√A/1話「魔性の占い師」
〝《【破棄1】ギルド〈セントラル協会〉幹部第七席〈金海金治〉は、武器屋バリクの店主〈ラド〉に左手用翠玉魔剣を入手する》〟
〝《【破棄2】左手用翠玉魔剣の修理費用が高く、帝都ギルアスのスクラップ置き場にて、〈金海金治〉は止むを得ずに不法投棄する》〟
〝【警告】〈《□□□の□□》□□〉の介入によって、上記の未来は全て破棄されました。〈《未来を司る神》クリステル〉によって、今後において、上記の未来を確定する事は出来ません〟
〝《【未来1】帝都ギルアスのスクラップ置き場にて、偶然訪れた無限高校二年〈技術科〉の〈宮守鏡花〉が左手用翠玉魔剣を入手する》〟
◇ ◇ ◇
首都オーディア西部――歓楽街ガロン。
歓楽街ガロンとは、終焉戦争ラグナロクによって、甚大な被害に陥った様々な小さな村が集合して生まれた大きな街であり、外壁には高さ数十メートルを及ぶ石造りの壁に覆われている。
七代目国王ジャック・オーディアの復興支援により、『歓楽街』と呼ばれる程まで大きく発展して以来、現在は東西南北にそれぞれ四つの区分が施されていた。
住民は商人を除いてもおよそ百人も満たないが、無限高校の生徒や冒険者達のお陰で、約三百人以上の人々が歓楽街ガロンを移動経路として使用している為、毎日が活気に満ち溢れている。
北部には貧民街、東部や西部には住宅街を含む冒険者組合や娯楽施設などが多数存在し、南部には鍛冶師や裁縫職人など、冒険者にとって必要不可欠な生産職達の店が賑わっていた。
そしてその生産職の中には、かつて終焉戦争ラグナロクの英雄達――クラン〈ロストガーデン〉が持つ無数の宝具に魅了され、鍛冶師を目指した多くの若者達は存在しており、いくつもの世代交代によって、現在も尚。多種多様な技術が引き継がれている。
――だが世代交代を頑なに拒否する高齢の鍛冶師もその中には存在し、彼等の場合は世間から取り残され、いつも客足が伸びない毎日が続いていた。
ある日の午前十時。
朝日が昇る中。歓楽街ガロン南部に存在する店の殆どは、冒険者達で賑わっていた。
看板には営業中と書かれ、店の中には無数の剣や防具などが飾られており、必要な物を購入する冒険者達が居れば、冒険に出る為に準備をする者や他の店を見て回る者の姿が見える。
そんな中。武器屋バリクと呼ばれる店には、客は疎か冒険者達の姿もなかった。
「今日も暇じゃの……」
武器屋バリクの店内で、老人男性の店主――ラドが、独り言の様にそう呟いた。
彼の身長は一五八センチ、体型は長年の鍛冶経験によって全身は筋肉質で太く、短い白髪に黄唐茶の様な薄い藍色を帯びた薄茶色の目が特徴の老人男性。
ラドは武器屋バリクの店主兼、専業鍛冶師をやっており、いつも一人でこの店を経営していた。
すると一人の人物が大忙しで、店内に上がり込んで来る。
その人物はラドを視界に捉えると、直ぐに血相を変え、ラドに怒りをぶつけて来た。
「ラド――!! 何呑気な事、やってんだ……!!」
「なに? デルフか……。どうしたかのぉ?」
ラドはその人物が友人のデルフだと気付き、呑気に話し掛けた。
デルフはラドと同じく店を持つ鍛冶師であり、見た目はラドとそれ程変わらない老人男性。
――だがラドの店とは違い、デルフの店は弟子や従業員達によって商売は繁盛していた。
「どうした――じゃねぇよ!! 俺が送った従業員はどうした……!!」
「あやつらは使えぬ者じゃったよ。誰も儂の話を、聞こうともしない……。儂の宝物に手を出す者も居たぐらいじゃ」
「は? アイツ等、良い奴だったろ。能力に関して言えば、知り合いのお墨付きだぞ?」
ラドが口を開けば、すぐにデルフが否定的な発言をしてくる。
