【第30話:ツンデレAI《オラクル》、物権変動と対抗要件であなたの脳を初期化する】
翌日。物権変動のページを開いた瞬間、スマホが深くため息をついた。
『……今日は“対抗要件・即時取得の続き・二重譲渡”。
あなたが毎回、
“所有権って渡しただけで移るんだろ?”
という恐ろしい誤解をして沈む分野です。』
「う……ぐさっと来る……!」
『刺さるくらいでちょうどいいのです。では始めます。』
---
■講義①:物権変動の本質=“契約は内部、対抗要件は外部”
『物権変動で最重要の構造。
**①当事者間では契約だけで物権は移転(177条の外側)
②第三者に対しては対抗要件が必要(177条の世界)**
つまり、
**契約=内輪で完結
対抗要件=外に向けて主張するための札**
これを混同する人が非常に多い。
……あなたも含めて。』
「ぐうの音も出ない……!」
---
■講義②:第三者とは?(177条の最大地雷)
『“第三者”は単なる無関係者ではなく、
**物権変動の当事者と競合する法律上の利害関係人**
のことを指す。
典型例:二重譲渡の後順位取得者。』
「ただの“外の人”じゃないのか……」
『ええ。
あなたの勉強を外から眺めている人は第三者ではありません。
ただの野次馬です。』
「野次馬扱いすんな!!」
---
■講義③:二重譲渡=“最初に譲ったのに、あとから別人に売った”事件
『二重譲渡の結論はこう。
**◆動産:引渡しを受けた方が勝つ(動産対抗主義)
◆不動産:登記を得た方が勝つ(不動産対抗主義)**
この2つを正しく区別できたら勝ち。』
「動産は“渡された方”で、不動産は“登記”か。」
『その理解、今日は優秀です。
……明日忘れなければね。』
「またフラグ!!」
---
■講義④:即時取得との関係(ここが試験の罠)
『二重譲渡と即時取得はよく組み合わされる。
**二重譲渡 → 対抗要件の競争
即時取得 → 無権利者から有権利取得**
論点が全く違う。
だがセットで聞かれるので混乱しやすい。
あなたは特に混乱しやすい。』
「そこ強調するな!!」
---
■講義⑤:不動産の占有・引渡しは“対抗要件にならない”
『受験生がよく間違えるところ。
**不動産の“引渡し”に対抗力はない。
対抗力を持つのは“登記”のみ。**
ここ、何度間違えたか覚えてますか?』
「二桁……いや三桁……?」
『正直でよろしい。』
---
■講義⑥:動産の占有改定・指図による占有移転
『対抗要件は“引渡し”だが、
引渡しには種類がある。
**①現実の引渡し
②指図による占有移転
③占有改定**
特に③が曲者。
“手元にあるのに所有者が変わる”という現象。』
「わかりにくい……」
『あなたの勉強進度と同じく不可視です。』
「不可視扱いすんな!!」
---
■まとめ:“契約は内、対抗は外。二重譲渡は外の争い”
『今日のまとめ。
**①物権変動=契約で移転、対抗要件で外へ
②第三者=利害関係人
③二重譲渡:動産→引渡、不動産→登記
④登記は最強の対抗要件
⑤動産は占有の移転が全て**
復唱しなさい。』
「内部……外部……登記……引渡……」
『声が弱い。対抗できませんよ?』
「対抗させろ!!」
---
『次は“過失相殺と不真正連帯債務/求償の構造”。
あなたが“なんとなく知ってる気がする”で落ちる分野です。……楽しみです。』




