少年の過去
どうも、カロです。
処女作で拙い部分もあると思いますが、読んでいただけると幸いです。
少年は「信じる」ことが許せなかった。
少年がまだ幼かったころ、仲の良かった親戚の叔父さんに両親を殺されてしまった。
無事だった少年と妹は両親の知り合いの夫婦に預けられた。
仲の良かった友達は、両親がいないことをネタにいじめてくるようになった。
少年が十二歳になったころ、妹が夫婦に殺された。ナイフを持って走ってきたからバットで殴り殺した。
それから少年は誰も信じなくなった。
信じるから裏切られる、辛い目に合うのだと。やがて少年は、唯一彼の味方だった幼馴染の家にひきとられた。
三年が過ぎ、少年とその幼馴染は高校生になった。
そして少年は考えた。考えてしまった。
高校なら何かが変わるのではないか。本当に信頼できる味方ができるのではないか、と。
だがやはり、少年の世界は残酷だった。
同級生から、少年の容姿を理由にいじめられるようになったのだ。
全てに絶望し、幼馴染さえも敵に見えるようになり始めたとき、彼は少年の前に現れた。
――俺が君を守ってあげるよ。
そういった彼は、あっという間に彼らを地面に倒し、少年に謝らせてみせた。
その後も彼の計らいにより、いじめに加担していた生徒は停学又は退学処分となった。
久しぶりだった。久しぶりに、嬉しいという感情を感じた。
信じていた叔父さんに両親が殺され、仲間だと思っていた人たちからいじめられ、優しかった夫婦に妹を殺され、変わるかもしれないと進んだ高校でもいじめられ、敵だらけだった少年にとって数少ない味方が現れたのだ。
それ以来、少年と彼、そして少年の幼馴染とで遊ぶようになった。
暇があればゲームをし、買い物に出かけ、共に勉強をする。
少年は毎日が幸せだった。
きっと、少年はこれ以上裏切られてしまったら壊れてしまうだろう。
最後にあと一回だけ信じてみようと決めて信じることにした彼から裏切られてしまったら……