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忘れ物

作者: 為人

とても短いので是非読んで頂きたいです。拙い文章ですが、何卒ご容赦下さい。

 「もうっ、こんな時に限って」

 私は苛立ちを隠し切れなかった。急いでいたから。それでも、あれを置いてきたままでは急いだって仕方がない。

 私は決して走らぬようにしながら急いだ。別にハイヒールを履いていたから走れなかった訳ではない。もともとハイヒールを持っていなかった私の足にはむしろ走ることに適したスニーカーがあった。

 早歩きで進むけど、自分の息が切れていることがわかる。頭の動揺が体に伝わって意味もなく息を切らしてしまっている。日頃から仕事のために体を鍛えていた私にはこの程度の運動は何事も無いはずだったのに、時間ギリギリで家を飛び出してきたから動揺が激し過ぎる。

 幸いにも気付いたのは駅の前だったので、すぐに家が見えてきた。家が見えたところで目をつぶって落ち着きを取り戻す。もちろん立ち止まったりはしていないが、少しだけ家を通り過ぎていて、きょろきょろと辺りを見回してしまった。

 私は扉に手をかけ、ゆっくりとドアノブを回す。鍵は開いていた。当たり前だ。掛けていないから。時間が時間なだけに音を立てないように気を配りながら入る。靴がないところを見ると彼はまだ帰ってきていないらしい。私は靴を脱ぎ捨てるようにしながら、階段に向かって駆けていく。階段を上ったら、すぐ目の前の部屋が忘れ物をしたであろう寝室だ。

 バタバタと音を立てて階段を駆け上がる私は階段を上り切ると同時にその部屋に飛び込んだ。

 あった。

 私はそれをしっかりと手に握り締めて、階段を駆け降りる。玄関まで後少しというところで扉が開いた-----と思ったが、私の脱ぎ捨てた靴が引っ掛かって開かなかった。彼が帰ってきたのだ。

 忘れ物を握り締めた私はゆっくりと靴を外して彼に飛び付いた。

 「早いのね。もう少しゆっくりしてくれば良かったのに」

意味はお分かり頂けましたか?分からなければ、もう一度お読み下さい。そして、考えて下さい。彼女が何者なのかを。

お読み頂きありがとうございました。もしも出来ましたら、感想をお願いします。

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