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アリスちゃん

「むーー!」

「頼むから待っててくれ」

「ししょー!人間いっぱいいるよ・・・見つかってもし、私殺されたら祟るから!」

ようやく町が見えたのだが、コバヤシは服を買ってきてくれるといって譲らない。

お金は先日逃げて行った人間達が残していったものがある。だけど、1人はやっぱり不安なのだ。

「動くなよ」と私を城壁に置いてあった樽にしまうように隠すと行ってしまった。

「なんかいい匂い・・・リンゴだ!」

なんでこんな樽にあるかは分からないけど・・・ムシャムシャとスライムの体で消化する。

夢中になって食べていると、不意に持ち上げられる感覚がする。

「・・・!」

ガタガタと樽が揺すれ、外から、

「あれ?なんか軽くない?」

と女の子の声がした。

「・・・」

・・・バレないよね。もしかしてこのリンゴを集めていた人かな・・・。

「ちょっと開けてみる?」

「そうですね」

「いや、気のせいだろ。早く帰ろうぜ」

少なくとも運んでいる人は3人いる。ガタガタと揺すれ、「アワアワアワ」と声が出てしまった。

・・・音が大きかったせいか、バレることはなかったけれど。

なにやら段差を上っている感じがしたことに気づいた時は大分周りが静かになってきていた。

「さて、とエリス、カインありがとね」

どこかに運び込まれたらしい。周りが静まりかえっているところを見ると・・・人間のオウチ!?

助けて・・・!とアワアワしていると、ふたが開いた。

「え?」

「あの・・・えっと・・・ウルウルしたら許してくれる?」

「えええええ!?」

その女の子は驚いて、絶叫した。







「ごめんなさい・・・」

私はとりあえず樽から出て、謝っていた。

目の前のその人間はアリス、というらしい。

「えーーと、言葉、話せるの?」

「うん!私は此処から大分向こうの淫魔の森ってとこから来たスライムっていう種族なの!」

「細かい説明ありがとう。・・・なんで私の回収したリンゴ樽に入ってたの?」

「えっと・・・名前は秘密・・・名前は秘密・・・」

アリスって子が不思議そうに顔をする。コバヤシは名前を迂闊に魔術師に離さないようにって言ってた。魔術師だったらどうしよう・・・。

「秘密ってあなたの名前?」

「ううん。私に名前はないんだけど、名前は言ってはいけないって!」

「・・・?」

不思議そうな顔だったが彼女は「まあいっか」と気を取り直すと確信を突いてきた。

「あなたって魔物よね?まあ無害そうだけど・・・」

「!」

殺されちゃうのかな・・・!?

プルプル。

「待って待って!怯えない怯えない!私は冒険者だけどあなたは無害そうだし大丈夫!」

泣きそうな顔をしていると彼女は私に気を使って少しオーバーに否定する。

「このままだと町に居られないよお・・・プルプル」

腕組みして彼女は私を見る。何かを閃いたようだった。

「ちょっと待ってて!」

彼女は部屋の奥に入っていくと私に「外、出ないでね」と念を押し扉を閉めた。








「わああ!すごい!」

しばらく待っていると、彼女は扉を開け帰ってきた。その手にはローブが握られていた。

すっぽりと入り込む、少し厚ぼったいけれどこれなら人間にもバレないかも!

「これでいいかな。仲間はいるの?」

「うん!人間の男の人!」

「へ、へえ・・・変わってるね。・・・まあ街に出て探してみて。もし頼る人がいないならまた来れば部屋くらいは貸してあげられるから」

ありがとう!とわたしは部屋を出た。

「はああ・・・私の・・・リンゴジャム」

少女のため息を尻目にして、だが。







そのあと何とかコバヤシと合流出来たが、

「お前は・・・!どこまで運が悪いんだ・・・!」

彼は疲れ切っていた。

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