ドラゴンを孵化させよう。
ここに記す事実は、私が大魔王の城に存在している深淵なる書棚から見つけた事柄である。
幼い時に本の虫の呪いをうけた、私こと文学少女は、オババになってもベレー帽にお下げの姿、眼鏡をかけ手には書籍を抱えている。
呪いの為、日々1万文字程読まなければ、翌朝目覚めれば、ミミズに変化してしまうのだ。
何故にミミズか?もしミミズになってもインク壺にドボンし、紙の上をのたうち回り1万文字書き記せば、
元に戻るのだ。これでも過去何回かベストセラーを産み出している、『ミミズ文字の文学少女』とは私の事だ。
尚、元に戻った時には牛乳風呂に入らなければならない。紙と言えど摩擦熱で、茹で卵の様な皮膚が赤剥けているので風呂の出番なのだ。
さて、皆様はドラゴンと言う存在を知っているか?珍しい魔法生物。正義なる存在にも邪悪なる存在にもなるという、誠に嘘くさい生き物。
何故にこうも正邪こもごもなのかと、私は不思議に思いあるハロウィンの夜、繋がりし鏡の道を通り、大魔王の城に忍び込み書庫を漁りまわったのだ。
ちなみに古今東西、新旧様々な書籍を読んだお陰で私は、大魔王の弱点も入手済だ。
さて、私が欲しい情報は、そのものズバリ、
ドラゴンの育て方
古の精霊語で書いてあるという一冊。羊皮紙に虹色に輝くアリンコが行列しているそれを、私は当然ながら読める。ただ違った語源を読むには、脳に糖分を与えなくてはいけない。
竹の皮に包まれた、おにぎりは必須アイテム。
食べつつ読み解いて行く。
ドラゴンは卵から孵化するらしい。その大きさは、鶉の卵と同一!
ちっこい。
小さく産んで大きく育てるパターンだな。梅干しの酸っぱさを味わいつつ指先きを舐める。
ドラゴンの卵は1億時間つけっぱなしでぶっ壊れたブラウン管にて発見されること多し。
嘘だろ。
おかかのおにぎりを食べる。醤油味と鰹節は王道。壊れたソレからでも出て来ることがある。と追記がしてある。
ドラゴンの卵を孵化させ聖なる存在にするのには、最低メロンが必要。
は?焼きたらこのおにぎりを食べる。口の中でほろほろとそぼろになるたらこと白米が混ざり合う。
白とピンクのランデブー。
メロンって何。
私はページをめくる。
ドラゴンの卵は聖女の胸の谷間にて温めるべし。
はーん、最低メロンサイズが必須なのか。桃やスイカだとどうなる?疑問に思い読み進めていく。
正邪に分かれるのは、柔らかすぎず、ぎゅうぎゅう過ぎず、適度な谷間が必須。
と書いてあった。