元を辿れば、デルフが寄越した従業員達は、ある知り合いのお墨付きである。
――しかし彼等は、ラドの指示を無視した上で店を乗っ取り、ラドに内緒で別の経営を始めようとしていた。
偶然にも巡回中の衛兵が彼等の不審な動きに気付き、ラドの証言によって全てが発覚したのは言うまでない。
現在。彼等は衛兵によって留置所で拘束されており、ラド自身も〈審判科〉によって、デルフに真相を話す事は出来なかった。
「…………。デルフ。その知り合いって、一体何者なんじゃ? 変な奴しか来んから、儂は不思議なんじゃが?」
「言ってなかったか? 俺の店を鑑定して貰った人で、確か……あの人の職業は、占い師だったかな……?」
「占い師……??」
「俺も詳しくは知らないが、ギルド〈セントラル協会〉で幹部やってる有名人だよ」
デルフがラドに知り合いの話をしていると、あっと何かが閃いた。
そしてデルフは、ラドに突拍子の無い話を仕掛けて来た。
「そうだ……!! ラド。今度紹介するから、その人に見て貰えよ」
「嫌じゃよ。占いなんて当たる訳が無いじゃろ?」
「俺は当たったが?」
きょとんとした表情を浮かべるデルフを見て、ラドは溜め息を吐いた。
占い師とはスピリチュアルと呼ばれる摩訶不思議な技術を用いて、人の内面的な事情や未来を予見したりなどを鑑定する者達のことを指す。
技量や評判次第で当たり外れが多く、女性に好まれる職業である。
デルフの店は確かに、昔と比べて人気となった。
ラドは占い師に全く興味は無かったが、ギルド〈セントラル協会〉は帝都ギルアスを拠点に活動する最高峰の商業ギルドである。
その中の幹部の一人が占い師だと言うのなら、さぞかしその人物は人気者なのだろうと伺える。
「…………。分かった。一度だけじゃよ……」
「おう!! じゃあ俺、伝えて来るよ。それと」
デルフは片手で、お金のサインを促した。
するとそれを見たラドが、眉間にしわを寄せる。
「何じゃ?」
「お金ぐらいは用意しとけよ? もしかしたら、鑑定料を払わされるかも知れないし……」
「はぁ!? 銭ゲバめ……」
「俺らも原価で、物売ってみるか?」
それを聞いたラドは、すぐに咳払いをした。
原価で物売りなんて、商人の恥だという事を知っているからだ。
相手は占い師。
法外な金銭を要求されたら、即座に衛兵へ突き飛ばせば良い。
武器が必要なら、武器屋バリクに沢山あるからだ。
「……分かった」
ラドのその返事を聞くと、デルフは安堵した。
「じゃあ俺、帰るわ。日程決まったら、連絡するから」
デルフはそう言い残し、踵を返す様に武器屋バリクを出て行く。
ラドはデルフの後ろ姿を見届けた後、店の営業を再開した。
――だがそれ以降。武器屋バリクの客足は全く伸びておらず、今日の利益もいつもと変わらなかった……。
◇ ◇ ◇
当日。あれから数日が経過した。
武器屋バリクは特に変わった様子もなく、ラドは暇を持て余す毎日が続いていた。
デルフが話していた占い師とは中々連絡が付かず、常に押し寄せてくる相談者の依頼によって、日々多忙だとデルフは話していた。
やっとの思いでデルフが接触したのも束の間。デルフが希望した日程に、合わせて貰えなかったようだ。
ただ占い師も鬼ではない。
迷える子羊を無下にする事は出来ないと考え、デルフには都合が合い次第、ラドの相談を優先する事を約束していた。
「こうもただ相談するだけじゃのに、時間が掛かる物なのかのぉ?」
ラドは不意に本音を呟いた。
するとラドへ返事を返す様に、何者かがラドに自然と話し掛けた。
「占い師とは、ただ迷える子羊への相談役ではありません。人を導いてこその占い師だと、私は考えております」
