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少女レベリング準備中4

 結論から言えば成功だ。

不自然とはいえ空腹に襲われていたリリスが食いついたため、

話は保留になったのだ。


 そして・・・


 「さぁ、ここが特訓をする場所!」


 フェスタンプールから北に10キロの所にある小さな村。

一面が草原であり、ただの交易路の宿場町に見える。


 だが、村から1kmほど離れた小高い丘の上に聳えるのは

首都防衛を担う最大の城塞、”ゼベリス城”。


 その城は見晴らしの良い場所に建てられ、村と反対側にある川、

”リフレール川”のほとりでもあり、軍事的要衝に建てられた堅固な要塞である。


 そんな意味合いとは裏腹に、灰色の石レンガで作られた城壁の持つ重厚さ、哀愁漂う

その佇まい、晴天時には遠くからでも見える威容に、観光地としても有名なのだ。


 「おいリリス、事前の説明と違うぞ...」


 確かに村はあるが先の尖った丸太のバリケードが周囲に巡らされ、おまけに堀まで

掘られている。


 「えーっと、とりあえず門をくぐってからにしましょうよ!

でも、前行ったときとは全く違うような...」


 宿場町にしては活気のない町。

所々が乱暴に破壊されており、

 中でも目を見張るのが、村より少し離れているようだが巨大な、

サメの尾びれに似た形の塔が高く高く聳え立っている。

 

 また、人々は町を出歩いていないのか、その姿を見かけることはなかった。


 「あら、ギルドがあるみたいね。それも戦闘特科の。」


 目についたのは『狩猟ギルド”聖霊団支部”』と書かれた看板だった。


 「何かこの村についての情報が聞けるかもしれない。」


 そういうと躊躇なく門を開いた。


 『おう、こんなところにお嬢さんが何の用だ?』


 『こりゃ、上物だな!』


 ゴリゴリの筋肉だるまと金髪でぼさぼさ頭の中年が真っ先に反応した。

他にも十数名が中にはいるようだが、皆獣のような目で二人を見ている。


 「この村に何があったのか聞きたいんだけど、店主はどこ?」


 『ああ?店主だぁ?そんな奴はとっくのとうに逃げちまったよ。』


 「じゃあ貴方に聞くわ、どうしてこの村はこんなに荒廃しているの?」


 『んだ偉そうに。まぁいい、この村の目の前にある塔はつい最近

急に”生えて”きたんだ。そしたらそん中から大量の魔物がうじゃうじゃと出てきてな。

平和ボケしてたこの町は破壊の限りを尽くされたってわけよ。』


 コミュ力お化けのエリチの会話を聞きながらなるほどなと頷く。


 「貴方たちは何をしているの?」


 『もちろん、魔物退治さ。そういえば、宮廷魔導士小隊の連中が

昨日ぐらいに意気揚々と塔に入っていったがまだ帰ってきてねぇな。』


 「ありがとう、じゃあ行きましょ。」


 『オイ、待てや。譲さんよ。あの塔は危険だ。

俺の仲間も第一階層で逝っちまった。悪い事は言わねぇ、やめておけ。』


 『そうそう、宮廷魔導士は大国ですら1000人いるかいないかの奴らだ。

そんなエリート様でも帰ってこられないんだぞ。

正義も良いが、先ずは自分の力量を把握したほうがいい。』


 「安心していいですよ。私はその宮廷魔導士とやらと1000人組手しても

右手一本で勝てますので。」


 静まり返る店内。数秒後、ドッと大きな笑いに包まれた。


 『そんな面白い威勢は初めて聞いたぞ!気に入った。

是非俺も連れて行って貰えないか?』


 筋肉だるまが仲間になりたそうに此方を見ている。


 「龍成はどう思う?」


 「あ、う、うん、いいんじゃない?」

急に振られて動揺してしまった。


 『俺の名前は”リガルド”だ!一階層でいい、仲間を弔ってやりたい。』


 『じゃあ俺も...!』


 先程の中年金髪だ。


 「死んでも保証は出来ないわよ?」

 

 『おう!』

 

 某名作ゲームのようなパーティーの組み方だが、まぁいい。

 

 あれ、そういえばリリスは...


 「師匠!何で変な人たちがついてくるんですか!」

 

 背中に隠れていた弟子にポコポコと叩かれる。


 「まぁ、悪い人じゃなさそうだしな?」


 「うぅ...」

 

 不満を目で訴えてくる。

一体何が不満なのだろうか、到底理解しがたい。


 

 「何やってんの!龍成、リリちゃん!早くいくよ!」


 気乗りしないリリスの手を引き、俺たちは塔へ向かった。














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