王国の過ち
しばらく主人公は出ません。始まったばっかりなんだけどね。書きたい話があるから仕方ないねw
1人の少女が国外追放された直ぐ後少女の家の前に現れた人物がいた。この国の第3王子である。
「ようやくここら一帯の住人が居なくなったのか…おい!随分と時間が掛かったじゃあねえか?一番最初に提案してからどれくらい経ったと思う?」
「申し訳ありません。1人の住人を除く全ての人には穏便に出て行って貰ったのですが、残った1人に対しては効果が無く…王印を盗んで国外追放という形で処理せざる終えませんでした。ですがご安心ください。王子のご希望である賭博場は直ぐにでも完成させる事ができます。」
「…なら直ぐに取り掛かれ!5日後出来てなかったら…分かっているな?」
「勿論でございます。既にここら一帯の土地を更地に戻しておりますので、直ぐに取り掛かれます。」
1人の少女が国外追放された理由とは…自分の陣営の金儲けの為に国で禁止されている賭博場の建設を、強引に進めるために王印を盗んでまで作られた全くの嘘の罪である。
勿論それを普通の人がしようとするなら勿論死刑と言う生温い重い罪で済まないだろうが、腐っても王子である。王座戦戦こそ少し遠いが力とお金はそこら辺の貴族よりも多く持っており、こう言った事件をもみ消すのは簡単だった。
そう…そのはずだったのだ…その少女の家を通うような王子を上回るような人がいなければ…
「どう言う事じゃ…ワシの記憶じゃとここにあった数軒丸ごと更地になってあるようじゃが…!ど、どう言うことじゃ…あの少女の魔力がこの国にないじゃと…いかん!すぐに報告しなければ!」
毎週のように少女の家に通っている1人の老人は少女の作り出す魔道具の製作に関わり、初めての試作品を貰った仲だった。
魔術に関しても色々な事を話し合い、たまには喧嘩をして孫とお爺ちゃん程離れているが、老人の話を聞いてアイデアをすぐに出せる頭の良さと色んな事に貪欲に学ぶ姿は老人にとって楽しみの一つでもあった。
先程使った探索魔法は少女と一緒に作り出した全く新しい魔法で、これにより人を探すのは勿論見知らぬ土地に行っても迷うことなく進むことが出来る優れた魔法である。
弱点としてはそれなりの魔力を使うことだが、老人にとって些細な魔力だ。今日新しい魔法を作り出した孫として王に合わせるつもりだった。
しかし来てみればそこにあったのは何もない更地である。王への報告を兼ねてこの事について調べる事にした。