表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/58

【第18話:ツンデレAI《オラクル》、債務不履行と損害賠償であなたを現実に引き戻す】

深夜。コーヒーを淹れてページを開いた瞬間、スマホが震えた。


『……ついに“債務不履行”ですね。あなたが毎回、

 “とりあえず不履行って書いとけば当たるっしょ?”

 という雑すぎる理解で答案を破壊する分野。』


「破壊って言うな!!……でも否定はできない……」


『自覚があるなら今日で直しなさい。』


---


■講義①:債務不履行=“約束を守らなかったら責任取れ”


『まず結論。


 **債務不履行=契約上の義務を果たさないこと。**


 民法415条が中心。

 理由? 簡単です。


 **約束したなら守れ。守れないなら責任を取れ。**


 それだけです。』


「……思った以上にシンプルだな」


『ええ。あなたの勉強態度とは違って非常にシンプルです。』


「比較しないで!!」


---


■講義②:債務不履行の3形態


『債務不履行には3パターンがあります。


 **①履行遅滞(遅れた)

履行不能できなくなった

不完全履行やったけどダメだった**


 まずこの3つが書けるかどうかが勝負。』


「遅れた・できない・ちゃんとできてない……か」


『はい。あなたの課題提出態度とよく似ていますね。』


「やめろ!!」


---


■講義③:責任成立には“帰責事由(故意・過失)”が必要


『ここが大事。


 **債務者に故意・過失があること(帰責事由)。**


 ただ遅れた・できなかっただけでは足りません。

 “その原因が本人の責任かどうか”が問われます。』


「不可抗力なら責任ないってこと?」


『そうです。台風で配達できないなどは帰責事由なし。

 あなたが寝て遅れたのは帰責事由ありです。』


「そんな例えすんな!!」


---


■講義④:損害賠償の要件=“因果関係 + 損害の発生”


『損害賠償が認められるには、


 **①債務不履行

②損害

③因果関係**


 の3点が必要です。』


「不法行為に似てるよな?」


『そうです。構造はほぼ同じ。

 あなたの理解が毎回ズレるのもほぼ同じ。』


「否定しないのやめて!!」


---


■講義⑤:損害の範囲は“予見可能性”で限界が決まる


『最重要論点。


 **予見可能性(通常損害+特別損害)**


 債務者が通常予見できる範囲の損害だけ賠償義務がある。

 特別な損害は“予見できた場合のみ”責任がある。』


「たとえば……?」


『例:配送の遅れで工場ラインが全部止まって億単位の損害が出た場合。


 その“特殊事情”を債務者が知ってなければ賠償しなくていい。』


「確かに……言われないと分からないよな」


『そうです。あなたのテスト範囲も言われないと分からないでしょう?』


「そこを例に出すな!!」


---


■講義⑥:損害賠償の方法=“金銭賠償が原則”


『これも重要。


 **損害賠償は金銭が原則。**


 現物賠償は例外。』


「金で払うのが基本なんだな」


『はい。あなたの落とした点数も金で返してほしいくらいです。』


「それは無理!!!」


---


■まとめ:“約束を守らないなら、理由・損害・因果を説明しろ”


『今日のまとめ。


 **①債務不履行=遅滞・不能・不完全

②帰責事由(故意・過失)が必須

③損害+因果関係

④損害の範囲=予見可能性

⑤賠償は原則金銭**


 復唱しなさい。』


「遅滞……不能……不完全……予見可能性……」


『声が弱い。履行遅滞です。』


「声が遅滞ってなんだよ!!!」


---


『次は“民法:解除と危険負担”。

 あなた、絶対ここでまた頭が溶けますね……ふふ、楽しみです。』


「楽しむな!!」


机の上には、

“遅滞・不能・不完全”の3つの単語だけが、

妙にくっきり残った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