寝たいとベッドを繋げて3人で、しかも俺が腕枕とは……流石に血の巡りがやばいやばい!
「あっ、アユおはよ」
「ふふっ、おはよう」
「おはようございまする……」
よし、やっと動かせる!
腕動かそうとすると、避けてくれて開放された。
ああ、血が流れてきた〜。
身体を起こすと2人も起こしてきたが、左右の頬に感触が……!
「え……?」
「昨日の一回じゃあ、何か足りない気がしたからよ」
「私も危ない所を救われている、礼を返すのはおかしくないだろう?」
ま、まぁあんたらほどの人らがそう言うなら……。
実際役得ですし、おすし。
洗顔して外へ出て霊果の手入れ、その後は朝食となったがアルバータ姫が先に話題を出してきた。
「あの男……メイナードだったか、口を割るのか?」
「割るタイプには見えなかったな……」
「奴は黒き獣……いや邪獣だったか?を作る手伝いを率先してやってるみたいだった、ぜってぇ割らねぇだろうな!」
聞いた所によると紅髪紅目の人族の女が邪獣を放つ決定的なタイミングを大勢が見ており、奴が実行犯で間違いない。
そしてメリッサの血縁上の父親であるメイナードは、その女をマイハニーと言って手を貸してる共犯者と。
後ろに首謀者みたいのがいなければ、コイツらをどうにかすればゲームセットだ。
「とにかく何か分かるかもしれないし、会ってみるしかないな……あともっかい魔力吸い出す」
「おう、やっちまえ!アイツのせいでオレ気持ち悪いめに……!」
そうだった。
俺とのキスをせがんだのも、その口直しだった。
……よし。
「メリッサ」
「ん?何────」
「アーン」
「────あ、アーンムッ」
芋の煮っ転がし、美味しいよな!
いやなこと思い出させちゃったから、詫びだな。
「……ふむ、それは私にはないのかな?」
「……アーン」
「ふふっ、アーンッ……貴方は誠実だな、要求にあっさり答えてしまうなんて」
「美人の願いが最優先なんで……」
「素晴らしい心がけだ、でも人は選び給えよ?」
「あい……」
既にこの人は尻に敷いてきそうなオーラがしてる、実際お尻がかなり大きく感じるし。
デカシリダァ……。
朝食を終えると、早速練兵場へ向かう。
あそこに奴を収容してるらしいからな。
と、里長?
「アユム殿!実は先程ハートリー王国の近衛騎士団と接触がありましてな!」
「本当ですか!?」
「ええ、しかもその中にアユム殿の仲間の方もいました!」
「「「!?」」」
こうしちゃおれん!
メイナードは後!
「すぐ向かいます!」
「ええ、モーガン様が謝り倒して時間を稼いでますので!急ぎましょうぞ!」
GO!GO!GO!
このまま遅れたら、どうなっても知らんぞぉ!
ってことでセドリック里長を先頭に急ぎめに向かったら……いたぁ!!
「コーデリア!デクスターさん!エレン!アリス!ブラザー!」
「アユムゥ!!」
「アユム様!!」
「アユムさん!!」
「御主人様ァ!!」
「クククッ、元気そうだな!親友!」
「やれやれ、謝った甲斐あったかのう」
ひしっと抱き合う、短いながら凄く長く感じた。
それだけ濃い時間を一緒にいたんやなって……。
「無事!?」
「怪我はないの!?」
「ああ、この通りね」
聖剣エルフの祝福完治でどこにもないね、毎度筋肉ズタズタになってるけど超回復祭りです。
お陰で負荷でヒィヒィ言わなくなってきた、痛み酷いけど短期間で身体作りは出来るやつ。
「そちらの剣は精霊ですな!?」
「剣の精霊、興味深いですね」
「しかもこの感じ、ただの剣じゃねぇな?」
「聖剣の精霊エルフだ、ご挨拶だぞ」
「ナンジの仲間達よ、ワレは聖剣エルフ……よろしく頼む」
そんな風にワチャワチャ楽しく話してると、別の所で再会が行われていた。
「その特徴……もしかして」
「うっ……その……ナタリアって名前だったりすんのか?」
「────ッ!オレの名前を知ってる、のか!?」
「そ、そっか……アンタがオレの母親、母ちゃんか」
「ほ、本当に……オレの娘……?」
どうやらメリッサは母親と再会出来ていた、だがめっちゃ距離感を測りかねてる。
まぁ、直前にアレな父親に会ったわけだからな……仕方ない所もある。
「ナタリアは俺の従姉だ」
「オウ」
すげぇ縁キタコレ。
「娘の方と一緒に来てたが、“どうせ”口説き落としてたんだろ?上手く取りなしてくれ」
「どうせて……まぁ、しゃあないなぁ」
俺も放っては置けない。
「メリッサ、大丈夫か?」
「あっ、アユ、これはなんつーか……」
「そっちの人はもしかしてエイブの親友だって言う……?」
「ええ、アユム・ツツイって言います」
「あ、ああ……ナタリアだ」
一目で分かる、血が目茶苦茶伝わってる。
実際メリッサを大人な女性にしたら、ナタリアさんっぽくなりそうだもんな。
「メリッサはこれまで孤独の中で戦っていました、その上で昨日は実の父親と交戦する事になりました」
「は!?メイナードの野郎が何かやったってのかい!?」
明確に怒ってるし、嫌いなんだな。
それにさっきの感じはちゃんと愛がある様に見えた、ならば一押しあれば行ける!
