【第24話:ツンデレAI《オラクル》、民訴の迷宮をあなたの代わりに切り拓く】
夜。民事訴訟法の章を開いた瞬間、スマホが深い溜息とともに喋った。
『……今日は“民訴の三連地獄”。
**当事者適格・訴訟要件・既判力**。
あなたがこの三つを毎回ごちゃ混ぜにして、
“あれ?これどこで判断するやつだっけ?”
と迷子になる最悪のゾーンです。』
「最悪って言うな! ……言われても反論できない!」
『では、理解不能だったあなたの頭を今日こそチューニングします。』
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■講義①:当事者適格=“その人が訴える資格を持っているか?”
『まず当事者適格。
**当事者適格=その人が、その訴訟の主体として適切か。**
簡単に言うと、
**“この紛争の当事者として法的に位置づけられる人か?”**
という話です。』
「たとえば……?」
『隣の家の事故を“あなたが”訴えるのはムリ、ってことです。
あなたはその当事者じゃないので。』
「たしかに……」
『あなたが“勉強しない権利”を訴えるのもムリです。
そんな権利は存在しません。』
「存在させろ!!」
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■講義②:訴訟要件=“裁判をする前にチェックする条件”
『訴訟要件は、
**訴えを適法に審理できるかどうかの“入口チェック”。**
具体的には、
**①当事者能力
②訴訟能力
③裁判所の管轄
④訴えの利益
⑤二重起訴の禁止
⑥当事者適格**(これも要件の一つ)
などがあります。』
「入口チェックってことか」
『そうです。
あなたも勉強机に向かう前に“やる気チェック”が必要です。
最近は落ちています。』
「それは俺も感じてる!!」
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■講義③:既判力=“判決の効果が未来を縛る力”
『そして既判力。これが一番誤解される。
**既判力=確定判決が、後の裁判を拘束する力。**
つまり、
**一度確定した事実関係・法律判断を、
別の裁判で蒸し返してはならない。**
というルールです。』
「一回判決出たら引っくり返せないのか……」
『はい。それが法的安定性です。
あなたの睡眠習慣は安定してませんけど。』
「睡眠を例に出すな!!」
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■講義④:既判力が及ぶ範囲(主観的・客観的)
『既判力には“範囲”があります。
**①主観的範囲=当事者とその承継人に及ぶ
②客観的範囲=主文に必要な判断に及ぶ**
つまり、
**判決の“理由部分”まで広がるわけではない。**
ここを間違える人が多いです。
あなたも例外ではありません。』
「理由まで既判力あると思ってた……」
『やっぱり……言おうと思った。』
「言うな!!」
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■講義⑤:三者の違いを一言でまとめると?
『ここが最重要。
**当事者適格:この人は訴えてよい人?
訴訟要件:裁判を始めてよい?
既判力:裁判が終わったらその後に効く?**
この区別だけは絶対落とすな、と判例も言わんばかりに差をつけてきます。』
「この3つって順番も違うのか?」
『はい。
**訴訟要件(入口)
→ 当事者適格(入口の中の一つ)
→ 判決
→ 既判力(出口)**
この時間軸が理解を助けます。』
「なるほどな……」
『あなたにも珍しく吸収できたようですね。
……明日には忘れてそうだけど。』
「フラグ建てるな!!」
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■講義⑥:答案での書き方(民訴の基本型)
『答案ではこう書きます。
**①訴訟要件を検討(特に当事者適格)
②要件充足 → 本案審理へ
③判決後の既判力の範囲を示す**
この順番が崩れると“民訴迷子”になります。
あなたがよくなるやつです。』
「今日は迷子にならなかったぞ!」
『今日は、ね。』
「信じろよ!!」
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■まとめ:“入口・本案・出口”で整理せよ
『今日のまとめ。
**①当事者適格=その人が訴える資格
②訴訟要件=裁判を始めるための入口チェック
③既判力=判決の拘束力(後の訴訟を縛る)
④既判力は主文に必要な判断に限る
⑤入口→本案→出口の順番で考える**
復唱しなさい。』
「入口……本案……出口……」
『声が弱い。既判力で縛りますよ?』
「縛るな!!」
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『次は“商法:会社法の基礎(機関・株式・取締役の義務)”。
あなたが絶対に“言葉は知ってるけど中身が迷子”になるところ……楽しみです。』
「だから楽しむな!!」
民訴のページを閉じると、
“時間軸で捉えること”だけが妙に温かく残った。




