【第23話:ツンデレAI《オラクル》、裁量と比例原則であなたの甘さを粉砕する】
昼下がり。行政法の分厚いページを開いた瞬間、スマホがむっすりと喋り出した。
『……今日は“裁量論”。
あなたが毎回、
“裁量ってつまり自由に決めていいってこと?”
という死亡フラグ全開の理解で突っ込んで粉砕されるところです。』
「自由に決めていい……わけじゃないんだよな?」
『当たり前です。あなたの生活と違って行政は自由じゃありません。』
「なんで毎回俺の生活比較するんだよ!!」
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■講義①:裁量=“行政が一定の幅で判断してよい領域”
『まず定義。
**裁量=行政が複数の合理的選択肢の中から選べる権限。**
つまり、
“行政は機械じゃないんだから、ある程度選べる余地があるよね”
という話です。』
「それが裁量か……」
『ええ。あなたの“今日は勉強する or しない”の選択は裁量ではなく怠慢です。』
「刺すな!!」
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■講義②:裁量にも“限界”がある → 比例原則・平等原則
『行政が何でもしていいわけではありません。
**裁量の限界を決めるルール** がいくつかあります。
代表がこれ:
**①比例原則
②平等原則
③不当な差別禁止
④基本権の尊重**
裁量といえど、法律の枠内で動かないと違法です。』
「枠を超えたら違法……?」
『当然です。あなたの夜更かしも枠を超えてます。』
「枠の話はいい!!」
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■講義③:比例原則=“目的と手段のバランスを取れ”
『行政法のキモ。
**比例原則=目的に対して手段が行きすぎてないかをチェックする。**
具体的には、
**①適合性(目的に手段が合ってる?)
②必要性(もっと軽い手段があるんじゃない?)
③均衡性(負担と利益の釣り合いは?)**
この3段階で行政の判断を審査します。』
「これ憲法にも出てきたやつだ……」
『そうです。あなたが似た論点を混ぜて爆死する原因です。』
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■講義④:裁量の逸脱・濫用=“裁量があるのにやりすぎた場合は違法”
『有名な判例基準。
**裁量がある場合でも、
その判断が著しく合理性を欠き、
社会通念に照らして妥当性を欠く場合 → 違法(逸脱・濫用)**
これが“裁量審査の核心”。』
「合理性が完全に欠けてたらアウトってことか」
『そうです。
あなたの勉強計画も合理性が欠けているのでアウトです。』
「俺の勉強に裁量審査入れんな!!」
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■講義⑤:裁判所は“行政判断を尊重する”が“放任はしない”
『裁量論の面白いところは、
**行政に広い裁量 → でも裁判所は監視する
行きすぎ → 違法**
という“尊重と監視の両立”。』
「バランスが大事なんだな」
『そうです。
あなたの勉強も“頑張る”と“休む”のバランスを取りなさい。
……まあ休むほうが勝ってますけど。』
「ほんっと刺すな!!」
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■講義⑥:比例原則の答案の型
『答案ではこれを書けばOK。
**①目的の正当性
②手段の適合性
③手段の必要性(より軽い手段の有無)
④均衡性(利益と負担のバランス)
⑤結論(裁量逸脱・濫用の有無)**
この流れを守れば、迷子になりません。
あなたも今日から迷子卒業です。』
「卒業したい!!」
『希望だけでは卒業できません。行動しなさい。』
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■まとめ:“行政の裁量=許される幅、比例原則=その幅の限界線”
『今日のまとめ。
**①裁量=行政の判断余地
②比例原則=目的と手段のバランス審査
③適合性・必要性・均衡性の3段階
④裁量逸脱・濫用=著しく合理性を欠く場合
⑤裁判所は尊重しつつ監視**
ほら復唱しなさい。』
「適合性……必要性……均衡性……」
『声が弱い。裁量を逸脱してますよ?』
「声で逸脱すんな!!」
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『次は“民事訴訟法:当事者適格・訴訟要件・既判力”。
あなたがまた絶対に混乱する三連コンボ……楽しみです。』
「だから楽しむな!!」
行政法の章を閉じると、
“裁量の幅と比例原則の線”が静かに頭の中に刻まれていた。