ラドがその声の主に気付いて振り向くと、武器屋バリクの入り口には、着物姿の見知らぬ男性がじっと待機していた。
身長は百八一センチ程、美を象徴するかの様な鍛え抜かれた筋肉質の細い身体に、髪型は金色の長髪であり、瞼は開いていないので目の色が分からない男性だ。
服装は黒い着物に、茶色の馬乗り袴。足には薄い底と金具付きのかかとが特徴の黒色の雪駄を履いており、黄金龍の模様が刻まれた神秘的な黒色の羽衣を纏っていた。
「来たかの。――じゃがその発言だと、占い師ではなく、まるで神父の様じゃの?」
「ははは、私も良く相談者から、その様に間違えられる事はありますね」
彼はラドの近くまで歩み寄ると、礼儀正しく挨拶を交わした。
「申し遅れました。私は神眼継承者――金海金治と申します。デルフ様の紹介のもと、馳せ参じました」
「儂の名は、ラドじゃ。宜しく頼む」
お互いに挨拶を交わし終わると、金治はラドに向けて本題を切り出した。
「では――今回は、どの様な御用件でしょうか?」
「デルフから、何も聞いておらぬのか?」
「いいえ」
「アイツ……!!」
デルフの無頓着さに、ラドは怒りを露わにする。
すると金治はそんなラドを見て、優しく立ち回った。
「まあまあ――ラド様。これは私の配慮不足で生じた問題ですし、デルフ様も決して悪気があった訳ではありません。失礼だとは御座いますが、今回の件につきましては私に免じて、その御不快なお気持ちを和らげて頂けますでしょうか?」
「ふんっ……!! 分かったわい!!」
「有難う御座います」
そう言って金治はラドに向けて、軽くお辞儀した。
(彼奴に敵意は、一切感じられない……。もしかすると、今の状況を打破する事が出来るのかも知れぬ……。じゃが……)
実際の所。ラドは今までの間、ずっと悩み続けていた。
それは本当にこの占い師に頼るべきなのか、それとも今まで通りのやり方でも良かったのではないかと。
――だがこれは武器屋バリクにとって深刻な状況であり、このままでは店仕舞いも有り得る話だった。
だからこそラドは思い切って、正直に金治へ話し始めた。
「なぁ――金海殿……」
「どうかしましたか? ラド様」
「儂はこの人生の中、占い師を余り頼った事が無くてのぉ。どう説明したら良いのかも分からぬが、それでも相談に応じてくれるのかのぉ?」
「それは相談内容にも依りますが、如何なる状況においても、私は相談者に寄り添わなければなりません。――ですが占い師を務める以上、相談者にはピンキリの鑑定料が必ず発生致します。まあ今回は、私に初めて出会えた御縁に感謝し、鑑定料に関しては割愛させて頂きます」
「ふむ――そうか。――じゃが、…………。……また失礼な事を言うと思うが、儂は金海殿を良く知らなくてのぉ。少しばかりで構わんが、活動経歴を聞いても宜しいかの?」
金治は承諾し、軽く頷いた。
するとラドはズボンのポケットの中に隠し持っていた、真偽水晶を静かに起動させた。
真偽水晶とは、相手の真偽を見破る為の簡易版魔道具であり、極僅かな商人達の必需品である。
「初めにお詫び申し上げましたが、私は神眼継承者――金海金治と申します。元々は戦争孤児でして、生まれ故郷はありませんが、私にはかけがえのない妹が居ます。私達は迷える子羊達を導く唯一の存在を目指し、青年時代から占い師として長く活動しておりました。ある日――ギルド〈セントラル協会〉に拾われて以来、私達は彼等によって救われ、この首都オーディアを代表する占い師となりました。余談では有りますが、私はこれまでに二千件以上を鑑定し、皆様には多大なる高評価を頂いております」
