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石の民 「君は星星の船」第30回 石の男、女王アルナ2人は船『死せるものの船』の補助頭脳。石の石棺「北の詩人」が主人。 大昔、機械神が「北の詩人」が新生世界の種子ときめた。という

石の民「君は星星の船」 第30回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/



光二は疑問に思う。

「お前はいったい、石の男ムリムとは」


「この船『死せるものの船』で私と彼ムリムが戦っていた。『死せるものの船』の主導権をめぐってね」

2人は船『死せるものの船』の補助頭脳だった。石の石棺の中の「北の詩人」が主人なの。

大昔、機械神がきめたのよ。「北の詩人」が新生世界の種子とね。


「主導権だって」光二はたづねる。あとの言葉は理解できない。あたしたちふたりは機械神の移動機構。この船『死せるものの船』の補助頭脳なのよ」


言葉とともに、するどいアルナの剣先が襲ってきた。


「私は女王アルナ。光二とか、いったね、お前は血祭にあげてやる。私が生まれ変わった印としてね」


「生まれ変わった」


「そう、私はミニヨンAの体をとりこんだ」


「ミニヨンの体を、それじゃ、有沙の意識も」


「そういう事になる。さあ、お前も私の手にかかって死ぬ」


「なぜだよう、おばさん」


「きがついていないようだけれど、おまえの心底には、石の民アインがいるのさ、石の男ムリムの友達のね。アインは私にそむいた石の民。私が一番手にかけたい男」


「なぜだ。かれは石の男ムリムの手先として、この船を破壊した」


「そんなこと、俺には関係ねえ、その体ミニヨンAを返しなよ」


「下郎、この私アルナの聖剣をおうけ。私に殺されることを名誉と思いなさい。私は創造者。だから私はお前たちを自由にする権利がある」


「なにをしやがる。このおばんめ。お前が女王であっても、創造された人間を殺す権利なんかみとめない。

俺は光二。フッコウベース、Bグループの光二だ、だれが進んで殺されるかよ。聖剣だかなんだかしらないが、むちゃはやめな。

俺は戦うぜ、自分のため、そして有沙のためにな」そういう光二は、ふらついて、たおれそうになる。



「ど、どうしたんだ、おれの体は」光二の心に恐怖が走る。


「お前は『石の男』ムリムが作った世界の住民なんだよ、あの祭司アルクと同じようにね。さあ、覚悟はいいかい」


姉有沙の顔をした女王アルナは、鋭い剣を光二の体にむけた。


『光二、お前も聖砲をもっている』

光二の心に声がした。アインだ。


そうだ、聖砲はどこだ、光二はポケットからそれをだした。


祭司の剣が動く。光二はかろうじて横にころがる。が、剣からでた光線が光二のほほをはう。


「光二、は、早くしろ」祭司アルクが声をかける。 祭司アルクの足は完全に消えてなくなっている。


「うわっ」光二の指が第2関節までなくなっていた。


「どう、つかうんだ、これは」

アルクにたずねるが、アルクもしらない。アインのおっさん、教えてくれよ。俺は使い方をしらないんだ。


「さあ、観念おし」アルナが、ゆっくり剣をかまえた。光二は指輪を真ん前に差し出していた。


「なぜ、お前がそれを、それは有沙がもっていたはず」アルナの顔色が変わっていた。


「さあ、はやく、それを、およこし、そうすれば、命は助けてやる」アルナの態度が急に変わっていた。

「だめだ、こ、光二」アルクが苦しそうにいう。


「そ、それを、渡したら、終わりだ」アルクはこちらをみながら倒れる。


「えーい、はやく、およこし」無理やりアルナは光二の指に手をかけた。


その時、別の声がした。

「アルナよ、もうよせ」


「その声は、まさか」


「そう、ムリムだ、アルナ、私の最後のお願いだ」


「石の男ムリム、あなたは消えたのでは」


「が、残留思考が、この聖砲に残っている。新しい世界をつくろう。いや作り直そう。アルナよ、私と一緒になるのだ。この船の果てしない旅など、もう無用だ。この聖砲により、一緒になれ。


君と私はただの船『死せるものの船』の移動機構にすぎない。我々の行き先は彼が、機械神の後継者である、石棺の「北の詩人」が知っている。時は満ちた。アルナよ、私の手にいだかれよ」


「石の男ムリム、そうはいかない」


「アルナよ、ゆるせ」


 光二の指輪の先から光が走った。


石の民「君は星星の船」 第30回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/

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