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電脳水筒と迷宮と雷撃

色々トラブったけど無事だった朝。

そこそこお値段する宿で朝食の代金を支払う。


「6,000リンクとなります」

「はい」

「ありがとうございます」


1人頭1,200リンク、これは別に高くも安くもないクオリティ。

貨幣価値としては、1円=1リンクと日本基準で計算できて分かり易かった。

因みにポーンランクのヒールポーションは相場500リンクだったのを、200リンクで600本売った。

何しろ12(ダース)箱を50ケース売る予定を安くして捌いた体だったからな、売上は120,000リンクとなった。

元手が無いみたいなもんで12万円と聞くと、非常に美味しいよな。


「それじゃあ行きましょ……“アルフ”!」

「おう!」


そうそう、冒険者登録に際して実は“偽名”にしてある。

黒髪黒目は割りかし見かけるが、名前がアユムのままだと召喚者を疑われやすいらしいからな。

身分を隠して冒険者やる人間は普通にいるので、それだといちいち面倒なケースが発生しがちであり、本名が別に存在すると判明してもこれは違法とされないそうだ。

偽名だと耳聞こえ良くないし、“芸名”の方が俺は好きだがね。

そう言えばアルフの名前に関しては主従組から強く押された、理由は知らんけど名前の響き似てるしいいかなって。


「ア……ルフさん、荷物はお任せを」

「無理はしなくていいからな?」

「私は完全に魔法職として動きますので、これくらいは」


女の子、それも細身の娘に荷物持ちさせるのはどうしても気が引けちゃう。

今後その手のが得意そうな魔物を使い魔に出来たら、もっと違和感無い動きが出来そうではある。

超絶便利だけど筒内(ボトル)収納(ストレージ)使ってる所は大っぴらに出来ないから、仕方ないんだけどな。


今回の目標は塔の迷宮(ポールダンジョン)への初挑戦となる。

メンバーは俺、コーデリア、デクスターさん、サジェリア、エレンの5名と言う形。

コーデリアとデクスターさんはテロに使ったダンジョンで狩った“グリーンコボルト”の革鎧を装備、俺とエレンとサジェリアは“ミートイーター”の繊維を用いたローブを纏っている。

そして俺のポケットに“ラミ”が、同繊維製ポーチの中に“サキ”が入っている。


『メイン、ウェポン』

『ボクは本気出すと国滅ぼしちゃうからさ!』


サキのはマジで滅ぼしてるから洒落にならない件。

と言うわけでブックカバーのお陰により、“そういう形の魔法補助道具”で周囲に誤魔化しが効くラミがメインウェポンに。

サキは周囲に見えない形でのサポートとなる。

二人共、愛してるぞーっ!


『ダイスキ、ダイスキ』

『……伊達男!』


そんな訳で2回目の冒険者ギルド本部にやって来た、手続きしてダンジョン入らないとなんでな。

……この時間はやっぱり人多いな。


「おはようございます、アルフさん」

「ベティさん、おはようございます……何かありました?」


尻尾フリフリでベティさんがやって来た、機嫌は大変良さそうだが良いことあった?


「いえいえ、皆さん実力者ですから期待してるのですよ」

「はははっ、こん中じゃ俺は並ですけどね」

「あらあら、ご謙遜を」


割りかし本当のことだけどね、神器姉妹と一体化したため伸び代はかなり高くなれたけど成長速度は他のメンバーより明らかに遅れている。

そのうち拳でサジェリアやエレンにボコられるかもしれん、ウワッホソミツヨイ。


「……」


おっと田舎アンチ(サイラス)おじさんからガンを飛ばされている。

今回は友達と朝からお飲み遊ばれている、長生き出来ないから肝臓労っとけよ。


「ちっ!」


ベティさんと和やかにお話してるのが気に食わないのか、ガチで田舎に親を殺されたのかは分からない。

だが別に現状実害レベルでなにか発生してないから、よくいる酔っぱらいって印象でしかない。

ポケットで振動がすごい、どうやらラニがめっちゃ通知入れてるようだ。


『アイツ、キライ』


って現在進行で言ってるからな、因みに後で確認したら中指立てた絵文字で溢れかえってた。

軍神神器としての血が騒ぐのは分かるけど落ち着いて、大丈夫だからね?





*************





無事にポールダンジョンに入れたが、 以前入ったダンジョンとの空気の違いに驚いた。

人の手が入った感じではなく、洞窟タイプの壁に一生燃えてる松明がある感じ。

その上通路がかなり広く、冒険者で溢れかえっている。


「魔物の質が全体的に高いわね」

「挑む人口が多い分、成長の速度と方針がまるで違うと見るべきですな」

「よわいこもつよいこもいっしょですわ〜」


以前のダンジョンで言えば最初の階層と2番目の階層の魔物が、同じ階層で湧いて共存しながら襲ってくる感じ。

魔物同士が争わない訳では無いが、目を合わせれば殺し合うみたいな殺伐感はない。

ダンジョンの性質も、生まれた土地に依存するとかだったり?

兎も角ある程度冒険者が場所取りを終えて狩りをしてるので、スペースがないしどんどん奥へ移動だな。


「人が少ない方が都合が良いですしね」

「そうだな、リスク抱える面倒は避けるに限る」


情報解析(スキャン)は能力を使っても目立たない、とりあえずサキを取り出して水分補給しながら同時発動しとく。

ミニマップが浮かびあがり、生物の反応がポツポツ現れていくがすごい数だわ。


『これは大変だよね、色分けしとくね!』


ありがとう、相棒。

するとメンバーが青、メンバーじゃない冒険者が緑、魔物が赤で表記される。

あれ、黄色がある?


