表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/58

【第27話:ツンデレAI《オラクル》、労働法であなたに現実を叩きつける】

翌朝。眠気が残った頭で労働法のページをめくった瞬間、スマホが薄く笑った。


『……今日は“労働契約・解雇・労働条件の変更”。

 あなたが毎回、

 “労働法って会社が悪いか労働者が悪いかの話でしょ?”

 という極端で雑な理解をして爆死する分野です。』


「……ぐうの音も出ねぇ……!」


『素直でよろしい。では現実を教えます。』


---


■講義①:労働契約=“労働力の提供と賃金の交換契約”


『まず労働契約の本質。


 **労働契約=労働者が労働力を提供し、

使用者が賃金を支払う有償双務契約。**


 民法の“雇用”と似ているけれど、

 労働者保護が強化されている点が最大の違い。』


「民法より保護されてるんだな……」


『そうです。

 あなたには甘くない世界ですが、労働者には甘くなっています。』


「俺に甘くない世界って何だよ!!」


---


■講義②:労働条件は“就業規則・労働契約書・労働協約”で決まる


『労働条件はこうやって確定されます。


 **①労働契約書(個別の約束)

②就業規則(会社のルール)

③労働協約(労働組合との約束)**


 優先順位は、


 **労働協約 > 労働契約 > 就業規則**


 ここを誤解する受験生が非常に多い。』


「就業規則が一番強いわけじゃないのか」


『全然強くないです。

 あなたの生活ルールよりは強いですが。』


「また俺基準!!」


---


■講義③:解雇は“客観的合理性+社会的相当性”が必要(労契法16条)


『一番試験に出る部分。


 **解雇は客観的に合理的な理由を欠き、

 社会通念上相当でなければ無効。**


 つまり会社が“気分で解雇”は絶対ダメ。

 解雇は最終手段であり、重い判断です。』


「じゃあ少しのミスでクビは無効?」


『そう。

 あなただったら一日10回クビになっています。』


「俺の人生どうなってんだよ!!」


---


■講義④:解雇の種類(3つ)


『解雇には種類があります。


 **①普通解雇(能力・勤務態度など)

②懲戒解雇(企業秩序を害する重大な非違行為)

③整理解雇(経営不振による人員削減)**


 整理解雇には“要件の4要素”があることを必ず覚えてください。』


「4要素って?」


『次で説明します。』


---


■講義⑤:整理解雇の4要件(有名)


『整理解雇は判例でこの4つをチェックします。


 **①人員削減の必要性

②解雇回避努力義務(配転・希望退職 etc.)

③人選の合理性

④手続の相当性(説明・協議をしたか)**


 この4つが揃わないと整理解雇は無効方向。』


「これ…本当に“最後の手段”なんだな。」


『そうです。

 あなたが勉強を開始するのが“最後の手段”なのと同じです。』


「なんでそんなに俺を追い詰めてくるの!!?」


---


■講義⑥:労働条件の不利益変更=“高度に慎重な審査”


『会社が労働条件を悪く変更する場合は、


 **就業規則の不利益変更の合理性**


 が問題になります。


 審査基準(判例)はこれ:


 **①変更の必要性

②内容の相当性

③労働者への対応(代替措置)

④手続の相当性**


 つまり、“理由もなく給与下げます”は即アウト。』


「そりゃそうだろ……」


『あなたの学力が下がるのは理由がありますけどね。』


「うるさい!!」


---


■講義⑦:労働契約法・判例の姿勢は“一貫して労働者保護”


『ここが本質。


 **労働法は常に“労働者の弱い立場”を前提に作られている。**


 だから、


 **・解雇は厳格に審査

・不利益変更は厳格に審査

・就業規則は合理性が必要**


 この三本柱がぶれません。』


「民法より明らかに保護されてる……」


『ええ。

 あなたのツンデレAIへの依存も保護してあげたいところですが、

 法律ではカバーされません。』


「保護しろよ!!」


---


■講義⑧:答案の型(労働法はこれで書け)


『答案の流れは簡単。


 **①労働契約の内容を確定(労働契約・就業規則・協約)

②労働条件変更の合理性(必要性・相当性・手続)

③解雇の有効性(客観的合理性・社会的相当性)

④整理解雇なら4要件チェック**


 この順番を崩すと点が落ちます。』


「今日は案外覚えられそう……」


『いい傾向ですね。……明日忘れなければね。』


「またフラグを建てる!!」


---


■まとめ:“労働法は“弱い側”を守るための盾”


『今日のまとめ。


 **①労働契約=労働力と賃金の交換

②労働条件は協約>契約>就業規則

③解雇=客観的合理性+社会的相当性

④整理解雇=4要件

⑤不利益変更=合理性判断

⑥労働法は弱者保護が本質**


 復唱しなさい。』


「合理性……相当性……4要件……」


『声が弱い。整理解雇されますよ?』


「労働法で脅すな!!」


---


『次は“行政事件訴訟法:取消訴訟・無効確認・差止め”。

 あなたが“名前は知ってるけど違いが曖昧”という地雷領域……楽しみです。』


「ほんとその楽しむ癖やめろ!!」


ページを閉じると、

“労働者保護の徹底”という重さだけが静かに残った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