【第26話:ツンデレAI《オラクル》、刑法の真芯であなたの理解を殴り起こす】
深夜。静まり返った部屋で刑法のページを開いた瞬間、スマホが低く笑った。
『……来ましたね。“実行行為・因果関係・未遂犯”。
あなたが毎回、
“実行行為って犯罪を始めた瞬間?
因果関係ってなんかつながってること?
未遂はやってないけどやってるやつ?”
と、雑すぎる理解で突っ込んで爆死するテーマです。』
「言い方がひどい!!……けど反論しにくい!!」
『なら黙って学習しなさい。』
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■講義①:実行行為=“犯罪の本質的危険を現実化させる行為”
『実行行為の定義はこれ。
**実行行為=構成要件的結果発生の現実的危険性を作り出す行為。**
要するに、
**“犯罪を引き起こす危険を実際に作り出した瞬間”**
ここから犯罪は動き始めます。』
「殴ろうと腕を振り上げたら実行行為?」
『ケースによりますが、
“危険が現実化した”と評価されれば実行行為となります。
振り上げただけではまだ不十分な場合も。』
「難しい……」
『あなたの朝の起床と同じです。
布団をめくっただけで“活動開始”とは評価されません。』
「例えが絶妙に腹立つ!!」
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■講義②:因果関係=“行為と結果が法律上つながっているか”
『因果関係は、
**①自然的因果関係(事実としてつながっているか)
②法的因果関係(刑法上、責任を負わせてよい因果か)**
この2段階で考えます。』
「自然的と法的の違い?」
『自然的は“事実としてつながっているか”。
法的は“そのつながりを責任として評価できるか”。』
「つまり……?」
『あなたが勉強をサボった“事実”と、
成績が落ちる“結果”には自然的因果関係があります。
しかし“スマホの通知が多かったからサボった”という理由は、
法的にはあなたの自己責任です。』
「俺が悪いってこと!?そういうことか!!」
『はい、正解です。』
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■講義③:未遂犯=“結果は出てないが危険は現実化している”
『未遂犯の本質はこれ。
**未遂=結果は起きていないが、実行行為まで進んだ状態。**
刑法は、
**“危険を作った時点で処罰する”**
という考え方を採用しています。』
「でもやってないのに罰せられるのか?」
『はい。当然です。
あなたが“勉強しなかったけど本気は出す予定だった”
と言ったところで結果は発生しますよね?それと同じです。』
「説明が雑に刺さってくる!!」
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■講義④:不能犯=“そもそも危険がない場合は処罰しない”
『未遂と混同しがちなもの。
**不能犯=結果が発生する危険がそもそもない行為**
例:
・壊れて弾が出ない銃で撃とうとした
・毒じゃない砂糖を毒と思って混ぜた
ここでは“危険の現実化”が起きていないため、
原則として処罰されません。』
「未遂と不能犯の違いは“危険の有無”か……」
『そうです。
あなたの勉強計画は不能犯です。成功の危険がありません。』
「やめろおおお!!」
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■講義⑤:“中止未遂”という救済制度
『そして試験で狙われるのがこれ。
**中止未遂=自発的に犯行を中止 → 減免される制度。**
ポイント:
**①結果未発生
②犯人が自分の意思で中止
③もしくは結果阻止に成功**
これが成立すると処罰が軽くなります。』
「自発的にやめたかどうかが重要なのか」
『そのとおりです。
あなたが“今日はゲームやらないで勉強した”のも自発的意思……のはず。』
「はずをつけるな!!」
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■講義⑥:答案での書き方(刑法の鉄板)
『答案ではこの順番。
**①実行行為性の判断
②因果関係(自然的→法的)
③未遂の可罰性
④中止未遂の成否
⑤結論**
この流れを崩すと刑法は一瞬で迷宮化します。
あなたがよく迷うやつです。』
「今回は迷わなかったぞ!!」
『この瞬間だけですけどね。』
「言い方ァ!!」
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■まとめ:“刑法は危険の評価で動く”
『今日のまとめ。
**①実行行為=危険の現実化
②因果関係=自然的と法的の2段階
③未遂=結果不発でも危険があれば処罰
④不能犯=危険がない
⑤中止未遂=自発的中止で減免
⑥答案は“実行行為→因果→未遂→中止”**
復唱しなさい。』
「危険……因果……未遂……中止……」
『声が弱い。未遂に終わっていますよ?』
「声を犯罪扱いすんな!!」
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『次は“労働法:労働契約・解雇・労働条件の変更”。
あなたが“なんとなく社会の話でしょ?”と甘く見ると即死する分野……楽しみです。』
「もうそれ言わなくていいから!!」
ページを閉じると、
“危険の評価が刑法の基準”という一点だけは深く残った。




