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※創造まり

 CR、それは完結されたリアル。

視界、感覚、空気、自然、現実世界を仮想的な空間にそのままコピーしたような”仮想世界”の事を

『COMPLETE・REALITY』、略してCRという。


 CRは、理想を具現化するという人間の欲望を反映させた完全世界であった・・・


 そして、フルダイブの特性上、語らなければいけない物がある。


 マトリョシカ・ブレイン、空前絶後の超巨大

コンピュータ。

人類をカルダシェフスケール・タイプ2に昇格させ得た、世紀の超巨大構造物である。


太陽を包み隠し、エネルギーを得ると

そのエネルギーは大規模かつ、超高速な演算と保存に使用される。

 そのひと区画、

  《Virtual Entertainment Section "4B"》

通称、仮想歓楽街の処理機構を利用して運営されるゲーム。

  《Rewind Create Break World 》

サービス開始から5年目、この世界は変わる。



  第一話 〜創造まり〜



 『気持ちいい...』

 青い空、金色の草原、肌を撫でる柔らかい風。

居住セクターより全然居心地がいい。

足を前に出す。

ザクッと、足に体重が乗る。

体感、リアルで歩くのと全く同じ。

私は始まりの街を目指し、歩く。


 そうそう、私の名前はリリス。

このゲームに憧れを持って始めた。

多分、これに勝る理由はないと思う。

理由、それは『かっこいいから!』


・・・しかし、予想に反してかっこいい事は

出来なかった...


 

 「まったく、何が完全世界なのよーーー!!」

 木を基調にした二階建ての木造酒場で少女が騒ぐ。

そこには働き盛りの中年男性から明らかに小学生のような少女まで、様々な年齢層?の人間が集まっていた。


 「リリスさぁ、いい加減に諦めなよ・・・。これで通算十回目だよ。」


 「だって、私だって強くなりたいじゃん?」


 レベルシステムによって差別されたこの世界。

ゲームの公式サイトにはそんなことは書いていなかったのに・・・。


 「そらそうだけど、ワザワザ10層の戦力ランク1~10位の国家に入るのにそのレベルじゃ足らんで

しょうよ。」

 

 対面で枝豆とビールをつまむのがミトロンで、私のフレンドであり、昔いた居住セクタで仲良くなった、この世界でも一番仲のいい人。今日もいつもの愚痴を聞いてもらっている。


 「50件送れば1件ぐらいひっかからかなって

思ってた。」


 「それスパムだよ!多分、熱意より恐怖感じてる

から!」

 はぁ、とため息をつく。


 「あと、少し厳しめの事を言うとね、10層の一位の連中でも9層の連中には太刀打ちできないのが

現実。その程度で弾かれてるレベルなんだから目の前のモンスターを狩ってレベル上げするのが

先決だと思うよ?」


 「うっ・・・で、でも、さ?エリチさんが『強くなる最短ルートは強い人に教えを乞う』って言ってたんだし?」


 「エリチさんは現状最上位桁の3層の人間。ランカー様だよ?

