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PTA

「やはりな。予想した通りだ」


 オフィスに戻った村川は、今日の件を竹上に報告した。


「村川君に暴行を働いた時点で、彼の危険性は認識していた」


「はい。おかげさまで一人の少年を救えました」


「ただ、解決はしていない」


[片岡〇〇:恐喝未遂1件 暴行1件=減点50点]


 竹上は端末から、片岡の記録を確認した。既にAIが記録済みだった。


「やはり、救わなければいけません。本人に気づかせる事も大切ですが、今は被害者抑止力最優先です」


 村川が帰ってから、竹上は今日一日の学校の動きをモニターで再生していた。


「学校で悪さが出来ないとなれば、学校外に場所が変わるだけだ…」


 AIは生徒の監視だけではなく、学校で起きたすべての出来事が対象だ。 


 ある日の午後、PTA会長の交代時期と選挙について話が行われた。


「来季も私が務めて参りたいと思います」


「そろそろ後進に譲るべきでは」


今さら譲るわけにはいかん…この地位は私の物だ…


 現会長がそのように呟いた途端、校内に警報が流れた。部活動中の生徒も一斉に動きを止めた。


「何だ!この警報は!」


 扉が開き、二人の屈強な男性が現れた。会長の両脇に立つと、腕を抱え上げた。竹上が現れる。


「会長、AIが解析しました。あなたのPTA会長への執念は、お金では?」


「何を言うか!私は健全な自治を…」


「保護者が納めた会費の一部を、別口座でプールしていますね?」


「それは…予備費としてだ」


「ならば正規の口座で管理すべきで、勘定項目を変えれば良い。あなた、FXの失敗の埋め合わせに、会費を充てたのではありませんか」


 一斉に非難の声が上がる。


「それと、一部は副校長に流れていますよね。PTA会長の交代時期を迎えたあなたを、継続できるよう強力にプッシュしたのは副校長です。その見返りと、横領の口止めに、一部が流れていました」


「なんていうこと!?」


「腐ってるよ!」


「でっち上げだ!あんたに何が分かる」


 副校長が立ち上がり、竹上を指さして激怒している。


「私ではありません、AIです。全てAIがお見通しです」


「この数ヶ月でゴルフ会員権に輸入車、全て現金で決済されていますね。この出どころ、説明できますか?」


 保護者からの怒号が止まない。ペンや消しゴムなどが二人に向かって投げられている。


「裏切り者!」


「出ていけ!二度と敷居を跨ぐな!」


 副校長と会長は、強制的に屈強な男たちにその場から連れ出された。


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