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電脳水筒と闇の鍛錬と女王への道

『ピピピーーーーッ!!!』

「お兄ちゃん連れて来たよ!」

「めっちゃ来た!ジャック!“ジョン”!ハガード!」

「エエイ!網ヲ!」

「我ラデ共ニ!」

「引き上げる」


現在ルークランク昇格の為の条件にある、ビショップランク依頼の10件目をやっている。

今回の依頼は増えすぎて持て余していた“アーマーディア”と言う甲冑みたいな甲殻があるシカ、その群れの捕獲だ。

冷気を出しながらフィオナが追い込み、3つ仕掛けた引き網罠を力持ちのジャックと“ジョン”とハガードが引き上げる。

……因みにジョンは実験でテイムした2体目のリザードジャックだ、プライド高そうなジャックより友好的な武人だ。

これで目標数に達するくらい身動きを封じたから、最後の仕上げだ!


「サジェリア!」

「おねむのじかんですわ〜」

『……ピュ〜……ピュ〜』

「ナイス」

「やりましたの〜」


サジェリアのヒュプノリリーで眠らせてフィニッシュ。

こいつらをパターソン公爵領にある農村を取り仕切ってる豪農さんに納品、依頼は無事に達成出来た。


『個人依頼が多かったから皆バラバラなのは面倒だったが、これで皆昇格出来るな』

『アユム以外はさっき報告確認出来たわ、待ってるわね!』


皆早いな!

俺が遠い所優先でやったから仕方ないけど、優秀過ぎるわ本当に。

隠密水筒(ステルスボトル)で姿消して、自立機動で飛べばすぐ帰れるから良かったが────。


『あっ!』

『サキ、どうした?』

『今、目覚めたんだ!ボクの新能力!』


本当か!?

サキのは久方振りだ、成長したって事だが一体……。


『最近マスターって戦闘で鍛錬不足なのに、元気を要求されること多くて悩んでたよね!』

『あ、ああ……そうね』


ダンジョンでは後衛、家では……求められてる。

愛されてるって事だし、今の俺じゃあ前衛は務まらないのは理解してる。

だが何とか出来ないか、悩んでたのは事実だな。

ダラしねぇな?


『ボクのこの能力なら良い鍛錬になるよ!』

『ほう、一体どんな?』

『栄養添加の派生のヤツで、水に魔法的な状態異常を添加出来るんだ!』

『えっ?』


所謂(いわゆる)デバフだよな?

まぁサキを介してテイムしたサジェリアがそっち向きの能力だし、ラミの電脳干渉(ハッキング)と組み合わせる事を考えて発現した能力なんだろうな。

名前つけるなら水筒弱体(ボトルデバフ)……。

だがそれをどうやって鍛錬に繋げるんだ?


『ほらほら忘れたの?コーデリアやアリスがどうやって強くなったのかさ!』

『……呪い!?』

『それは状態異常に含まれないよ!そもそも神聖性あるもの苦手でしょ!』

『あっ、そっかぁ……』


普通に考えればそうか、だがニュアンスは伝わった。


『身体に負荷をかける?』

『正解!より詳しく言うと“闇属性”状態異常を添加した水を飲んで、身体に負荷が発生する様にするんだ!』

『何それ、怖そう』


魔法等の属性のエネルギーは、身体に蓄積し過ぎると状態異常が起こる。

土属性の派生が闇属性だったか、イメージだが身体めっちゃ重くてダルくなりそう。

……でも効果ありそうでもある。


『マスター、呪いと比べれば負荷が発生する……それだけだよ?』

『むっ』

『2人はそれより(つら)〜いのに長く長く耐えてだよ!?マスターはなよなよでそんな事も出来ないのぉ!?なっさけないなぁ〜!』

『むむっ』

『皆が大好きな主に限ってそんな事……ありえないし〜』

『むむむっ!』


これは確かにそうだ。

コーデリアやアリスの方が辛かったのを耐えて耐えて耐え抜いて強くなったのだ、俺がここで怖そうとかダルいとか思ってる場合か?


『あゆみさまいいこいいこしますの〜?』

『流石に情けなし』

『お兄ちゃんはカッコいいもん、これくらい出来るもん!』

『ヤハリ神器ガ無ケレバタダノ人間、後ロデ内心ビクツキナガラ控エテイロ』

『大将ナラバ構ワヌダロウ、男トシテハ些カ残念ダガ』


ち、チィックショオオオオオオオ!!

黙ってりゃ使い魔共も揃って好き放題煽りやがってぇ!!


「やってやろうじゃねぇかよ!!」

『マスター!』

『主!』


魔力を消費して闇属性状態異常を添加した水、これを飲めば良いんだよなぁ!

飲んでやろうじゃないかぁ!!

うおおおおおおおおおおおおおおっ!!!