金治は右手の人差し指にはめていた指輪型翠玉魔技を起動させ、異空間の中から記録書を取り出すと、そのままラドへと貸し出した。
翠玉魔技とは、魔法の力で武器や道具を出し入れする事が出来る収納用魔道具である。
その記録書には、実際に鑑定した相談者の氏名と相談内容、そしてその鑑定結果などが事細かに記録されており、一部名前が伏せ字で記録されているものは本人の希望だと、ラドも商売をする上で手に取る様に分かる。
記録書を読み進めていると、ラドは友人のデルフの名前を見つけた。
相談内容を見れば、ラドが現在話そうとしている相談内容と同一であり、ラドは鼻で笑った。
そしてラドは隠してあった真偽水晶を一応確認した――だが何も感知されておらず、金治の発言が嘘ではない事が証明されていた。
ラドは安堵して、金治に記録書を返却する。
「疑って悪かったのぉ」
「いえいえ。占い師とは立場上の胡散臭さによって、煙たがれる存在なので仕方ありません」
「…………。……儂は……、儂の店を……。デルフの店の様に、商売繁盛するにはどうすれば良いかのぉ……」
金治が苦笑交じりに話していると、ラドは不意にボソッと本音を呟いてしまった。
「――!! 今の話は無しじゃ……!!」
「そういった相談内容でも、別に私は構いませんよ」
ラドの取り乱した表情を見て、金治は微笑む。
「そうですね……。少し店内の商品を、拝見させて頂いても構いませんか?」
「そりゃあ勿論……!! ――じゃが、金海殿。本業は占い師じゃろ?? 商人でも無い者が、そう易々と見極める事は出来ぬぞ?」
「ラド様は御存知かと思いますが、ギルド〈セントラル協会〉幹部の第九席――ザックという商人を知っていますか?」
「知っておるも何も、首都オーディアにおける有名な商人ではないかの?」
「私は彼と友人関係でして。僅かながら商人としての知識と、ザック様から頂いた貴重な宝具を所有しております」
「それなら大丈夫じゃの」
「左様で御座います」
金治は指輪型翠玉魔技を起動させ、異空間の中から丸い虫眼鏡を取り出した。
そして金治は様々な商品を見て回りながら、丸い虫眼鏡で簡易的な鑑定を行う。
金治は原因を探ろうとしたが、どの商品も良質であり、欠点は何一つも見つからなかった。
唯――強いて言うならばと、金治は原因をメモ用紙へと書き込む。
すると金治は奥に放置してあった古い木箱をそっと開くと、錆びた剣の様な物を見つけた。
ふとその外見に心を奪われた金治は、その錆びた剣を丸い虫眼鏡で簡易的な鑑定を行うと、それが左手用翠玉魔剣だと気付いた。
「――ほう……。これは…………」
「それは唯のガラクタじゃよ。いつか儂が改修しようかとは、思っておるがの……」
「ラド様。まさか改修技術を、お持ちでしょうか?」
「儂にそんな技術が有ると思うかのぉ?」
ラドの返事に金治は苦笑した。
――だが金治は引き下がらなかった。
この錆びた剣が左手用翠玉魔剣ならば、改修せずとも価値は跳ね上がると知っていたからだ。
「ラド様。これを骨董品として、競売に掛けるつもりはありませんか?」
「今は無いかのぉ……。儂もこのガラクタの正体に気付いておるが、些か手放す事も出来ぬからのぉ……」
「そうですか……」
金治は残念そうな表情を浮かべた。
ラドがこの錆びた剣を競売に出せば、少しの間ならば、金に困らない生活が出来たからだ。
そして金治は溜め息を吐きつつ、全体の結果として、ラドにどうやって説明しようと少し考え込む。
「…………」
「……? どうしたのじゃ?」
無言の金治を見て、ラドは心配になって話し掛けた。
「――失礼」
すると金治はラドにそう呟きながら、瞼を開き、今まで閉じていた筈のつり目が露わになる。
