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怪聞華小紀行  作者: 逢山 拓夢
点描ステラリス
2/2

2.北極星って知ってる?

「君、星に興味はないかい?」


妙に取り繕ったような声と表情、そして『天文部』の文字と絵と呼べるのか怪しいほどヘタクソな星が描かれたプラカードを持った女子生徒がそこにいた。


「え、星…?」


「そう!星!君、星に興味ありそうな顔してるな~と思って」


星に興味ありそうな顔ってなんだよ。


「いや、あんま興味ないです」


女子生徒との間に数秒の沈黙が流れる。


「君、星に興味はないかい?」


聞こえていなかったのか?先ほどの会話がまるでなかったかのように同じ質問を繰り返してきた。


「いや、あんま興味ないです…」


向こうがそうならと、こちらも同じ返しをしてみる。


「そんなこと言わずにさ~見学だけでもいいから!」


泣き落としだ、部活勧誘に必死すぎないか?


「お願い!人助けだと思って~」


そんな言われ方をされると無視できない、むしろ事情が気になる。


「まぁまったく興味がないわけでは…」


と言いかけた矢先、食い気味でさらに早口で彼女が語りだす。


「本当に?好きな星とかある?」

「いや~やっぱり私は北極星が好きかな~」

「なんでかっていうと北極星って世界中のいつどこから見ても同じ場所にあるでしょ?」

「昔の人はそれを利用して方角とか自分の位置とかを把握してたんだって!すごいよね~」

「どれだけ遠くに離れてもその星を感じることで恐れずに進んでいけるみたいな?」

「素敵だよね~」


呆気にとられたままの五月を無視して彼女は話し続ける。

そしてハッとした彼女は少し落ち着いて自己紹介を始める。


「あ、ごめん自己紹介まだだったね」

「私、最上 遥香2年、天文部の部長ですっ」

「小野瀬 五月、1年です」


応えるように自分も自己紹介をする。


「ごめんね急にいっぱい喋っちゃって」

「中々話を聞いてくれる人がいなくて…興奮して話しすぎちゃった」


少し引いてしまうくらいには確かに興奮度合は伝わってきた。


「好きなんですね、星…」


「うん、大好きなんだ」

「でも、実はいま廃部の危機で…」

「もしよかったら部室で話さない?」

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