*************





「アルフくん!死なないでぇ!」

「死にましぇん……」


現在ベティさんに膝枕されながら、泣かれてます。

そう言えばコーデリアとの初接触の時、こんな風になってたよねって飲んでから思い出したわ。

自立機動なきゃ帰れない所だった。

だが一度始めちゃったし、このまま負荷かけ続けてみよう。


「神器に依存しない強さの獲得と愛する女達の幸せの両立、すげぇ覚悟だが……恩人に失礼とは思いつつ絵面が情けねぇな!ハハハハッ!!」

「パパッ!!」

「良いんだよベティさん、事実だから……」

「アルフくぅん……」


実際情けないからな、これまで怠けていたしね。

デクスターさんは褒めてくれたけど、女性陣を泣かせちゃうのはやはり格好つかん。

ベティさんもこんな、ああ親御さんの前で顔ペロペロしないで……。


「だがしかしまぁ、ベティの夫になる男なら強くあって欲しいからよ!俺も応援してるぜ!」

「ありがとうございます……」


ウォルターさんはこのスタンス変わらないのが正直ありがたい、マジ頑張ろう。


「そんじゃまぁ手続きは終わってるぜ、冒険者アルフのパーティ……全員ルークランクに昇格だ!」

「おお、無事昇格で安心です……」

「皆しっかり条件こなして来たもの、当然の事だよ」


今度はナデナデされてる、あったかいナリ……。


「んでその状態なとこ悪いんだがよ、クイーンランクの昇格に必要な条件の話だ!」

「おお、めっちゃ大事な話じゃないです……!」

「コラ、起きない!」

「おうふ」

「まぁ気にすんな、そのまま聞いとけ」

「うっす」


身を正そうと動く素振りを見せたらこうである。

サキに言えばすぐ解除出来るし、そこまでしなくてもと思うが……心配かけた手前甘んじて束縛されよう。


「条件は

①ルークランク依頼30件達成

②小型ダンジョンの制覇

③一国以上のクイーンランク推薦

となっている、中々面倒なのがあるだろ?」


ニヤニヤと告げるウォルターさん。

依頼は時間かかるけど難しくは無い、小型ダンジョンはアンデッドダンジョンを制覇すればOK……問題は国の推薦だ。

男爵クラスの権限あるしクイーンって名前を背負ってるのだ、国が関わるのは当然か。


「ウォルターさんはオリファント王国から?」

「おう、ジェーンや他の奴と地上で暴れるワイバーンを討伐したんだよ」

「スゲーッ……!」


ワイバーンスレイヤーなのか!

亜竜でも竜は竜……格好良いぜぇ!


「パパもママも、正直まだ現役で通じるぐらいだもんね」

「おうよ!だが後は……若いやつに任せるけどな!」


はい、頑張ります。

しかしそうなると何処からの推薦を得るために頑張るかだな。

……と言うわけで。


「クイーンランクの為の国の推薦を得るため、今後どうするべきかを会議しまーす……!」

『わ〜』


屋敷に戻って、メンバーで話し合う事になった。


「召喚者であることを、明かさずにやらないといけないのよね!」

「慎重に事へ当たらねばなりませんぞ」


そうなんだよな、バレたら冒険者どころじゃなくなってしまう。


「ですがそうなるとオリファント王国、若しくは直近の国が対象となりますが」


遠すぎると移動がね……。


「オリファント王国はワタシが、その……」

「アリス、そうだな……」

「ごめんね御主人様」


アリスの背景が重すぎる……と言うか呪いがないなら連れ戻すとか、何で呪いが祓えてるんだとかで召喚者に繋がってしまう。

いずれアリスをハメた奴を特定して決着はつけるが、今はその時じゃないな。


「じゃあハートリー王国なんかどうだ?」


おお、確かにオリファント王国から隣国だし!

コーデリアのお母さんの故郷、その辺の真実を知る上で最適な……?

って!


「ブラザー……!?」

「よぉ親友、上がらさせてもらってるぞ」

「アユム様と仲良しの方ですからな、許可させていただきました」

「どうして……」

「理由は知らんが具合が悪そうって聞いたんでな、果物を包んできてやった」


サンキュー、エイブラハム!


「それで悪いがクイーンランク昇格条件の話は聞かせて貰った、国の推薦が必要なのだろう?」

「あ、ああ……」

「俺のドレイク商会はハートリー王国がそもそも古巣だ、あちらにも情報網がある」


イケメンで有能……嫌いじゃないわ!

いや本当に出来る男よ、この親友はよ!


「その情報網によると、現在国内での摩擦を抱えてるらしい」

「母さんの故郷でそんな事が……?」

「故郷、そうか……通りで目がな」


えっ、何その意味深情報!?


「お嬢様にも関係がお有りですかな?」

「……本当に何度見ても、デクスターって見た目だな」

「しっかり元になっておりますぞ、それで一体?」

「ハートリー王国の古い森に自然の大精霊を祖とする“精人族”と言う種族がいてな、“翡翠色の髪”や“緑の双眸”を持つ人はその血が混ざっているかもしれんのだ」

『!?』


“精人族”!

そこはかとなく香るぞ、“異世界王道種族”の匂いがな!

そしてコーデリアの美貌の由来がそっちなら納得ができる!


「その精人族も国内の摩擦に関係がある、ってとこか……?」

「ご明察だな……今まで良好な関係だったのだが、ハートリー王国が何をするでもなく、何故か一方的に険悪な状態だ」

「それは、困るよな……」


王国側からしたら理由(わけ)が解らないもんな、仲直りしようにも歩み寄れない。


「そこを外様(とざま)の私達がと言う事なのですね?」

「解決できれば国の推薦を受けるに足るだろう、それに俺も無関係では無いから協力する」

「たよりになりますわ〜」


これはもう決定だな。


「コーデリアも、大丈夫か……?」

「う、うん!自分の出生が思わぬ形で情報入ってきたけど……放っておけない!」 

「わかった、しっかりと準備を終えたらハートリー王国に向かってみよう……異論はないか……?」

『……』


異論なし、ヨシ!


「では決定とする……!」

『お〜』

「クククッ、さてと忙しくなりそうだな」


楽しそうだね、ブラザーも!

シカ→地球でも激増して問題になる、木の皮まで食って枯らす


豪農→農地を沢山持ってる富裕層、オリファント王国の豪農達は熱心な繁神信奉者が多く搾取をしない


闇属性→光と闇が備わると最強に見える、呪いのような穢れとは異なる為両属性は相容れるが、希少すぎて揃う事はほぼ無い

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