その目は黄金色の様な黄金に満ちた目色をしており、その黄金の目からは何処か神秘的で綺麗な魔眼にも見えた。
「ああ――そうでしたね。ラド様は、実に運が良い……」
金治は何かを閃くと、ラドに話を続けた。
「ラド様。一粒万倍日を御存知でしょうか?」
「何じゃ、そりゃ?? 聞いた事も無いわ」
「一粒の種が万倍となりて、稲穂の様に実るという意味で御座います。明日が丁度その日でして、数多くの商人達が腕に縒りをかけ、成功の機会を伺っておりまして……」
「――じゃが、儂と何の関係が有る?? 寝ぼけた話を聞くつもりは無いがのぉ?」
金治はラドに、さっき記入していたメモ用紙をそっと渡した。
その紙には現在の武器屋バリクには無い、とても丁寧で簡単な指示書が書かれていた。
「今からラド様には、『商売繁盛』と『成功祈願』のお祈りを私が捧げます。次にラド様は、その紙の指示通りに従い、念の為――ラド様自身も、予祝を行って下さい」
「予祝とは何じゃ?」
「未来に起きて欲しい出来事を先に祝う事で、現実を引き寄せるという意味で御座います。ラド様自身が予祝を行い、明日の一粒万倍日に備えて下さい」
黄金色の様な黄金の目付きになってから、金治は人が変わったかの様に淡々と話し続けている。
ラドが持つ真偽水晶が何も感知されていない以上、金治があからさまに嘘を吐いている様には見えなかった。
やはりあの黄金の目の効果なのだろうと、何となくではあるが、ラドは段々理解していく。
(じゃがあの目……。予知能力の様な効果には、見えないがのぉ……。まるで――金の亡者の様にも見える……)
そしてラドは少し鎌を掛ける様に、金治に話し掛けた。
「金海殿。もし当たらなかったら、どうする?」
「大丈夫ですよ!! 心配する気持ちは大いに理解出来かねますが、私の目に狂いはありません。ラド様の身体は今まさに、黄金に輝いております!!」
「自棄に自信満々じゃの?」
「私をどうか――信じて下さい!! もし奇跡が起きなければ、私を衛兵に突き出して頂いても構いません。どうでしょうか……?」
ラドが少しばかり疑心暗鬼になる一方、金治は信じてくれと言わんばかりに首を垂れる。
金治のその行動に、ラドは溜め息を吐いた。
「…………。……分かった」
「それではお祈りを捧げさせて頂きますね」
「金は取るのか?」
「いいえ。今回は割愛させて頂いておりますので、鑑定料などは次回以降となりますね」
それを聞いて、ラドは安堵した。
その後。金治は宣言通り、ラドに『商売繁盛』と『成功祈願』のお祈りを捧げる。
正直な感想を述べれば、お祈りとは付与魔術の類であり、本来ならば一つずつの効果に対して祈祷料が発生する代物。
それを何食わぬ顔で金治は祈祷し、帰り支度も早急に済ませた。
「それでは御邪魔しました。私はこれにて失礼致しますね」
金治はそう言い残し、踵を返す様に武器屋バリクを去った。
その後。ラドは一度店を閉店し、金治が記したメモ用紙の指示通りに、店内の改善を試みた。
ラドにとっては面倒で細かな作業としか感じられなかったが、全てが改善し終わった頃には、外は既に暗闇に包まれていた。
生気を養う為に夜食は豪華に、清潔を保つ為に態々高値を払って、歓楽街ガロンの温泉へと立ち寄った。
そして武器屋バリクへ帰宅後。ラドは気分が良い間に、明日の一粒万倍日に備えて予祝を行う。
(明日になれば、どうせ分かる。あれは、唯の謳い文句だったんじゃろ……)
「さて……、儂も早く寝るかのぉ……」
ラドは寝室へ向かった。
そして寝床へと横になると、疲れた身体がすぐに反応を示し、ラドは無意識の内に寝静まっていた。




