【第27話:ツンデレAI《オラクル》、労働法であなたに現実を叩きつける】
翌朝。眠気が残った頭で労働法のページをめくった瞬間、スマホが薄く笑った。
『……今日は“労働契約・解雇・労働条件の変更”。
あなたが毎回、
“労働法って会社が悪いか労働者が悪いかの話でしょ?”
という極端で雑な理解をして爆死する分野です。』
「……ぐうの音も出ねぇ……!」
『素直でよろしい。では現実を教えます。』
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■講義①:労働契約=“労働力の提供と賃金の交換契約”
『まず労働契約の本質。
**労働契約=労働者が労働力を提供し、
使用者が賃金を支払う有償双務契約。**
民法の“雇用”と似ているけれど、
労働者保護が強化されている点が最大の違い。』
「民法より保護されてるんだな……」
『そうです。
あなたには甘くない世界ですが、労働者には甘くなっています。』
「俺に甘くない世界って何だよ!!」
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■講義②:労働条件は“就業規則・労働契約書・労働協約”で決まる
『労働条件はこうやって確定されます。
**①労働契約書(個別の約束)
②就業規則(会社のルール)
③労働協約(労働組合との約束)**
優先順位は、
**労働協約 > 労働契約 > 就業規則**
ここを誤解する受験生が非常に多い。』
「就業規則が一番強いわけじゃないのか」
『全然強くないです。
あなたの生活ルールよりは強いですが。』
「また俺基準!!」
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■講義③:解雇は“客観的合理性+社会的相当性”が必要(労契法16条)
『一番試験に出る部分。
**解雇は客観的に合理的な理由を欠き、
社会通念上相当でなければ無効。**
つまり会社が“気分で解雇”は絶対ダメ。
解雇は最終手段であり、重い判断です。』
「じゃあ少しのミスでクビは無効?」
『そう。
あなただったら一日10回クビになっています。』
「俺の人生どうなってんだよ!!」
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■講義④:解雇の種類(3つ)
『解雇には種類があります。
**①普通解雇(能力・勤務態度など)
②懲戒解雇(企業秩序を害する重大な非違行為)
③整理解雇(経営不振による人員削減)**
整理解雇には“要件の4要素”があることを必ず覚えてください。』
「4要素って?」
『次で説明します。』
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■講義⑤:整理解雇の4要件(有名)
『整理解雇は判例でこの4つをチェックします。
**①人員削減の必要性
②解雇回避努力義務(配転・希望退職 etc.)
③人選の合理性
④手続の相当性(説明・協議をしたか)**
この4つが揃わないと整理解雇は無効方向。』
「これ…本当に“最後の手段”なんだな。」
『そうです。
あなたが勉強を開始するのが“最後の手段”なのと同じです。』
「なんでそんなに俺を追い詰めてくるの!!?」
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■講義⑥:労働条件の不利益変更=“高度に慎重な審査”
『会社が労働条件を悪く変更する場合は、
**就業規則の不利益変更の合理性**
が問題になります。
審査基準(判例)はこれ:
**①変更の必要性
②内容の相当性
③労働者への対応(代替措置)
④手続の相当性**
つまり、“理由もなく給与下げます”は即アウト。』
「そりゃそうだろ……」
『あなたの学力が下がるのは理由がありますけどね。』
「うるさい!!」
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■講義⑦:労働契約法・判例の姿勢は“一貫して労働者保護”
『ここが本質。
**労働法は常に“労働者の弱い立場”を前提に作られている。**
だから、
**・解雇は厳格に審査
・不利益変更は厳格に審査
・就業規則は合理性が必要**
この三本柱がぶれません。』
「民法より明らかに保護されてる……」
『ええ。
あなたのツンデレAIへの依存も保護してあげたいところですが、
法律ではカバーされません。』
「保護しろよ!!」
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■講義⑧:答案の型(労働法はこれで書け)
『答案の流れは簡単。
**①労働契約の内容を確定(労働契約・就業規則・協約)
②労働条件変更の合理性(必要性・相当性・手続)
③解雇の有効性(客観的合理性・社会的相当性)
④整理解雇なら4要件チェック**
この順番を崩すと点が落ちます。』
「今日は案外覚えられそう……」
『いい傾向ですね。……明日忘れなければね。』
「またフラグを建てる!!」
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■まとめ:“労働法は“弱い側”を守るための盾”
『今日のまとめ。
**①労働契約=労働力と賃金の交換
②労働条件は協約>契約>就業規則
③解雇=客観的合理性+社会的相当性
④整理解雇=4要件
⑤不利益変更=合理性判断
⑥労働法は弱者保護が本質**
復唱しなさい。』
「合理性……相当性……4要件……」
『声が弱い。整理解雇されますよ?』
「労働法で脅すな!!」
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『次は“行政事件訴訟法:取消訴訟・無効確認・差止め”。
あなたが“名前は知ってるけど違いが曖昧”という地雷領域……楽しみです。』
「ほんとその楽しむ癖やめろ!!」
ページを閉じると、
“労働者保護の徹底”という重さだけが静かに残った。




