第六十四話
今回ちょっとほのぼの。
短め。
誰よりも気まぐれなのに誰よりもすごい。
誰よりも無口なのに誰よりも人気。
陰のような男なのに光にいる。
俺は多分…………いや確実に、憧れていたんだと思う。
『アッハッハッ、お前が!』
『それは無理でしょ〜!』
『私……!』
『……そうだっけ?』
『ごめん………』
「くっ!………」
怒りが湧き上がる。
俺は努力した。誰よりも!
もう………誰にも笑わせない……………!
◇◇◇◇◇
「あ゛ぁ゛ぁぁぁ…………」
放課後、やっと全ての授業が終わった………
久しく忘れていたけど、授業って1日真面目に聞くとこんなに疲れるんだな………
「よっ!お疲れか?」
「晃…………」
「うひゃー、今日は遅刻なし、居眠りなしだもんな。相当ガチでやるつもりなんだな、テスト勉強」
「昨日あれだけ目の前で活躍されたらね。さすがにやる気ぐらいでるさ………」
「ま、俺じゃ勉強についてはアシストできねーけど、頑張れよ!応援してっから!」
「ありがと………ふあぁぁ……」
大きな欠伸が出る。
昨日もゲームに費やする時間を全て勉強に使い、少し夜更かしした。
元の頭は良いおかげで、内容はなんの支障もなくどんどん入ってくるため別に勉強自体はそこまで毛嫌いしてないが、やはり面白くないし、体力を削られる。
「あ、紅葉!今から勉強会しよ?」
「え?」
「ほ、ほら…………昨日の言葉も………く、詳しく聞きたいなー……って…………ダメ、かな?」
顔を赤らめながら、上目遣いに聞いてくる。
この表情を無意識にしてるんだから恐ろしいよな。
それより、昨日の言葉?
昨日昨日…昨日……………昨日?
昨日暦月と何話したっけ?……………昨日……
「………………っあ!あれかぁ……」
思い出した思い出した。
昨日の好きだよ事件ね。はいはい。
「あー、暦月?紅葉はしばらく忙しいみたいだぞ?俺が代わりに付き合ってやるから、みんなも誘おうぜ?な?」
晃が横から乱入して、暦月を説得する。
晃………俺のために……
「えっ、そうなんだぁ…………まぁでも、紅葉も自分の勉強あるし、そうだよね……うん!わかった!」
「そうそう!たまには友達とも遊ばないとな!」
「えー、いつも遊んでんじゃん」
そう言って、晃と暦月は離れていこうとする。
暦月は表情は笑っているが、どこか寂しげだ。
球技大会の特訓で元々最近デートしてなかったし、昨日あんなことを言われたのに、しばらくお預け。
まぁ…………辛いよな……
「はぁ……………暦月……」
「ん、ん?」
振り返って、こちらを見る。
「別にいいよ、勉強会しても」
「えっ、いいの!?ホント!?」
「おい!紅葉いいのかよ?」
晃が耳打ちしてくる。
「俺は暦月を悲しませたくないからやってんの。それで傷つけたなら本末転倒だろ」
「でも勉強……」
「出来なかった分はいくらでも夜に回せばいい。たった10日だ。そのぐらいなら大丈夫さ」
「お、お前がそう言うならいいけど………無理はすんなよ!お前が倒れても、暦月は傷つくんだからな!」
「わかってるよ…………」
そう言うと、晃は俺たちに手を振り、離れていった。
「ほ、ほんとにいいの?忙しいんじゃないの?」
「ん、大丈夫大丈夫」
「や、やった!」
「あ、でもデートっていっても、あくまでも勉強会だからね?ちゃんと勉強してよ?」
「うん!場所はどうする?」
「いつものカフェでいいんじゃない」
「じゃ、早速行こ〜!腕組んでいい!?」
「校門出たらね」
「やったー!」
そういうと、早速腕を組んでくる。
「お、ちょ、暦月、校門出たらって言ったじゃん!」
「んふふふふ〜。紅葉の腕だーいすき!」
離そうとするが、ガッチリ掴んでいる。
はぁ…………このまま行くしかないのか……
「ねー暦月……」
「ん?」
「俺たちが最近なんて言われてるか知ってる?」
「なにそれー」
「バカップルだってよ。俺と晃が学食に行くとヒソヒソ言われてんの」
「えー!そうなの?」
「こんなことしてるからそう言われるんだよ!」
「んー、その通りだし、私は気にしないもーん」
「いや、だから………俺が嫌だって話をしてんだけど……」
「ふ〜んふふん………」
聞いてねぇ………鼻歌を歌っていやがる。
はぁ………今だって、通りがかった奴らが好奇の目でこちらを見ている。
バカップルなんて…………俺からデレたことなんてない。極めて心外だ。
校門を出るまでの間、視線がすごく痛かった。
シリアスとの差な笑笑
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