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電脳水筒と専属と番人

いやぁ、自分の家があるって良いもんだね。

あっ、筒井歩……ってよりアユム・ツツイかアルフと名乗る事が増えた男だ。

現在資産として所有する家屋は、旧サージェント侯爵邸である屋敷とリーデン帝国から持ってきた館の2つ。

面積としては屋敷の方がデカく、客観的に見れば館は屋敷の別館みたいな存在に見える。

しかしコーデリアとデクスターさんは館に愛着があり、そっちを基本的に利用している。

そしてその裏庭はサジェリアの農園に変わっている為、機能としては割とこっちの方がしてる気がする。


「あっ、アルフさんのパーティだ!おはようございます!」

「皆様!おはようございます!」

「よお、ドナルド君にキャロルちゃんじゃないか!」


結果俺が寝るのは部屋とベッドがデカい屋敷だが、食事は館の方で取ってる。

それが終わってギルドへ向かうと、アンデッドダンジョンに向かう2人と出会った。

彼らは最初のポールダンジョン冒険で会った冒険者だ、会った時はポーンランクだったが努力してナイトランクになってる。

実力はあまり高くないが、真面目でひたむきな珍しい方の冒険者だ。

……まぁ、この2人付き合ってるんですけどね。


「キャロル、その後どうなの?」

「上手くはいってるんですけど、回数が……」

「普通男性は限られてますから」

「ワタシは恵まれてるんだなぁ……」


内容が生々しいよ、何か期待してるのかチラチラ見てる気がするし……。

仕方ねぇなぁ。


「デクスターさん」

「はっ、どうぞ」

「俺ですか?……これって……!」


そうです、元気になるやつだ。

そっちで不満が残ると、仲に問題が起こる可能性も出る。

大した事ない理由で破局は悲しいからな。


「頑張れ、男の子」

「う、うっす……!」

「鍛錬も欠かさず、ですぞ」

「はい、師匠!」


そっちはともかく、鍛錬の方は素直だな。

結果的に体力付くから良いわな。

こうして彼らの様にアンデッドダンジョンに挑む者も増えている。

理由はポールダンジョンと比べると、対策をしっかりすれば難易度が低いからだ。

お金を払えば時間制限があるが火属性の派生“光属性”の付与を、ラミト教会で行えるからな。

神聖性と同様にアンデッドに大きくダメージを与えられ、アンデッドは耐久力があまり高くないので狩りやすい、しかも死体は勝手に消失する。

そしてゴースト系は質高めの魔石、ゾンビ系は装備品や消耗品、スケルトン系は骨工素材が残る……良くあるゲームで言う“ドロップ”みたいな現象が発生する訳だな。

規模も小さいから極端に強いやつもいないし、実力が低くて稼げない冒険者にとっては嬉しい狩り場だろう。

ギルドは当然潤うし、アイテムが市場に出て経済が回るし、土地の所有者の俺には仲介料(マージン)が入る。

WIN WINだね!


「あっ!アルフくん!」

「ベティさん、おはようございます」

「おはよう!」


え〜、最近ベティさんとそう言う事があって距離が変わりました。

露骨に見せつける様にピッタリくっついて、尻尾をブンブン振ってます。

嫉妬の視線がスゴイです。

────愉悦。


「実は報告があるんだけど、私は貴方の専属スタッフになったのよ!」

「専属スタッフ?」

「あそこにある列があまり無い受付があるでしょ?あそこは専属スタッフがいる冒険者だけが、特別に受付出来る場所なの!」

「おお、仲良い相手とスムーズに受付出来ると」

「そう言う事!」


これはありがたい!

