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第14話 夢

当初の予定だと既に迷宮に入っている筈なのに何故こうなった。

 マドリーへ行く道は辺り一面に森で道端は片側車線くらいのデコボコ道が永遠と連なっている。

 フィーリアを見てみると嬉しそうに俺の腕を抱き付いて歩いている。


「フィーリアは、楽しそうだね」

「楽しいですよ。 マドリーの町には行った事がありませんでしたし、何より義之さんと一緒だからです」


 嬉しい事を言ってくれるじゃねぇか、だが今はマドリーへ行く為に歩いている。

 万が一に野党や魔物が襲撃でもされたら命の危険がある。

 此処は、心を鬼にして注意しよう。


「フィーリア、大変嬉しいが今はマドリーへ向かっている。 もし此処で襲撃されたら、大怪我をするかもしれないから離してくれないか」

「・・・はい」


 耳と尻尾を垂れ下がり、シュンとしながら腕を離す。

 おいおいおい、流石に落ち込み過ぎでしょうそれは。

 マドリーに到着は夕方か夜かは分からないが、その絶望を纏った雰囲気をずっとは勘弁して欲しい。

 仕方ない、少しフォローするとしよう。


「そんなに落ち込むなって、今夜たっぷりと可愛がってあげるから元気出して」

「はいっ、宜しくお願いします」


 フォローすると、落ち込んでいたのが突如笑顔に満ちており、尻尾もこれでもかって位にブンブンと振り回している。

 そんなに一緒に寝ながら頭ナデナデしたり、お喋りをして欲しいのか。

 それなら今後は一緒に寝たりしよう、俺も一緒に寝たいし寝る口実にもなるからいいだろう。


「義之さん、今夜も昨夜と同じように気持ち良くして下さいね」

「えっ」

「えっ」


 今フィーリアは、何と言った。

 今夜も気持ち良くして欲しいと聞こえたのは聞き間違えたのだろうか。

 フィーリアの笑顔から悲しみ顔に変わり、次第に涙目になってゆく。


「昨夜と同じ事をしてくれないのですか」


 やはり聞き間違いでは無く、そして昨夜の事がご希望としている。

 間際らしい言い方をした俺が悪い。

 慌てて言い訳しても不快な思いが残るだろうし、何とか回避して不快な思いをさせないようにしないと。


 フィーリアの両手首を掴んで、そのまま近くの木に押し込んで、逃げられないようにする。

 突然、抑え込まれたフィーリアは驚きの余り此方の顔を覗き込んでくる。

 フィーリアの反応を無視をしてただひたすら顔を見つめる。


「よ、よよ、義之さん一体何をしてるのですか? 離して下さい」

「なら、力一杯に抵抗したらどうかな。 フィーリアなら出来ると思うけど」


 抵抗するフィーリアだったが、必死の抵抗ではなく力の無い軽い抵抗だ。

 戸惑っているようだが、この状況は嫌じゃなさそうだしこのまま押し切ろう。


 ほんの少しだけフィーリアの顔に、俺の顔を近づける。

 顔に近づくと、少しだけ頬を紅潮し尻尾もフリフリと動き出す。


「フィーリアは、昨夜と同じでいいのかな? 折角、昨夜以上に気持ち良くしようと思ったのに」

「さ、さささ、昨夜以上ですか」

「ああ、昨夜以上に気持ち良くなるよ」


 昨夜の事を思い出したのだろうか、頬は完全に紅潮し、尻尾はブンブンと振り回し、目は若干発情した雌の目をしていた。


 このまま押し切れると確信を持ってフィーリアの顔に更に近づく。

 そして、顔を少し右に傾けてフィーリアの唇をゆっくりと塞ぐ。

 唇と唇を数秒間、軽く触れるだけのキスをして先程と逆の手順でゆっくりと離れる。


「義之さん、・・・・・さい」


 フィーリアが小さな声で、今のキスをもっとしてくださいと喋っているが聞こえない振りをする。

 どうやら、プレッシャーキスが良かったらしい。


「声が小さかったから聞き取れなかったんだけど、何て言ったの?」

「もっと・・・・して下さい」

「・・・何をして欲しいのかな」


 先ほどよりは声が大きくなったけど、恥ずかしがっているフィーリアを堪能するために、あえて聞こえない振りをする。


「・・・義之さん、意地悪してませんか」

「フィーリアからハッキリと聞きたいな」


 ジト目で睨まれたのでこれ以上、焦らすと得策じゃあなさそうなので、次は素直に望むことをしましょうか。

 フィーリアの発言をじっくりと待つ。


「義之さん、これから毎日気持ち良くして下さい」

「よく出来ました」