スケルトンとかゾンビとかと戦ってるリリスとレベルが違うよ。」


 ミトロンの言葉が心に刺さる。


 そんなこと、分かってはいるけれども、効率的なレベリングみたいなものを私は知りたい。

むしろ、地道に同格モンスターを倒してるようじゃ絶対神域勢はおろか五層攻略組にもなれやしない。


私の脳裏に一つの結論が閃光の様に走る。



 「そう、強い人たちは華々しく格上に立ち向かって一気にレベルを上げてるに違いない――」


 「ちょっと待って、リスポーンできないのわかってる?」


 真剣な面持ちでミトロンに制止される。


 「やってみなきゃ、わからないじゃん?」


 「やめときなって。

どうせ、ガリダロ盆地に行こうとしてるんでしょ?」


 「なぜわかったし」


 「格上って言ったらここら近辺でそこだけでしょうよ。というより、最近そこで謎の巨人の話が出てるの知らないの?会って逃げられる保証はないよ?」


 「大丈夫!大丈夫!」


・・・・・・・・・


 「な...何なのよ...このバケモノ...」


 二足歩行の巨大な黒の巨人。

ルビーのような結晶が頭部に二つ、不気味に点滅している。

両腕には関節がなく、一定の太さを持った腕部。


 これは、敵わない。

 『逃げないと!!』


 全力のダッシュ、同時にモンスターの両腕が大きく振り上げられる。

 「ぐっ!!」


 腕の直撃は避けれたものの地面が大きくうねりを上げ、衝撃波で大きく飛ばされ、

そのまま垂直の岩場に叩き付けられた。


 大きく上がる砂煙。

張り付けになっている私の身体、そこからズルズルと

地面に落ちると、徐々に悪寒に襲われる。

 あまりの痛みに身体が震え、自分のHPは見なくても分かる。瀕死だ...


 なんてザマだ。


 そう言えば、殺戮機械同盟の破壊工作の影響で、

限度を超えた痛みが実装されてしまった事

を甘く考えすぎた。


 生憎、フレンドリストにはミトロンだけ。

呼んだところで同じ結末、というか巻き込むだけ。


奴は私に興味が無いのか、紫色に点滅をさせながら

私と逆方向に体を向けた。


 身体をよじり、這いながら取り敢えずこの場を

離れる努力をする。

手足の感覚は既に切り落とされた様に無い。

痛みに脳が慣れ、アドレナリンが分泌される感覚に溢れる。


 「前に...前に...!!」


 泥で髪が汚れる、服が汚れる、そんな考えを

捨て去りとにかく離れようと這った。


 『ギギギギギギ..』


 離れないと..,


 『ギギギギギギギギギッ』


 離れ、離れないと!!


 『ギギギギギギッ!』


 視線を向けるのが怖かった。

横を向けば絶対にわかってしまう。

 

 ドンッ―――


 身体は大きく宙をまう。

再び来るであろう激痛は、どうも耐えられない。


 ミトロンの忠告、聞いておけばよかった...


 混濁する意識の中、空と地上が視界に入れ替わりながら自分が回転している。

衝撃に備える力もないまま飛ばされていく。


 走馬灯が見える。

生まれてからまだ17年、父と母の顔、兄の顔、そして

地表全体が高層ビル群に覆われた地球。


 地面が近い、私は目を瞑った。



 『おっと、危なかった。』

 

 衝撃、無い。

 腕と足、背中は痛いけどさっきと変わらない。


 一体何が...?


 目をゆっくりと開ける。

 視界に映ったのは、私と同年代くらいの男の人

だった。


 「あっ、あの...」


 『喋っちゃいかんよ、結構やられたね。

今回復するから。』


 お姫様抱っこの状態で緑色のオーラに包まれる。

 体の芯がポカポカと温かくなってきた。

腕の痛み、背中の痛み、足の痛みは徐々に取れていく。

 

 そ、そういえばさっきのモンスターは...


 その巨躯は横たわり、切断されたのか大きな腕が地面に突き刺さっている。そして、胴体は新たな地形のように佇んでいた。


 『よし、おっけ!』


 さっきまで瀕死だった事が信じられないくらいに

回復した。手足の感覚はしっかりある。


 『大丈夫?立てそう?』


 足を再び地面につける。

もう地面とおさらばするのは嫌だ。

とにかく、御礼をしないと。


 「ありがとうございます。」


頭を下げても下げ足りないくらいの事をして頂いた。


 『どういたしまして。じゃ、俺はこれで!』

 

 「ちょ、ちょっと待ってください!」


 『うん?』


 「せ、せめて、お名前だけでも!!」

 

 『龍成りゅうせい、龍が成る、で龍成だよ。君は?』


 「私はリリスです!またお会いしたいです!」  


 『暫くはこの桁に居なきゃ行けないからね。

ガレオンに来てくれたら会えるよ。』


 今回はこのCREATE WORLDをご覧いただきありがとうございます。

恥ずかしながら初投稿になります。

言い訳がましくなりますが文章的に、表現的に拙い部分あると思いますが、ご指摘を頂ければ幸いです。


 また、投稿速度も週1ペース以上となると思います。

もし、面白いと感じていただけたらブックマークよろしくお願いします。


それでは次話でお会いしましょう。



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