ベティさん狙って長い列並ぶ必要ないし、前にやたら口説かれるの怖くて苦手って言ってたもんな。

良かった良かった。


「では改めてよろしくお願いします」

「うん、よろしくね」


ニッコニコで大変可愛らしい。

と言うわけで早速専属受付に入ってもらい、和やかに談笑しながらダンジョン入場の手続きをしてもらったのだった。





*************





ダンジョンの攻略はつい最近休みが多めになっていた。

アンデッドダンジョン周りの事とか、所有資産関係とか、女性関係とか……他ので忙しくて動けなかったわけだ。

しかし(ようや)くこのポールダンジョンにおいても、大事な案件に挑む。


それが番人(ボス)である。


世の中の冒険者ギルド支部において、ルークランクが最強な理由がここにある。

何しろルークランクの昇格条件はビショップランク依頼の10件達成、そして番人(ボス)の撃破だ。

支部が置かれている場所の大半が、小さくあまり成長してないダンジョンであり、番人(ボス)が存在しててもマイルドな強さだ。

しかしそう言ってもその名称に相応しい程度に強さはあり、負ければ死が待っている。

支部最強を騙った奴がいたが、それ自体がステータスとして機能するわけだな。


「どれだけ強いのか、楽しみね!」

「腕がなりますな!」


主従組はいつも元気ですねぇ。

まぁ今回は俺も楽しみだけども、気になってる所あるし。


「アユムさん、見るからにここですね?」

「ああ、番人(ボス)はデカい門の先にいるのが相場らしい」

「御主人様、ワタシがやろうか?」

「やっても良いけど軽く触れるだけな、それで開くから」

「なんだぁ」


エレンは興味深そうに門を眺め、アリスは力仕事だと思っていたので不満そうだ。

その分戦闘で思う存分に暴れてくれ。


「サジェリア、ハガード、フィオナ!」

「でばんですの〜」

「戦いの時」

「お兄ちゃんの為に!」


これで俺、コーデリア、デクスターさん、サジェリア、エレン、アリス、ハガード、フィオナ。

俺の現パーティメンバー、総勢8人勢揃いだ。

半分が精霊と使い魔なのは御愛嬌。

それじゃあ!


「アリス!」

「うん!」


アリスが触れると重々しい門が開いていく、全員て導かれる様に中に入ると……。


「来タカ、新タナル挑戦者ヨ……!余ノ槍ノ錆トナルガ良イ……!」

「あれがリザードマン系魔物の王、リザードキングだ!」


体長にして5mもある体躯を誇り、大槍装備している。

更に配下としてリザードジャック1体、リザードジェネラル2体が各々リザードナイト10体を従えている。

8vs24……勝ったな!


「じゃあ予定通り私達が貰うわね、デクスター!」

「参りましょうか、お嬢様」


番人(ボス)とは自分達がやりたいと先に聞いてたので、そこは普通に任せた。

後は俺の振り分けだ。


「左にアリス、エレン、サジェリア!右にハガード、フィオナ!」

「了解!」「任せて!」「ですの〜」

「把握した」「キャハハッ!」


これが一番に、前後衛のパワーバランスが良い組み合わせだ。

アリスは盾を持たせてタンクをやらせて、エレンとサジェリアはコンビで雷属性魔法をバカスカ撃てる。

そしてハガードは硬いし冷気に耐性がある、フィオナは強力な氷属性魔法を詠唱破棄して撃てると強力。

これならそれぞれのチームが11体相手でも余裕で勝てる。

つまり残るは!


「お前がリザードジャックだな」

「ソシテ貴様ガ挑戦者ノ大将!」


体長4mと、キングと比べても十分デカくて威圧感ある。

一般的なダンジョンなら、コイツが番人(ボス)だったろう。

ポールダンジョンレベルだと、配下の1人として追いやられているが。


「何故ワザワザ自ラヲ危険ニ曝ス?」

「決まってるじゃないか、お前をどうにかするのさ!」

「愚カナ!力無キ司令塔ノ分際デ!!」


ダンジョンでも高い知性を持つ魔物なら、相手と自分の実力差が分かるらしい。

実際キングは自身より強者が2人掛かりで来るから、分かっていてもやらなきゃならんから辛そうだ。

だが実力が低い奴が弱いわけじゃないってのが、戦の常なんだわ。


「サキ!」

「ヌルヌルまみれになっちゃえ〜!」

「ブッ!?オッオッオッ!ガッ!!」


栄養添加でローションを出した。

こうなると身体がヌルヌルで滑る滑る。

近接戦闘が基本の奴はこれだけで封じられてしまう、そうでなくても起き上がれなくてかなりキツい。

更に!