 焦らしたら、毎日が追加されたが問題ない。

 むしろ、毎日可愛がる事が出来るなんていいことじゃないか。


 駄目だ、夜までもう待てない。

 今ここで、じっくりと可愛がろうじゃないか。

 再び、ゆっくりと顔を近づけてキスをする。

 今度は、フィーリアの息遣いに合わせて強弱をつけて唇に触れる。


「・・・義之さん、私・・・」

「いいよ、たっぷりと可愛がってあげる」


 フィーリアは、昨夜と同じ発情した獣の顔となっておねだりしてきた。

 我慢など出来る筈もなく、そのままフィーリアの服に手をかけて、たっぷりと可愛がった。






 もうじき日が落ち始め、うっすらと赤い夕日が見え始める。

 今はマドリーへ向かうため、そこへ続く道を歩いている。


 フィーリアは、というと俺の背中で寝ている。

 可愛がった結果、可愛がってる最中に気を失ってしまったので服を着させてから、おんぶをして運んでいる。

 少し可愛がりすぎたかもしれないが、余りにも可愛い反応をするので頑張ってしまった。


 しばらく歩くと、落ちかけた日は夕日になり夜へと誘う、少し先に道の端に広場のような広さがあった。

 ちょうどいい、今日はここで野宿をしよう。

 広場にたどり着き、フィーリアを起こさないようにゆっくりと下ろす。

 すぐに、キャンプテントを組み立ててテントを立てる。


 テントを立てた終えたら、フィーリアをテントの中に入れる。

 まだ、すやすやと寝ているみたいだ、フィーリアの頭を少し撫でた後テントを出ようとする。


「・・・義之さん」

「ん? 何かな」


 声をかけたが、すぅすぅと寝息だけが聞こえる。

 どうやら寝言だったようだ、夢の中で俺が出てくるとは一体どんな夢をみているのだろう。

 それ以降は、寝言は言わなかったのでテントを出る。


 テントにフィーリアが寝ているので、テントから離れる事が出来ないのでテント近くで枯葉と枯れ枝を集めて火炎結晶を使って火を熾す。

 火を熾し、リックサックの中にある食パンを2枚焼く。

 食パンが焼ける間にステータス設定を念じステータス閲覧をする。


 パーティーメンバー 一覧

 高坂 義之 村人Lv4

 フィーリア 村人Lv3


 またLvが上がっている、今回はフィーリアもLvが上がっていた。

 これでLv上がった事についての仮説が1つ成り立つ。

 それは、前回と今回の共通点がフィーリアを可愛がった事だ。

 前回はフィーリアの部屋で、今回がマドリーへ行く途中道で可愛がっている。

 もし可愛がる事でLvが上がるなら、まずは可愛がってLvをあげよう。

 今後は、可愛がる前に一度Lvを確認してから可愛がろう。

 問題はあるとすれば、1つだけあるが今は棚上げをしておこう。


 時間も有るからフィーリアのステータス閲覧をしようと思ったのだが、名前と現在のジョブしか閲覧出来なかった。

 もしかしたら、パーティー設定Lv1ではパーティー編成しか出来ないのかもしれない。

 パーティー設定のLvをあげるのはいいが、そうすると、序盤で早く手に入れておきたいスキルが遅くなってしまうのが困る。

 その辺はある程度バランスを取りながら取得するとしよう。



 そろそろ食パンが焼ける頃なのでステータス設定を閉じると、ちょうどテントの中で動く気配が感じたので焼けた食パンを持ってテントの中に入る。


「おはよう、フィーリア」

「よひゆきぃ、おひゃひょう」


 フィーリアは、寝ぼけて呂律が回っていないようだ。

 しばらく、フィーリアの寝起きを堪能するとしよう。

 フィーリアはボーとしながら尻尾をぺちぺちと地面に叩いてたが次第に覚醒する。


「あれっ、義之。 私の赤ちゃんは何処?」

「一体、何の話をしている」


 訂正、まだ夢の中で寝ぼけているようだ。

 夢の中でフィーリアは俺と共に、赤ちゃんの世話をしてフレンドリーに接している夢だったようだ。

 まるで、新婚夫婦のような夢らしいが、その子供は一体誰の子かと聞きたいが怖くて聞けない。


「だ~か~ら、私と義之の子供のフィオーナは何処って聞いてるの」

「・・・・・・」


 どうやら俺とフィーリアの子供を産んで、フィオーナって名前の子供を世話している夢だった。

 現実に戻って来て貰う為に左手で、でこピンの形を作り中指に軽く気を纏わせてフィーリアの額にでこピンを解き放つ。

 ペチンとテント内にでこピンの音が鳴り響き、フィーリアは軽い悲鳴を声をあげて、額に両手で押さえている。


