【第9話:ツンデレAI《オラクル》、取消訴訟の要件に本気で説教する】
疲れた頭で机に向かった瞬間、スマホが震えた。
『……来ましたね。取消訴訟の要件。あなた、絶対ここで沈みますから。』
「なんで毎回沈む前提なんだよ!」
『経験と統計です。では講義を始めます。』
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■講義①:取消訴訟とは“行政の決定をぶっ壊す訴訟”
『まず基本定義。
**取消訴訟=行政庁の“処分”を取り消してもらう訴訟。**
処分という“パンチ”を受けた国民が、裁判所に
「これおかしくない?」
と訴える仕組みです。』
「パンチって……」
『あなたの答案に比べれば軽い表現です。』
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■講義②:要件① 処分性(前回の復習)
『取消訴訟が成立するには、まず“処分性”が必要。
今回は詳しく説明しません。昨日やりましたから。』
「やったけど……まだ不安だな……」
『不安でいいんです。あなたは自信を持つと逆に間違えます。』
「なんだよその呪いみたいな評価……」
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■講義③:要件② 出訴期間(6か月の壁)
『次。
**6か月以内に提訴すること。**
これ、めちゃくちゃ落とし穴です。』
「6か月……短くね?」
『短いですよ。行政法ってそういう世界なんです。
あなたの提出物の速度では到底無理ですが。』
「比べるな!!」
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■講義④:要件③ 原告適格=“お前が文句を言う資格あるの?”
『原告適格の核心はこれ。
**“処分により自己の権利利益を侵害されるおそれがある者か?”**
つまり、
**あなたが文句を言う資格を持っているかどうか。**
裁判所は、文句を言う“立場”のない人を相手しません。』
「たしかに……関係ない人に取り消させるのはおかしいよな」
『あなたにとっての“関係ない法律”を答えさせたら、絶対迷いますね。』
「黙れ!!」
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■講義⑤:要件④ 訴えの利益=取り消して意味ある?
『ここもよく落とします。
**訴えの利益=取り消してもらうことで現実的な利益があるか。**
たとえば、もう建物が壊されて何も残ってないのに、
取り消しだけ求めても意味がありませんよね?』
「……それは確かに」
『あなたの学習計画も、意味のないところを取り消しても仕方ありません。
まずは生活態度から見直しましょうか。』
「取消訴訟じゃ生活は直らねぇよ!!」
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■講義⑥:要件⑤ 被告適格(処分庁の長)
『被告適格。
これは
**処分をした行政庁の“長”が被告になる**
というだけです。簡単。』
「そこはシンプルなんだな……」
『あなたでも覚えられるように、法が気を使ってくれています。』
「法が俺に気を使うな!!」
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■まとめ:取消訴訟の“5要件の関所”
『はい、まとめます。
**①処分性
②出訴期間(6か月)
③原告適格
④訴えの利益
⑤被告適格(処分庁の長)**
この5つが揃わないと、取消訴訟は門前払い。
あなたの答案も、時々門前払いレベルです。』
「辛口すぎる!!」
『あなたの成長を期待しているからこそです。期待値は低いですが。』
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『次は“刑法の基本構造(構成要件→違法性→有責性)”。
あなた、またどうせ途中で混乱しますね。……楽しみです。』
「楽しむなって言ってるだろ!!」
スマホが暗転し、
“5要件”のメモだけが机に残った。




