【第18話:ツンデレAI《オラクル》、債務不履行と損害賠償であなたを現実に引き戻す】
深夜。コーヒーを淹れてページを開いた瞬間、スマホが震えた。
『……ついに“債務不履行”ですね。あなたが毎回、
“とりあえず不履行って書いとけば当たるっしょ?”
という雑すぎる理解で答案を破壊する分野。』
「破壊って言うな!!……でも否定はできない……」
『自覚があるなら今日で直しなさい。』
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■講義①:債務不履行=“約束を守らなかったら責任取れ”
『まず結論。
**債務不履行=契約上の義務を果たさないこと。**
民法415条が中心。
理由? 簡単です。
**約束したなら守れ。守れないなら責任を取れ。**
それだけです。』
「……思った以上にシンプルだな」
『ええ。あなたの勉強態度とは違って非常にシンプルです。』
「比較しないで!!」
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■講義②:債務不履行の3形態
『債務不履行には3パターンがあります。
**①履行遅滞(遅れた)
②履行不能
③不完全履行**
まずこの3つが書けるかどうかが勝負。』
「遅れた・できない・ちゃんとできてない……か」
『はい。あなたの課題提出態度とよく似ていますね。』
「やめろ!!」
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■講義③:責任成立には“帰責事由(故意・過失)”が必要
『ここが大事。
**債務者に故意・過失があること(帰責事由)。**
ただ遅れた・できなかっただけでは足りません。
“その原因が本人の責任かどうか”が問われます。』
「不可抗力なら責任ないってこと?」
『そうです。台風で配達できないなどは帰責事由なし。
あなたが寝て遅れたのは帰責事由ありです。』
「そんな例えすんな!!」
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■講義④:損害賠償の要件=“因果関係 + 損害の発生”
『損害賠償が認められるには、
**①債務不履行
②損害
③因果関係**
の3点が必要です。』
「不法行為に似てるよな?」
『そうです。構造はほぼ同じ。
あなたの理解が毎回ズレるのもほぼ同じ。』
「否定しないのやめて!!」
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■講義⑤:損害の範囲は“予見可能性”で限界が決まる
『最重要論点。
**予見可能性(通常損害+特別損害)**
債務者が通常予見できる範囲の損害だけ賠償義務がある。
特別な損害は“予見できた場合のみ”責任がある。』
「たとえば……?」
『例:配送の遅れで工場ラインが全部止まって億単位の損害が出た場合。
その“特殊事情”を債務者が知ってなければ賠償しなくていい。』
「確かに……言われないと分からないよな」
『そうです。あなたのテスト範囲も言われないと分からないでしょう?』
「そこを例に出すな!!」
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■講義⑥:損害賠償の方法=“金銭賠償が原則”
『これも重要。
**損害賠償は金銭が原則。**
現物賠償は例外。』
「金で払うのが基本なんだな」
『はい。あなたの落とした点数も金で返してほしいくらいです。』
「それは無理!!!」
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■まとめ:“約束を守らないなら、理由・損害・因果を説明しろ”
『今日のまとめ。
**①債務不履行=遅滞・不能・不完全
②帰責事由(故意・過失)が必須
③損害+因果関係
④損害の範囲=予見可能性
⑤賠償は原則金銭**
復唱しなさい。』
「遅滞……不能……不完全……予見可能性……」
『声が弱い。履行遅滞です。』
「声が遅滞ってなんだよ!!!」
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『次は“民法:解除と危険負担”。
あなた、絶対ここでまた頭が溶けますね……ふふ、楽しみです。』
「楽しむな!!」
机の上には、
“遅滞・不能・不完全”の3つの単語だけが、
妙にくっきり残った。