「義之、そのでこピンは止めてといつも言ってるでしょ」

「フィーリアには、初めてしたんだが・・・」


 気を纏った、でこピンをしてもまだ寝ぼけているようだ。

 もうちょっと強めにした方が良かったのだろうかと考えてしまう。


「あれっ、家じゃない」

「・・・おはよう、フィーリア」


 良かった、今度こそ夢から覚めたようだ。

 他に誰もいないとは言え、聞くに堪えない内容の夢だったので夢から覚めて本当に良かった。


「義之・・・さん、ここは何処ですか?」

「ここは、マドリーへ向かう途中にあった広場だな」


 夢を現実の区別がまだ判別できないみたいなので質問をしてきたっぽい。

 夢との判別して貰うために、質問に答える。


「覚えているか? マドリーへ行く途中で可愛がった事を」

「はい、覚えてます。 じゃあクランターレの家は夢なのかな?」

「夢だろうね。 クランターレおろか、マドリーにすら到着してないし」

「そうですよね、夢なんですよね」


 ようやく、現実に戻ってきたフィーリアと顔を合わせる。

 しかし、お互いの顔を見たら急に顔が赤くなるフィーリア。

 今度は何を考えたのだ。


「よ、よよよよ義之さん。 もももも、もしかして今私が見た夢分かりますか」

「ああ。 俺とフィーリアが、迷宮都市クランターレに住んでいる夢でしょ」

「××××××」


 秘密がばれたような顔をしている。

 ここで止めないで、更に追撃を仕掛ける。


「後はフィーリアと夫婦になって、子供が産まれて育てる夢」

「××××××」


 フィーリアは、涙目になるがそれを無視をして続ける。


「子供の名前はフィオー、ぶぉならべ」


 最後まで、言えなかった。

 フィーリアが恥ずかしさの余りに、俺の鳩尾に思いっきり拳で殴り黙らせた。

 黙らせた俺をテントの外に放り投げて、テントの中に引きこもるフィーリア。


「義之さん。 今日はテントの中に入らないで下さい」


 フィーリアをからかい過ぎて怒ってしまったようだ。

 岩戸隠れのように引きこもり、返事もしてくれない。

 明日の朝に謝ろう、多分許してくれるはず。




 さてと、それを考えるのは後だ、今テントを追い出されたこの状況になったのは都合がいい。

 広場に着いた時から、ずっと森の中で様子見をしていた連中が森から出てくる気配を感じたからだ。


「やっとお出ましかね。 余りに長いから襲いかかって来ないと思ったよ」


 そうして森の中から現れたのは、体長1メートルは楽に超える鶏冠がトレードマークの鶏達がゾロゾロと現れた。

 鶏の種類で言ったら日本人にお馴染みの白色レグホンの雄に似ている。

 数えてみると、どうやら17匹のようだ。

 


 装備らしい装備は持っていない、あるとすればペーパーナイフくらいだ。

 すばやくペーパーナイフを左手で逆手持ちをして、右手は道に転がってる石を掴む。

 臨戦態勢に入っているので、全身に気を纏うのも忘れない。

 もちろん、ペーパーナイフや持ってる石にも纏う。


 気を纏う行為だが、纏う事と纏わないのとは違いが大きすぎる。

 仮の話だが、4Fのマンションから落っこちたとしよう。

 普通なら、怪我の1つや2つは当たり前で打ち所が悪いと死に至るが、気を纏うと怪我が1つも無く無傷なのですぐに動く事ができ、打ち所が悪くても少しだけ出血する程度ですむ。

 そして、気は物にも纏う事ができる。

 鋭い刃物は軽く触れるだけで切れる刃物に、鈍らの刃物は鋭い刃物になる。

 硬い物質なら頑丈な物質に、軟らかい物質なら硬い物質になる。

 なので気を纏っている今の状態は、怪我をしにくく、鋭い刃を持ったペーパーナイフと投げれば破壊力のある石を持っていることになる。


「一応、聞いておくが引く気はあるか? 今、逃げれば見逃すけど」


 鶏達は、言葉を理解しているかどうかは分からないが、少なくとも撤退する気は無いらしい。

 寧ろ、襲いかかる気満々のようなので、戦闘からは逃れることは出来ないらしい。


「成る程、逃げる気は無いのだな。 ならしょうがない、お前ら全員まとめて夕飯のオカズと非常食にするから安心して逝くが良い」

「グエーーーー」


 奥にいる鶏のかけ声と共に、鶏達が襲いかかってきたのだった。

宜しければ、感想や評価をしてくれると幸いです。

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