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少女レベリング6

 「簡潔に言おう。この塔は呪われている。」


 「の、呪われてる?」


 「そ、それはどういう事ですか?」


 静まり返る二人。イロアスは経緯を話し始めた。


 

 我々は国王の命を受け、ガレオン領内にて多発する魔物被害に対応するべく

三日前、先程の宿場町に来た。

 

 村にあったギルドや商会は既に逃げ出しており、また冒険者と名乗るならず者が

略奪行為を行っていた。

それらを処理し、治安を安定化させてゼベリス城に入城した。

 そこで、旧友であり、城主のガロルドから話を聞いた。


 「ガロルド、あの塔が魔物を吐き出しているというのは本当か?」


 「見張りがそう言っていた。信用できる男だぞ?」


 屈強な男であり、部下からの人望も厚いガロルドだが、声には

力が無かった。

ガロルドは疲れ果てていたのである。

連日の魔物の来襲の対応に追われていたのだろう。


 「すまないな、忙しいのに。」


 「気にするな。むしろ魔導小隊を連れてきてくれて感謝もしている。

ただ、あの塔をどう攻略するのかが問題だ。俺の大魔法でもびくともしない壁、

大砲でも傷一つつかなかった。」


 「突入しかあるまい。」


 「そ、それは無謀すぎないか?」


 今思えばガロルドの忠告に耳を貸すべきだったと後悔している。

そして翌日、城を出て塔に侵入した。


 侵入から1分ぐらいで、我々は骸骨騎士と戦闘になった。

奴の剣の一撃は重く、我々の攻撃はなかなか通らなかった。


 結局、小一時間の戦闘の結果は部下を4人亡くし、奥に逃げる他無かった。

士気は大幅に低下し、引き上げることを進言されたが、私はそれを承諾せず、

さらに上へと目指した。


 だが、ここでおかしな現象に気づく。

それは12階層まで登っても魔物が出現しなかったことだ。


 「大佐、どうやら魔物は一階層の奴らで最後なのでは?」


 年少の部下、ケイトの意見に皆同意するように私を見た。

私は13階層の階段までのマッピングを済ませたこと、一階層に居座る骸骨騎士の討伐を

するためにも、塔を一時降りることを決意した。



 その時だった・・・。



 薄暗い通路の先、蠢く黒い影がこちらに接近してきている。後ろにも。

退路を塞ぐように、はたまた出番を待っていたかのように怒涛に押し寄せる

黒い影の正体は魔物の群れだった。


 それから後の事は覚えていない。

逃げるには前に進むしかなかった。


 散り散りに逃げた結果、ここまで辿り着いた。

他の仲間がどうなったのかは私には分からない。


そして、ここに来て、一つの結論、いや、この塔の仕組みを理解した。


 それは、”塔を降りる”、”撤退”といった現状から逃避する事を考えると

魔物が現れるという事だ。

そして、それは群れのリーダーに適応される。

この小隊の隊長である私が、”撤退”の判断を下せば直ぐにでも魔物が現れるのだ。


 ただ、この先には巨大な門がある。

少し開いているが、隙間から重厚な魔力が溢れている。


 後にも先にも進めない。撤退の判断をすればここで皆死ぬだろう。

私自身も死ぬ覚悟など出来ていなかった。


 来るところまで来てしまった。もう、私にはどうすることも

できなかった。










 








 

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