「ラミ!」

「スタンガンだし〜」

「ヌガァアアアッ!?」


トリモチの場合コイツなら破ってこれかねんから、やり口を変えてみた。

ローション塗れで熱と雷が、良くダメージ通るわ。

だがコイツは倒さない、さぁ実験を始めよう。

電脳心握(コントロール)の出番だ。


「さぁ!これを受けられるか!?」

「ナ、舐メル、ナヨ!……?」


はい、見事に挑発に乘せられちゃったね!

俺の方を見た結果、催眠術に掛かってしまった。


「リザードジャックお前は分かっているはずだ、俺が攻撃を止めなければ既に死んでいたことを」

「確カニ、ソノ通リダ……」


事実を混ぜて言葉に信憑性を持たせる、思考誘導には大事な事だ。


「つまりお前は負けだと、認めるんだな?」

「我ガ負ケ、死ンダナラバ……ソウダナ」

「なら俺と契約して新たな生を得ようと、別に構わなくないか?ダンジョンに与えられた、番人(ボス)の配下と言う役割なんか捨ててさ」

「……新タナ生カ、考エタ事モ無カッタガ……悪クナイ、ナ……!」


よしよし!


「じゃあ俺と契約して、使い魔になってよ!」

「良カロウ」

「はい、電脳契約(コントラクト)だし〜」


リザードジャックの右手の甲に紋様が出来た。

このタイミングで!


電脳心握(コントロール)解除」

「ハッ!……キ、貴様!今ノハ……!」

「リザードジャック、これでお前は俺の使い魔な!」

「巫山戯ルナ!コンナ騙シ討チノ様ナ!」

「うるせぇ!俺の精神世界に封じられとけ!」

「グワアァァァ!?」


これでコイツは直接手が出せない、契約後に催眠術解除しても切れない事は分かった。

後は……。


「これでラスト!」

「ギャオッ!!?」

「お兄ちゃんの敵は悪い子だ!」

「シャガッ!!?」


ジェネラル2体撃破、最後はキング!


「これで!」

「とどめぞ!」

「見事ナリィ!!」


番人(ボス)撃破確認!

宝箱出現と階段の扉開放確認!

精神世界の状況を見ると……。


『緑豊カナ大地……美シイ海……白イ雲……ココハ何処ナノダ……我ハ何故……』


死亡したり消えたりしてないから大丈夫なんだな、実験成功だ!

番人(ボス)クラスの魔物でも、番人(ボス)でなければテイムが可能!

そして番人ボス部屋の魔物をテイムしてから、番人(ボス)を倒しても消えない!

もしかしたら精神世界に入ってたから消えない、かもしれないか……今度もう1体やってみよう。

とりあえず必要な部位を死体から取ってから、筒内収納(ボトルストレージ)でキングとその配下達の死体そのものを確保。


「よし、後は良い時間まで6階層でやってみてから帰ろうか!」

『おー!』「お〜」


この後使い魔組が精神世界に来たら、反抗的な態度だったジャック君はシメられた。

そして従順になったジャック君は、ジャック君で名前が確定した。

資産→会社や個人等の財産、大事にしよう


ドロップ→異世界カノスだと珍しい現象、そもそもアンデッドダンジョンがレアだとか


光属性→神聖性と違うのは明確な攻撃性があるかないか、そしてこの世界の光属性は回復魔法が存在しない

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