少女レベリング準備中2
「しっかし龍成が弟子を取るとは面白いよね~」
「普通は取らないがな。コイツ(リリス)の記憶力は恐らくリアルでも通用する天才だ。」
「へぇ~、リリちゃん凄いじゃん。」
「えへへ、ありがとうございます!」
なんだ今の『えへへー』って。
「ていうか、もうあだ名付けたのか。」
「だって龍成の弟子じゃん。私からしても可愛い娘みたいなものだし?」
「じゃあ、エリチさんも私の師匠ですね!」
「カワイー!良いよ良いよ!寧ろ娘よ!」
おい、その話の流れだと俺がお前の夫とか言い加減にしろ。
「お前はいつから嫁面をするようになった。」
「嫁だなんて//」
こんな奴でも強いから厄介なものである。
そんな他愛もない雑談をしながら街を歩く。
しかしまぁ、この二人はビジュアル的にものすごく目立つようで、道行く人間が皆振り向く。
『なんだあの子は…』
『美しい…』
『隣の奴、そこ変われ』
ザワザワと聞こえてくるのだ。
もう少し小さい声で話せないのかとため息をつく。
「でも、さっきの質問の続きなんですが、どうして私達を招かれざる者と言って殺そうとしてくる人間がいるのに怖がらなかったんですか?」
リリスの真面目な質問に此方も適切な回答が出来るように考える。
だが、無い。
なぜ怖くないのかという質問が先ず怖い前提なのであり、恐怖を感じなかった俺からすればどう答えればいいのか分からないのである。
「そーだねぇ、"強いから"じゃないかな。
私もさすがに"龍王"とか"武帝"から殺害予告されたら怖がるけど、逆に足元にも及ばない人間から何か言われても
別に何にも~~~って感じになるからなぁ。」
凄いふざけた回答に聞こえるが確かにそうなのかもしれないな。
「じゃあ私も強くなりたいです!」
核心を突く回答を得たのだろうか、とても目を輝かせている。
「よっしノッてきた!明日は特訓だ!」
エリチの思い付き、特別特訓が始動した。