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石の民「君は星星の船」 第18回 祭司アルクが見せた写真を見て、自分の姉、アリサだと叫ぶ。アルクのいる世界にいけば、まだアリサが生きているのだ。アルクの提案に光二は乗った。

石の民「君は星星の船」第18回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/


「このフォトを見てくれ」アルクは写真を差し出す。


「こりゃ、なんだ、えらく古ぼけた写真だなあ」


 が光二はこの写真を見た瞬間、大声をあげていた。


「姉さん!、これは姉さん有沙の写真だ」

 アルクもびっくりし、反論する。


「違う、私の娘ミニヨンだ」


「あんたが間違えているぜ、これは姉さんだ」 

光二はアルクのさしだした写真を握り締めている。手がふるえていた。

幼いときのアネキだ。


いったい、なぜ、この男は有沙の写真を持っているんだ。 

そういえば光二は有沙の写真は一枚も持ってはいない。


「とにかく、光二よ、私の話を聞いてくれ。私の娘ミニヨンが「石の男」に心を奪われたのだ」

「というと」


「石の男の心底に、ミニヨンが取り入れられてしまったのだ」

「心底にとらわれる」


「人間が心の中にとらわれるって。それに『いしのおとこ』とはなになんだ」


「石の男とは我々の信仰の対象なのだ。この男が、我々の世界を作っていると考えられて

いる」


「それじゃ、ミニヨンが中にいるのは名誉な事ではないのか」

「それと、ミニヨンの件とは異なる。彼女は一人の女の子だ。その子が創造者の心に入る

とは、不浄な事なのだ」


「俺たちの世界の価値観とは異なるようだな」


「そうだ。君は理解できまいが、とにかく、彼女を助けるためには、君のもっている聖砲が必要なんだ」

ここでいろいろ言ってもしょうがない。とにかくミニヨンとやらにあってみる事だ。

有沙である可能性もなきにしもあらずだ。光二はある決心をした。


「OK、あんたの言うことはわかった」


「おお、わかってくれたか」


「この指輪はあげてもよい。がそのかわり」

「そのかわり」男アルクは身構えた。


「あんたのいう別の世界に連れて行ってくれ」


「それはだめだ」男は不安になる。この若者は何を考えているのだ。


「つまり、あんたのいうミニヨンに会いたいのだ」

「私の娘ミニヨンに」

どういうことだ。ミニヨンに会いたいだと。


「そうだ。俺は自分の姉有沙だと考えている。あって納得したいのだ」

別の世界で生きている有沙に会える。ミニヨンとは有沙だ。と光二は信じ込んだ。

有沙

たしかに、そのほうが納得できるだろう。ただし、石の男に勝ったらの話しだが。つま

り、石の男と戦わねば、ミニヨンにはあえんぞ」


よし、うまくいっている。とにかく聖砲が必要なのだ。アルクは思う。


「戦いだと、のぞむところだ」光二の血が騒いだ。別の世界で戦えるだと。


「光二、私の体につかまれ」この若者の気がかわらないうちにとアルクは思った。我々の

世界に連れていってしまえば。どうせ、聖砲さえあれば、何とかなるだろう。


「あんたの世界に連れて言ってくれるのか」


「そうだ。君もそうすれば、納得するだろう」


「それはあんたも同じだろうよ、アルク」そうだ、俺は納得したいのだ。光二は思った。


 二人は異なる時間と空間を撥ねていた。


石の民第18回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

ttp://www.yamada-kikaku.com/




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