「ええ、だからこそ貴女が本当の肉親としての愛情を教えてあげてください」
「あっ……そっか、そうだな!オレは何戸惑ってんだか」
ナタリアさん気持ちが引き締まったみたいで、メリッサに近づき抱きしめた。
「わっ、あっ、あっ……!」
「オレがアイツの本性を見破れなかったせいで、辛い思いさせちまった……すまなかった」
「あっ……母ちゃん……」
「そうだよ、“メリッサ”……アンタの母ちゃんだよ……」
「母ちゃん……母ちゃん……!」
良かった、これで無事に……まぁ精算する事はあるけど、とりあえず2人は大丈夫だな。
ん?
「あ、姉上がどうしてここに!?」
「友人であるエリザベスから聞いた、そして召喚者アユムとアリスに会いに来たのだ」
あっ、この2人もあったなぁ!?
大丈夫か?
「そ、そうだったんだ……!でも!」
「安心してくれ、私は彼が望まないなら召喚者である事は明かさない」
「えっ、本当!?」
「実は私も彼に思う所があるからね、共に支えよう」
「────ッ!うん!今度こそ一緒に!」
「ああ!」
おお、こっちは丸く……丸いか?
何か完全に姉妹で包囲網作る流れな件、将来的に俺の手綱握られてそうだな?
「貴方が召喚者アユム、コーデリアの恋人ね」
「え?」
っと、何か騎士を引き連れて来た精人族の女性!?
……あれ、耳尖ってない……コーデリアの事言及……ま・さ・か!!
「コレット姫ですか?」
「あら、姫って呼んでくれるのね!何か若々しくなって来ちゃうじゃない!」
マジもんだった!
話にはかなり聞き及んでたけど、本物に会えるとは思ってなかった!!
近衛騎士団からの接触って里長言ってたし、今は近衛騎士団団長なのか?
「コーデリア、再会出来たんだな!」
「ええ!そうなの!」
「聞き及んでました、コレット姫もご無事で何よりでした」
「私の事を心配には……」
ふむ。
コーデリアと再会出来ても、まだ何処か自分を責めてるんだな。
後悔も強そう、でもそれで苦しんでて欲しくないな。
「いいえ、貴女もあのクソ皇帝の被害者です!放っておける理由がありません」
「……」
「もう御自分を責めないでください、貴女にも幸せになる資格はあります……だから」
コレット姫の瞳を見つめる、彼女はコーデリアの母だけあってよく似てる。
だから余計に放っておけない。
「ありがとう」
「おろ?」
「母さん?」
おもむろに抱きしめられた。
あぁん?なんで?
「貴方みたいな人が娘の想い人になってくれてありがとう……本当に、良かった」
「母さん……」
ああ、なるほどそう言う事か。
それなら─────。
「私もワンチャンあるかしら?」
「ひょ?」
「母さん!?」
どう言う事なの!?
「なーんちゃって!ふふっ、驚いた?」
「あっ、もう母さん!」
「お、おっどろいたぁ……!」
だってワンチャンの下りの時の声、凄いガチのオーラ出してたんだもん!
これが“才女”の所以なの!?
女優としても才能あるの!?
『────スター!』
『────るじ!』
えっ、何?
今度は……いや、この感じは!
身体から何かが、出てくる!!
「ふわぁ……良く寝たデス」
「うおわぁ!?」
「あっ、大精霊クリスタル様がお目覚めじゃ」
そんな軽いノリで来るイベントなの!?
ほら皆俺の身体から頭出てきて呆然としとるやん、早くデテ!
「居心地良かったからもっといたいけど、迷惑みたいだから出るデス」
ありがとナス!
……ってことは揺り籠としての役目は終わりだから!
「マスター!!」
「主!!」
「サキ!ラミ!」
神器姉妹開放きた!!
なら今回の功労者にも会える!!
「出てこい、サジェリア!フィオナ!」
「あゆむさま〜」
「お兄ちゃん!!」
「お前らのお陰で助かったぁ!ギューーーーー!」
「おお〜、かんきですわぁ〜」
「お兄ちゃん大好き好き好きぃ!!」
やっとだ、やっとだよ!!
「やっと全員集合だぁ!」
おかえり、皆ぁ!!




