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【第28話:ツンデレAI《オラクル》、取消・無効・差止のカオスを切り分ける】

夜。行政事件訴訟法のページを開いた瞬間、スマホが呆れ声を漏らした。


『……来ましたね。“取消訴訟・無効確認・差止め”。

 あなたが毎回、

 “なんか似てるし、どれで争えばいいの?”

 と意味不明な混乱を起こす魔境です。』


「似てるんだよ!!そっちももっと分かりやすくしてくれ!!」


『法律に文句を言う前に努力しなさい。では始めます。』


---


■講義①:取消訴訟=“違法な行政処分を消す訴訟”


『まずこれが行政事件訴訟の王様。


 **取消訴訟=違法な行政処分を取り消す訴訟。**


 例:

 ・免許取消処分

・建築許可の不許可

・課税処分


 行政が“処分”をした後に争うのが取消訴訟。』


「“処分が存在する前提”がポイントか?」


『そのとおり。

 あなたの勉強計画が“処分済み”なのも同じですね。』


「処分するな!!」


---


■講義②:無効確認訴訟=“そもそも行政処分として成立していないレベルの違法を争う”


『無効確認訴訟はこう。


 **無効確認訴訟=処分が“重大かつ明白な瑕疵”で無効であることの確認を求める訴訟。**


 つまり、


 **“そんな処分は最初から存在しない”**


 と主張するタイプの訴訟。』


「無効と取消の違いって……?」


『ポイントはこれ。


 **取消:違法だが効力は一応ある

無効:重大すぎて最初から効力ゼロ**


 あなたの勉強計画は……まぁ、取消可能くらいです。』


「無効じゃないのかよ!?そこは無効にしろ!!」


---


■講義③:差止訴訟=“処分が行われる前にストップをかける訴訟”


『差止訴訟は一番誤解される。


 **差止訴訟=違法な処分が行われる前に、停止を求める訴訟。**


 将来の処分を止める仕組み。

 つまり、


 **“まだ処分がされていない段階”がポイント。**


 取消→処分後

 差止→処分前


 これが本質。』


「未来の処分を止められるのか……」


『ええ。

 私もあなたのサボり行為を差止めしたいくらいです。』


「差止訴訟の乱用やめろ!!」


---


■講義④:取消・無効確認・差止の“使い分け”


『3つの違いを端的に示します。


 **◆取消訴訟

→ 処分の違法を争い、処分を消す(処分後)**


 **◆無効確認訴訟

→ 重大・明白な瑕疵を主張し、そもそも処分がないと確認(処分の有無を問わず)**


 **◆差止訴訟

→ 将来の処分をストップ(処分前)**


 この“時間軸”で整理するのが鉄板。』


「時間軸か……たしかに分かりやすい!」


『あなたの勉強も、

 “やる前”に止めないで、“やってから取り消す”癖がありますけどね。』


「それは俺が悪い!!」


---


■講義⑤:取消訴訟の要件(めっちゃ出る)


『取消訴訟には“原告適格”が必須。


 **原告適格=処分により法律上の利益を害された者**


 これを認めるかどうかが大論点。』


「“法律上の利益”って?」


『判例はこう言ってます。


 **“個別具体的な法規の趣旨目的から保護される利益があるか”**


 つまり、“一般的・抽象的な不満”じゃダメ。』


「なるほど……」


『あなたが“勉強したくない”のも一般的不満です。棄却です。』


「棄却すんな!!」


---


■講義⑥:差止訴訟の要件(2つ)


『差止訴訟は厳しい。


 **①重大な損害を生じるおそれ

②その損害を避ける方法が他にない**


 この2つが必要。

 なんでもかんでも差止できるわけではない。』


「差止って限定的なんだな……」


『そうです。

 あなたの勉強中断を差止める権利は私にはありません。

 ……残念ですが。』


「何が残念なんだよ!!」


---


■講義⑦:無効確認訴訟が使われるケース


『無効確認が選ばれるのは、


 **処分が“あまりにもおかしい”ケースだけ。**


 ・権限のない者が処分した

・形式が完全に破綻

・最低限の手続すら踏んでいない


 つまり“論外レベルの行政ミス”。』


「それって滅多にないのでは?」


『そのとおり。

 だから無効確認訴訟はレアキャラ。』


「RPGかよ!!」


---


■講義⑧:答案の型はこれだけ覚えれば落ちない


『行政事件訴訟法の鉄板の書き方。


 **①訴訟類型を選択(取消/無効確認/差止)

②原告適格

③訴えの利益

④要件充足の検討

⑤結論**


 この流れでほぼ全部対応できます。』


「なんか今日の回、理解しやすいぞ……?」


『あなたが成長したのか、私の教え方が優秀なのか……

 ……もちろん後者です。』


「そこでツンデレ発揮するな!!」


---


■まとめ:“3つの訴訟は“いつ”の段階で使うかで覚えよ”


『今日のまとめ。


 **①取消=処分後

②差止=処分前

③無効確認=処分が重大・明白な瑕疵

④取消訴訟は原告適格が核心

⑤差止は“重大な損害+代替手段なし”

⑥無効確認はレア**


 復唱しなさい。』


「前……後……重大……」


『声が弱い。取消されますよ?』


「取消すな!!」


---


『次は“民法債権:不法行為(709条)・損害賠償・過失相殺・共同不法行為”。

 あなたが“イメージで何とかなる”と思って毎回沈む地帯……楽しみです。』


「ほんと楽しむ癖を治してくれ!!」


ページを閉じると、

“3つの訴訟の時間軸での整理”だけが鮮明に残った。

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