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第三十一話

その日の夜、俺は家に帰り、1人ため息をついていた。



はぁ………

次は親に連絡だ。


別に親に連絡すること自体は苦ではない。

でも、どちらも同時に連絡することはできない。


そう、先に連絡した方が、されなかった方へマウントを取ろうとするのだ。

わざわざ電話して。


いや、それ普通に話したいだけだろ………


てことで、どちらに先に連絡するかとても迷っている。王道を行く母親か、敢えての父親か。


んー…………非常に悩ましい………







◇◇◇◇◇



翌日、再び文化祭の話し合いが行われる。


「で、両親はいいって言ってた?」


「…………どっちもいいってよ」


「そっかー!サンキュー!」



結局普通に母親に連絡した。

そのあと、どうなろうと知ったこっちゃないしな。



「てことで、大体決まってきたなー!」


「「おぉー!」」


「晃ー!料理は決まったとして、飲み物はどうすんの?」


「問題はそこだよなぁ。ガキはジュースでいいけど、やっぱ紅茶やコーヒー、ついでにココアも最高のやつを出したいもんなぁ」


「それなら私のバイト先でどうかな?昨日一応電話して聞いたらOKだってさ」



平山がそう答える。



「おぉー!マジか!美味いの?」


「うん、マイナーだけど結構人気なんだ」


「なるほど、そりゃうってつけだな!」



これで飲食の問題についてはなんとかなった。

次に決めるべきことはおそらく…………



「メイドをやってもいいって人いないか?」


「「……………」」



まぁ、それもそうだろう。

執事姿をして、男子が恥ずかしいか?と言われるとたしかに恥ずかしくはあるが、多分メイド着る女子ほどじゃない。

夢川は偉いな。



「私は別にバイトでそういう格好たまにするからいいけど………」


「おぉ!マジか!ありがと有希!」



1人、やってもいいという人が出てきた。

名前はたしか柴田 有希だった。

これで2人目だ。


でも、晃的には、せめて全体の三分の一は欲しいらしい。



「ねーねー、雫も暦月も着なよ!」


「……絶対やだ」


「私はちょっと相談したい人がいるから……」


「えー」



夢川が2人も誘うが、断られる。

まぁ、桃山は絶対にしないだろうな。キャラ的に。



「んー、じゃあ各自相談時間を取った方がいいんじゃないかな?」


「まぁ、そうだな。………はい!相談開始!」



教室が一気にざわざわする。


土下座して、女子に頼む男子までいる。

プライドどこに捨ててきた。


相談か…………

暦月は相談しだいって言ってたから、望みはあるんだろうな。周りの男子が説得し始めている。


相談ってなんですか?


そんな声が聞こえる。

俺が思うに相談というより、内容はきっと交渉に近いだろう。


もちろんそれに乗るつもりもないが……………



「紅葉!私がメイドになったら、紅葉も執事になって?」


「いやだ」



ほらね?どうせこんなことだろうと思っていたよ。



「なーんーでー?私のメイド姿見たくないの?」


「見たいよ、そりゃ。でも、執事になるぐらいならいらない。」


「み、みみみみ見たい!?」


「真っ赤になるなら聞くなよ……」


「なってない!」


「はいはい」



何回目だよ、このやりとり。もう飽きたよ。



「じゃ、じゃあいいじゃん!執事ぐらい我慢してよ!」


「いやだよ。なんでそんなの着なきゃいけないのさ。大体、それで需要あるのなんて暦月ぐらいじゃん」


「そ、そうだけど…………」


「だったら今度、2人っきりで見せっこし合うってのはどう?それなら俺も我慢するよ」


「ふ、2人っきりで………み、見せっこ!?」


「うん。ダメ?」


「……い、いいけど…………」



やったね。チョロい。


文化祭終わる頃には忘れてるよ、きっと。

まぁ、仮に忘れてなかったとしても、暦月1人なら恥ずかしさもギリギリ我慢できる。


ん?なに?俺だって普通に恥ずかしいんだよ!



「ですが、暦月さん。うまくいけば、執事姿の基山と一緒に文化祭デートしたり、後夜祭で踊ったりできますよ!」


「………はっ!」



くそ!黙れ男子ども………

ニヤニヤしてこっちを見てきやがる。

とてもうざい。


暦月も男子も逃がさないって顔していやがる。

これもう逃げらんねぇな


ちなみに、最後に行われる後夜祭だが、ありがちなジンクスとかは特にない。

というか、恋人たちのためのイベントってのはそういう出し物をしない限りない。



「はぁ……………はいはい、着ます着ます」


「やったー!」


「てことは暦月さんもメイド姿になってくれるんですか?」


ーーーガタッ!ガタガタッ!


「「ホントですか!?」」



どっから湧いてきた、他クラス!


なんで当たり前のように聞き耳立ててんだよ……



「まぁ、紅葉だけだと不公平だしね………」


「「「「ぃやっったぁぁぁ!!!」」」」



教室内はもちろん、廊下までお祭り騒ぎだ。

すごい人気ー


まぁ、そうこうしているうちに他にもやってくれる人ができたようだ。

男子の半分が泣きかけている。よかったね。


やはり桃山は着ないみたいだけど。


………お前いいなー



「ほんじゃあ、細かい値段とか、装飾とか、どんどん決めていこうぜ!」


「「おぉー!」」



男子のやる気がさらに上がった。





文化祭まで、あと10日。



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― 新着の感想 ―
[一言] なんか、仲悪い上に精神年齢幼い感じのウザさを持つ両親が出てきてさらにカオス度アップですね! 定番とも言える文化祭メイド服、カオスが加わってどうなるのか楽しみです!
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