第五話
夜、時刻は十一時。スマホのオンラインゲームを弄っていると、
ピロリンッと連絡が来た。
あっ、画面が!
びっくりして、一瞬手を止めてしまった。
巻き返そうとしたときにはすでに遅く、負けていた。
クソっ! 晃の奴め、今からゲームするから、送ってくるなってRINEしたのに……! くだらない内容だったらパフェ奢らせてやる!
いらいらしながら起動すると、そこには今日追加したばかりのコヨミという文字が。あぁ、橘には言ってなかったか……まぁ、しょうがない。許してあげよう。
そう思い開くと
『やっほー!』
むむむ……果てしなくくだらない。
我慢、我慢だ……僕!
『どうしたの?』
よし、優しく対応できた。
『嘘つき。やっぱり起きてんじゃん』
カッチーン!
『たまたまだよ、おやすみ』
ふふふ……必殺技【おやすみ】!
無理矢理会話を終わらせるにはこれが一番いい手段なのだ……しかも、相手は寝てるかどうか分からないから、なにしてもいいのだぁ!
フハハハハッ! 流石の陽キャでもこれ以上は会話できないみたいだな! どうだまいったか! 僕と戦おうなんて百年早いぜ!
◇◇◇◇◇
翌日
「よっ! おはよう、秀矢!」
「あー! 秀矢おはよう」「うむ。おはよう」「うーすっ!」「秀矢くん、おっはー!」「…………はよ」
晃が挨拶すると、それに便乗するかのように夢川、筋肉主将、秋田、平山、桃山の順で挨拶してきた。
やったー。神七とお近づきになれたー(棒)
筋肉、癖強いな!
「うん、はよ」
「相変わらずテンション低いな」
「昨日は徹夜でゲームだったからね。時間に間に合っただけでも偉いと思うな。授業中寝るよ」
「基山おはよう。結局昨日はすぐ寝なかったんだね」
橘がニコニコしながら話しかけてきた。しまったな。
僅かに怒っている風に、見えなくもない……?
「まぁね、どうせ大した用じゃなかったんでしょ?」
用もないのに、話しかけてくる。それが陽キャ。晃との会話で嫌というほど思い知らされた。
「というか、晃はともかく、みんなは僕に何か用?」
「酷いなー、私たちもう友達じゃん?」
お前がそれを言うか、夢川。仮に友達になって神七から神八になったとして、別れたときが気まずいじゃないか。全く、こいつら嘘告のこと忘れてる説あるぞ?
「つかさー、今日暇? 放課後」
「一応ね」
「じゃあ、暦月とデートでも行きなよ」
あ、説立証失敗だ。
全くそんな冷やかしをして、見ろ。橘むちゃくちゃ困惑してるじゃねーか。ここは助け舟でも出すか……。
「いや、そういう気分じゃないから、遠慮s……しようなんて思う奴は絶滅するべきだね! うん僕なんかで良ければデートしよう! うん!」
っこえぇぇ! おのれ筋肉ぅ! 何かあるとすぐ睨んできやがって。
「そ、そう? じゃあ放課後帰らず、待っててね?」
「うん」
こうして、ほぼ強制的にデートが決定してしまった。
神7と秀矢のお互いの呼び方
橘…基山 晃…秀矢 秋田…基山 真那元(筋肉主将)…基山 夢川…基山 平山…秀矢くん 桃山…基山
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