令嬢は森の中で新たな扉を開ける
恐ろしい女だ。
王子の碧空の色が睨む。王族である証の瞳。
「罪人は出て行け!本来なら火刑に処すのだが、アリアに感謝をしろ。そなたの仕打ちに臆する事なく助命を願い出たのだ」
そのアリアに騙された。
「そなたが開いた茶会、その席で毒を盛るとは、そなたは第一婦人、第二婦人の彼女を妬む事も無かろう」
何を申し立てても味方はいない。摂政だった父も一族も罪人に貶され、既に世を去っている。
彼女が死なぬ程度に自ら毒を飲んだ等と、世迷い事を誰か信じると言うのだろう。
今は亡きシャーロット様ならば、信じて下さったかもしれない。
吟遊詩人と禁じられた恋に落ち、子を産み死んだ王女様なら、弱者の言い分を聴いて下さったやもしれない。
赤子は死んだと聞いている。吟遊詩人も。
身ぐるみ剥がされ罪人の着るねず色一枚が持ち物の全て。裸馬に乗せられ不浄門から国境の森の中へと兵士によって運ばれた。
闇夜が訪れるその時に放り出された。
木々はおどろにザワと蠢く。
獣の遠吠え。
フラフラと歩く木靴の音はカタコト。直に靴擦れをし歩けなくなる。
全てを諦めうずくまっていると。
「誰」
子供の声。パチと火が爆ぜる音が近づく。
「罪人、何したの?人殺し?」
首を振る。事実、何もしていない。
「うん、貴方から血の匂いは無い。だから皆の所に来る?」
天使が助けてくれるのかしら。上品な物言い。粗野な布地から差し出された手は驚く程白く、気高さを放っていた。
森の奥へと進む、小さな教会に辿り着く。
ギィ、重い木戸を押し開ける少年。
「またで御座いますか?」
中には見知らぬ人達、何処か見覚えのある人々も居た。少年がひと言ふた言、さっと部屋を出ていく。突っ立っていた。
「その顔は摂政の娘か。誑され一族は殺された、そう聴いている」
ここに座れと手近な椅子を勧められ、事情を聴かれるままに応える。
「酷いな俺の時よりも、弁明も出来ぬとは」
男が眉を潜める。時が近づいている、彼女がここに来たのも神の思し召し、宮廷儀礼を知ってるだろう、お茶を運ぶ老婆。
一通りは、答える。
「お教えするのさ。王女様が産み落とした王子様に」
老婆が話す。
「ここに居る者は無実の罪で追われた者達」
男が話す。
少年が入って来た。
礼をとる人々。
暖炉の爆ぜる灯り。それに揺らぐ瞳の色。
王族の証、碧空。
「俺達は決起を狙っている。御令嬢、手を貸さないか」
ニヤリと男が誘う。
依存は、勿論ない。
新たな王を育てる。森の中で。
復讐の舞台が今 始まる。
先程テレビで、冷えると免疫が落ち体調不良となる←ふおお!そうだったのか!チワワ様もいきなりの寒さに
お腹が痛いのー。とここ一週間二人?でバテてましたよ。ようやく何とかなりそうですよー。サラバ、喇叭のマーク(^o^)/
皆様もぬくぬく過ごしてください。年取ると治りが遅いのですよー。クリスマスケーキ食べれるかなぁ……、チーズスフレと小さなブッシュ・ド・ノエルを焼こうとしてるのに←ケーキ屋さん遠いので、好きなの作っちゃいます(^o^)/




