第五十六話(最終章 一話)
ついに始まりました!最終章!頑張りますので、是非とも応援よろしくお願いします!
https://mobile.twitter.com/u6DP2t2OjBUFvbK
「ビバ!球技大か〜い!!!」
「「「うおぉぉぉぉお!!!」」」
う、うるせぇ………
文化祭最終日から約2週間!
その後の紅葉と暦月の関係は特に進展することもなく、2学期最後のイベント、球技大会が間近に迫っていた!
「よっしゃお前ら!気合はあるかぁ!!?」
「「うおぉぉぉぉ!!」」
声を出すのは男子だけだか、女子も含め、球技大会の盛り上がり方が半端じゃない。
多分、文化祭の悔しさがまだ残ってるんだろうなぁ。
球技大会!
それは、クラスごとにチームを作り、学年別で優勝を競い合うというクラス一丸となって盛り上がる行事である!
そして!このクラスにおいてその盛り上げ役は学年一の運動神経を誇る秋田昂だ!
「よーし!まず!球技発表だ!色々と体育委員で話し合った結果、男子はサッカー!女子はバスケとなった!!」
「「おぉぉぉぉぉ!!」」
「どーどーどーどーどー、落ち着けお前ら!まずは男女に別れて、色々と話し合いをしてくれ!この時間は体育館半分とグランドの三分の一は自由に使える。必要とあらば、練習などしても構わない!!」
「「おぉぉぉぉぉ!!」」
うちの学校はわりと球技大会…………というか行事ごと全般に力を入れているので、話し合いの時間は自由に教室を抜け出し、練習していいのだ!
「よーし、男子集まったなぁ?それじゃ、早速着替えてグランドに集合!まずはレギュラー決めから始まるぞ!」
「「おぉぉぉぉぉ!!」」
てなわけで、グランドにレッツゴー
◇◇◇
「まず!一番基本的なシュートを見る!これはただPKで思いっきり蹴ってくれればいい!」
「っしゃおら!」「いくぜぇ!」「うぉぉぉ!」
こうして、クラス一列に並び、一人一人蹴っていく。
さすがにこれを外すような猛者はおらず、みんな普通に入れていく。
「次〜、紅葉!」
「…………へい」
とうとう俺の番がきた。この場合は入れさえすればいいので、適当に手を抜いて…………
「紅葉!思いっきり蹴れよ!」
「えー…………」
秋田同様、審査員としている晃がこっそり耳打ちしてくる。
「手抜きしたら、マックス奢れよ」
「え、えぇ…………」
マックスとは大手ハンバーガーチェーン店のことである。
大体がワンコインぐらいで収まって、意外と良心価格ではあるが、奢るのは気にくわない。
しょうがない…………思いっきり蹴るか………
ボールを置き、数歩下がる。
そこからボールまで助走をつけ、ボールをしっかり目で見ながら、思いっきり蹴る。
「ふっ!」
ボールはものすごい威力でゴールネットに突き刺さる。
「ヒュ〜、すっごい威力!」
「「ぉおお!すげー!」」
「やっぱやるなー、紅葉」
「まぁ、鍛えてるからこれくらいは…………」
「ふふふ、期待してるぜ!紅葉!」
「何を?」
「本番だよ、本番!お前はレギュラー入りだ!今のシュートを見て確信したぜ!」
「え?いや、ただ置いてあるボールを蹴っただけじゃん。それじゃ何もわかんないでしょ………」
「だがお前の力強さはわかった!」
「それがどうしたのさ」
「ばーか、お前足速いじゃん!」
「まぁね」
「体力もあって!体力テストでは全てにおいて高得点をたたき出し、A判定!お前は運動神経がいいことはもうわかってんだよ!」
「あ、そういうこと………」
「そ!お前ほどの人材を使わないわけねーだろ!?」
「あぁ、なるほど。たしかにね…………」
「今回は体育祭のときみたく逃がさねぇからな。レギュラーに選ばれたら休むとか言うなよ?」
「あぁ、うん。いいよ別に」
「あれ?意外…………」
「え?晃が逃がさないって言ったんじゃん」
「いや、それでももうちょい嫌がるかと………」
「んー、まぁ、あのときとは状況が違うからね」
「あぁ!なるほど暦月か!たしかにあいつは運動神経いいしな!彼女が活躍してんのに自分は休むなんてできねぇよな!紅葉も暦月にだいぶ影響されてきたな!」
「あぁ、そうかもね」
「あーい、次はドリブルだ!もっかい並べ!」
昂が指示をだし、再び一列に並ぶ。
このドリブルのテストは昂が相手として、ブロックするのを交わせばいいだけだ。もちろん手加減はするが。
「はい次紅葉!」
「あーい…………」
ボールを自分の目の前に置く。まずは普通にドリブルし、次にコーンを避けながら進む。そして最後に昇をかわしたらシュートで終わりだ。
俺は準備運動として、2,3度軽く跳ね、足首を回す。
たしかに、彼女の暦月が活躍してるのに俺が休むわけにはいかない。だから俺は、この結果がどうなろうと休むつもりはない。
「ふぅー……………」
息を吐き、前を見る。
いっちょ、本気出しますか!
俺はボールを蹴り、そのまま進む。
そのドリブルはあまりにも鮮やかで、クラスの男子たちの口を開けさせ、塞がせなかった。
ーーーそう、鮮やかすぎるドリブルで。
「こ、紅葉……………」
「す、すげぇ…………」
「どこでそんな…………」
「一体誰に教わったんだ………」
俺のドリブルを芸術に例えると、さしずめピカソの絵のような芸術作品。最高品質。
「「「ヘッタクソ!!!」」」
そう、鮮やかすぎるほど汚いドリブル。
ピカソの絵のように芸術的でなんかすごいのはわかるが、とにかくぐちゃぐちゃしていて、一周回って誰にも書けない領域!!
って、なにがだぁぁ!!おかしいだろ!今完全にうますぎて、主人公スゲーって場面だったじゃん!
「紅葉、お前……………」
「なんだよ………」
晃が俺に近づき、気まずそうに話しかける。
「運動も……………音痴だったんだな………」
「やかましいわ」
だから嫌いなんだよ。体育は。
備考
紅葉のスペック
体力ある
料理うまい
音痴
喧嘩強い
運動神経皆無←new!
現実はそんなに甘くねーよってことですね。
ブックマーク、高評価、ご感想、よろしくお願いします!




