王国の過ち5
ようやく王国編終了。次回から主人公視点になる予定。
「王よ。急遽時間を作って頂き感謝する。」
「よい。其方との仲ではないか…して何ようだ?」
王の私室に2人の姿があった1人は勿論王。そしてもう1人は王とは長年の付き合いがある賢者である。
「用件は孫の件についてなんだが…確認を取りたいことがあってな…」
「なんだ?あー王の身分を隠すってことなら既に飲んだ筈だが?それ以外に何かあるのか?」
「王宮警備隊が孫を国外追放したとされている。何か知っているか?」
王はその発言に大変驚き、直ぐに執事に確認をとる。その反応に賢者は確信的なものを感じた。王が直接は関わっていない…となるとやはり…
「…確認した…すまない。どうやらその国外追放私の刻印が押されていたようだ…これではもう2度とこの国に入れることが出来なくなった…犯人が分かり次第見つけ出し「その必要はありませんわ!」」
2人だけの部屋に入ってくる人がいた。それは王妃で、勿論賢者とも顔見知りである。
「じじい。まさか貴方もあの少女と縁があったとわね。それからこれがあの王印を盗んで押した商店よ。この商店と繋がりがあるのは色々あるけど、その中で一番高いのは…貴方なら分かるでしょう?」
「…第3王子か!あやつめ王印を盗んでまで何をしたかったんだ?」
「…王よ。まさか賭博場建設についても知らないと…」
「なんだ?それは?」
王の目に見えた演技に2人は目を合わせた…彼は黒だ!おそらく賭博場の事も、住民達が無理やり移動させられている事も知っていた。
おそらく賭博場建設に売り上げの一部は王にも流れる算段だったに違いない。
「嘘を付くでない人間。して、姫様さっきのこと本当?あの少女が国外追放されたって?」
突然窓の外のバルコニーからおぞましい魔力を放ちながら1人の少年が入ってきた。彼こそこの地域で神と呼ばれて信仰もされている竜である。
「ええ。本当よ。少女が行った方角までは分かっているわ。」
「じゃあ教えて!僕なら直ぐに追いつくし、…」
「ならワシが少女の魔力を探知しようかの。あの少女の魔力は独特じゃから直ぐに分かるじゃろ。」
「ふふふ。ならわたしも連れて行って貰おうかしら2人ともに任せていたらストッパーがいなくなりそうですもの….」
3人は今この場であったにもかかわらず直ぐに行動にでた。それを見て王は慌てた。
「待て!なんのつもりだ!たかが1人の少女の為に3人もここを離れる必要が…」
「あら、あなた。離れるだなんて…私はこの国を旅立つつもりでしたのに…」
「王よ。ここまで先を見通せないお方になっていたとは思っていなかったわい。」
「僕は彼女に会わないといけないからね。この国にいる必要なんてないもん。」
王の静止もなんのその。2人と1匹はバルコニーから悠々と少女の後を追うたまに南の方角へと飛び立った。