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雨と虹

1年後、、、


私は体調もすっかり良くなっていたので、気分転換に少しだけ働くことにした。もちろん祐介と家の事を第一優先に。


1週間に3回程度、祐介の病院の人手が足りない日に、私が手伝っている。


白衣を着て働く祐介はとってもかっこよくて、以前よりも一層好きになった。


でもだからと言って、蓮くんのことを完全に忘れたわけではない。

いつも私の心のどこかに蓮くんがいる。


トヨテのCMが流れるたびに、蓮くん思い出しまうし、街中で似ている人を見かけると、目で追っかけてしまうし、大雨の日には、蓮くんなんか今日楽しい事あったのかな、そんな事を考えてしまう。


今日も大雨だなぁ〜、少しだけ蓮くんのことを思い出しながら、晩御飯の買い出しに向かうために、小児科病院を出て最寄りの駅に向かう。

こんな大雨は久しぶりだった。

傘をさしていたのにも関わらず、髪の毛と肩はびしょ濡れだった。

駅の改札の前で傘を閉じて、カバンの中のハンカチを探す。あれ〜毎日持ち歩いてるのにこう言う日に限って忘れた。本当に私ってドジだなぁ、そう思っていたら、目の前から傘をさしたカップルが楽しそうに歩いてくる。私は持っていた傘を落としそうになった。


「蓮くん、、、」


蓮くんも私に気づく。隣にいた女性に何かを言う。すると女性は私の方をチラッと見て蓮くんに何か言うと、私に頭を下げて、駅の隣のカフェに入って行った。

蓮くん、彼女出来たのかな、胸がチクチクして痛くなった。私、まだ蓮くんのこと好きなんだ、、、。久々に蓮くんと会ったら、今まで心の底に眠らせていた蓮くんとの思い出が一気に蘇ってきた。


「怜さん、、久しぶり。最後に病院で怜さんに会ってたっきりだから、、、1年ぶりか?」


「久しぶりだね、元気だった?」


「元気だったよ、怜さんは?」


少しだけ髪の毛が伸びて大人っぽくなっていた蓮くんは、一層かっこよくなっていた。


「元気だったよ。」

「そっか、良かった。絵梨奈さんから、良くなったとは聞いてたけど、心配だった。」


まだ私の事を忘れないでいてくれてたの?そんな事はもちろん聞けず、


「今のは彼女?」


そう聞いた。少し間があってから、


「彼女だよ。可愛いでしょ。」


そう言うから、また胸がチクチクした。


「そっか、可愛くて綺麗な方だね。楽しそうで良かった。」


精一杯の笑顔でそう言った。


「俺、怜さんの事がずっと忘れられなくてさ、でもやっと彼女出来て、最近毎日楽しんでるよ。やっと前に進めた気がする!」


そう言うと、ハンカチないけどこれ使って!そう言って私にティッシュを握らせ、


「彼女のとこ戻るね!怜さん元気でね!またいつか会おう!」


そう言って、雨の中を走って行った。


私は左手にティッシュを持ったまま、しばらくその場に立ちすくんでいた。


そっか、前に進めていないのは私だけだったんだ。蓮くんはとっくに私の事を忘れて、あの可愛い彼女と楽しくやっているんだ。涙が出そうになったけど、蓮くんには幸せになってほしいから、素敵な彼女が出来ててよかった!私も前に進もう。そう自分を奮い立たせて駅の改札を通る。


改札を通った先のホームで電車を待つ。

すると、だんだんと雨が止んで、空が明るくなってきた。


「あ!ママ見て!虹!」


隣にいた小さな子供が空を指差す。

空には大きな虹が綺麗にかかっていた。


虹を見ていたら、私はここからまた私の新しい人生が始まる!そんな気がした。今日、蓮くんと会えて良かった。蓮くんが前に進んでいるのを見て、私もここから前に進んでいけそうな気がする。


私はそんな気持ちで、空を眺め続けていた。


< エピローグ>


  "あなたはどんな人生を

        歩みたいですか?"



   テレビからそんなセリフが

 聞こえてきて、思わず顔を上げる。


 もう怜さんの事は忘れたいのに、

    このCMを見るたび

  彼女の事を思い出してしまう。


  最後に怜さんに病室で会って

   もう1年が経つのか〜


   俺は未だに怜さんのことを

     忘れられずにいた。

あの夜の事を昨日の事のように

    思い出してしまうし、

 夢の中でもよく怜さんが出てくる。

    結局、最初に約束した

イタリアンにも一緒に行けなかった。

  一緒に海にも行きたかったし、

 夜景も連れて行ってあげたかった。

   怜さんとやりたい事が

   まだまだたくさんある。


    もう一度会いたい。


   街で小さくてロングヘアの

    女性を見つけるたび、

   怜さんかと期待してしまう。


_____________________________


   この後大事な用事があるため

    麗奈(れな)と家を出て

     最寄り駅に向かった。


    「麗奈早くして。」

「待ってよぉ〜。」


      そう言って、

   麗奈が後ろから走ってくる。


     2人で傘を持って

   マンションの外に出ると、

  今日は久しぶりの大雨だった。



       つづく。




※この物語は、実話を元にしたフィクションです。

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― 新着の感想 ―
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