表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/75

第二十九話

「えー、文化祭の出し物について再度話し合いを始めたいと思いまーす!」


「「「あーい」」」


「えー、本気で一位を取るためにはやはり執事だけでは足りないという意見が多く出ました」


「「「おー!!」」」



男子うっさいな。

話をそらしたことにより上手く執事の話から切り抜けたのでグッドだ。


そもそも執事だけなら料理は女子、店員は男子と男女で割り切られるので俺が執事をしないということは難しいのだ。



「えー、それでは他に何か要素を付け足そうと思います。何かありますか!?」


「執事がありなら女子によるメイドはどうでしょうか!」


「なるほど〜。それはありですね〜。女子の皆様は何か?」



……シーン


それもそうだろう。だって男子に執事押し付けちゃったんだもん。


これはしょうがないだろう。



「でもさー、これって要は女性だけじゃなくて、男性も釣れってことでしょ?」



釣るって………

夢川、言い方言い方!



「まぁ、端的に言えばそうです」


「正直、一位を狙うならターゲット層はこの学校の生徒じゃなくて当日来る大人たちだと思うんだけどー」


「まぁ、そうですね……」


「女の場合は親でもない限り大人が学園祭には来ないと思うんだ」


「まぁ、例年の結果からみたらそうだな」


「よって、執事が狙うターゲット層はこの学校の生徒とビラ配りを見て、こようと思う行動力の強い若い女の人たちじゃん?」


「あぁ」


「執事の方はさ、もともと来る女がそれぐらいだから問題ないんだけどさ、メイドにいい年こいたおっさんが来るとは思えないんだよねー」


「なるほど……それはたしかに」


「だったら、もっと別のやつの方がいいんじゃない?」


「「「おー!」」」


「それもそうだなぁ」



女子からの歓声が上がり、男子は何も言い返せなくなる。

たしかにこれは正論だ。

ターゲットを大人にしつつ、若い人たちも来たがるような何かをしなければいけない。


シンプルに出す料理を美味しくしてもいいが、それは宣伝が大変だ。

というか、そこまで頭一つ抜けて美味しいのが作れるとも限らない。



「じゃあ、どうしようかー」


「まぁ、実際メイドの格好はわりといいと思うけど、やっぱ恥ずかしいからね………これは強制じゃなくてやってもいいって人だけやってもらおう。まぁ、代表ってことで私はやってもいいよ。それからメイドに興味のない大人たちの場合はやっぱ無難に味で攻めるしかないんじゃない?」


「んー、でもなー、たかが高校生の作ったものだし、何より宣伝がむずいんじゃないか?」


「宣伝は試食付きのビラ配りとかでいいんじゃない?」


「料理の味はどうする?」


「どっかの店に作ってもらうとかは?」


「スポンサー的なその店の知名度と味を借りつつ、さらにその店やその店の料理の知名度を上げるってやつか…………」


「でも、それに手を貸してくれる人とかいるの?」



あー、いるわ。ちょうどいい人たちが。


はぁ…………

ていうか、去年のこと思い出したわ…………


あの2人のせいで大変だったんだよなぁ

当日の朝喧嘩しだして結局それ止めるために大遅刻だったんだった。

文化祭に気合入ってるからいつも以上に怒られたし、文化祭中も2人の空気悪くてピリピリしてたんだよなぁ


あとは…………………まぁあの人は嬉々としてやってくれそうだな



「んー、なぁなんかねーか?紅葉」


「なぜ俺に聞く」


「意外となんかありそうじゃん?」



反論できない…………



「バイトの店長たちならやってくれると思う」


「でも心掴むってほどじゃないよなぁ………」


「いや…………裏メニューがある」


「…………なにそれ?」


「店長アホだから裏メニューに憧れてるらしくて、その裏メニューってのは店長と音々さんの2人で作ったメニューなんだけど……」


「へー。どんなのがあんだ?」


「焼きそばとかたこ焼きとかの所謂B級グルメの茶色いタレ系のやつばっかりだ………」


「それはまた偏っていらっしゃる……」


「もともと音々さんは料理担当じゃないから簡単なやつっていうのと、店長が秘蔵のタレに憧れてるからな」


「店長自由だな…………つか、それは美味いの?」


「バイトのときは何回か食ったけどかなり美味いよ。俺は俺好みの味で調理してるからあれだけど、それでも自主的に食べたいと思うぐらいには」


「なるほど……そりゃいいな!早速頼んどいてくれ!」


「いや……実はほかにも…………」


「え!マジか……」


「個人的にはあんまり頼りたくないんだけどどうせ文化祭の後色々言われるし……」


「へー、誰?」


「俺の舌を食に厳しくした料理人の父親と俺を甘いもの好きにしたパティシエの母親」


「え、ど、どおりで………」



そう、俺が食にこだわるようになったのは父親のせいで、こんなにスイーツ好きにしたのは母親が俺に与えまくってたせいだ。


きっと今年も文化祭に来るだろう。


でもできれば頼りたくない………

とはいえ、料理を出す店なのに頼らなかったらかなり色々言われる。


なぜ頼りたくないのか……

別に反抗期とかそういうやつじゃない。


多分喧嘩になるからだ………




うちの両親はめちゃくちゃに仲が悪いのだ………


………少なくとも別居するぐらいには










ついに出ました紅葉の両親。

そして店長の活躍。



ブックマークと高評価よろしくお願いします!



バトルものに興味がある方はこちらもぜひ

https://ncode.syosetu.com/n9220gb/


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] ちょっと待って‼色々と気になることが多すぎる‼ 鼻で笑いたいけどやはり羨ましくもある超本格的な文化祭に料理人の親、別居。色々ありすぎて頭の整理が追いつかない! [一言] 更新お疲れ様で…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