『それは宝箱だね!大きいのがそうで、小さいのが罠だよ!』


なん、だと……!?

それは是非ゲットしたい!


「すんません、俺先導に変更で」

「アルフ殿がそう言うならば構いませんが、いかがしましたかな?」

「実は……」


コソコソ理由を話すと即座に変更となった。

正直この階層に出る魔物が大した相手ではないし、人が多くてまともに戦えないからそれが一番安牌だとなった。

他の冒険者を尻目にミニマップに従って移動すると、見つけた宝箱!


『宝箱もポーン〜キングまでランクがあるよ!緑→青→赤→銅→銀→金って色が変化していくんだって!』

『チシキ、タスカル』

『それな』


この宝箱は緑だからポーンランク、普通だな!


「これはアルフが開けるべきね!」

「あるふさま、おねがいしますわ〜」

「まぁ、俺がリーダーだし良いか……」


それにサキとラミがいる俺なら、安全に開けられるしな。

気楽に開けると、中から出たのはポーンランクの“ショートソード”だ。


『ダンジョン産のアイテムは、同じポーンランクでも上等な部類に入るらしいよ!』

「……これ俺が貰っていい?」

「私達の得物の方が上質なものですからな、どうぞどうぞ」

「よかったですね、アルフさん」

「ああ」


実際はラミがメインだが、剣を振るう機会もあるだろうしね。

俺は元あった剣をサキに回収してもらい、ショートソードを腰に身に着けた。

その後は小銭稼ぎになりそうなアイテムが大半だったが1つだけ“ナイトランク”の宝箱があり、その中から“シックワンド”と言うダークレッドの魔法補助用の杖が出た。


「エレン、これは君の物だ」

「あ、ありがとうございます……大事に使います!」


エレンにポジションとしてもビジュアル的にもピッタリな品にほっこりしたが、なんか約1名から謎の圧を感じます……がんばります。

その後は早々に第2層へ向かった。





*************





第2層は冒険者の数が減ったため、初めて狩りが開始された。

大きく体当たりが脅威になった“ビッグスライム”、狼の特徴を持ち闘争本能が高い“ウルフコボルト”、風魔法を扱う大きな蜂“ウィンドホーネット”等など……。

様々な新モンスターがおり、色付きじゃない分特化した耐性をしてないのが強みか。

緑のモンスターは火属性に弱く、土属性に強いみたいのがあったからね。


「中々いい準備運動になるわね!」

「ふふふ、流石お嬢様ですぞ!」


サクサク倒していく前衛組。


「つるでおさえましたの〜」

「助かります!我が(たけ)り、その身に受けよ……サンダー!」


上手いこと連系する後衛組。

そんな中で俺はどちらにも対応が出来るから、一応“中衛”だろうか……でも直接手を出すより。


「前衛は左からの接近に対処!後衛は横槍入れられそうだから抑えを!」

「「「了解です!」」」「りょうかいですの〜」


みたいに指揮を取ってる時が多い。

と言うのも神聖(ホーリー)団結(チーム)を発動させないとミニマップを共有出来ないから、感知能力で似たような事が出来るデクスターさんが前に専念している以上、俺が指揮役やるのが丁度良いんだよな。

だがそろそろラミの経験を増やす意味で、直接戦いたい。

……おや、この緑2つこっちに赤を連れて?


「す、すみません!救援をお願いします!!」

「シャアアアッ!!」

「全員そのままで、俺が対処する!」

「「「了解!」」」「ですわ〜」


良かった、俺暇で。

現れた冒険者は男女の人族だ、背後から来たのは……はいはい大きい蛇ですか。

俺は蛇に縁があるな。

情報解析通りなら“リベリーパイソン”、デカくて活発で攻撃的な魔物らしい。

俺はポケットからラミを取り出して、さも魔法を使いますよと言う様にブックカバーを開いて構える。


『“ポーンランク”のサンダー並だと倒せないかも、“ナイトランク”の方でいくぞ』

『マカセテ、アルジ』

「ま、魔法!?ひええっ!」

「う、うぅん……」


俺の横を大急ぎで意識を失った相方を抱えて逃げてくる男性、色々お疲れ様です。

俺はサキから投げられた情報から、詠唱をする。


「猛り狂う(いかずち)よ、愚かな蛮勇(ばんゆう)穿(うが)ち、敵を滅ぼせ」

「シャギャア!!」

「“サンダーボルト”!」


瞬間爆ぜる雷撃、光と爆音があるのに何故か余裕だ。

これは俺の神器であるラニが放ったものだからなのかな、結果的に一見このくらいなら怯まないクールなキャラみたいになったわ。

……しかし。


「「う、うぅ……」」


いっけね、気絶者増やしちゃった!

……とりあえず蛇回収して、目覚めるまで護衛だな。

やっぱり格好つかないわ、俺。

魔法補助道具→威力や詠唱速度を良くなる様に補助する、様々な形状があるのでお好みで


宝箱→稀に宝箱ランクの1段階上のアイテムが出ることもある、キングランクのその上があるかは神のみぞ知る


色→火水風土が赤青緑茶で、雷氷光闇が黄紫白黒

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