表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/58

【第17話:ツンデレAI《オラクル》、契約総則であなたの理解を強制再起動】

休日の午後。のんびり六法を開いた瞬間、スマホが起動した。


『……契約総則の回ですね。あなたが毎回、

 “申込みと承諾ってなんか雰囲気で分かる気がする”

 という最悪な理解で進めて迷子になる分野。』


「雰囲気で理解したことは……ある……」


『自白しましたね。では雰囲気を破壊します。』


---


■講義①:契約は“申込み”と“承諾”で成立する


『まず基本。


 **契約=申込み + 承諾**


 これがすべて。

 申込みは“こういう条件で契約したい”という意思表示。

 承諾は“それでOK”という返答。』


「シンプルだな」


『あなたの勉強よりは遥かにシンプルです。』


---


■講義②:申込みの効力=到達時から拘束力が生まれる


『申込みは、相手に届いた瞬間から力を持ちます。


 **申込み到達 → 申込者は拘束される**


 これを知らずに書く受験生は多いです。あなた含めて。』


「やめろ未来の俺を暴露するな!!」


---


■講義③:承諾は“合致したら成立”、ただし遅れ・変更は“新たな申込み”


『承諾は申込み内容と一致して初めて成立します。


 **一致 → 契約成立

 不一致(期限遅れ・条件変更)→ 新たな申込み扱い**


 これ、試験でめちゃくちゃ狙われます。』


「承諾のつもりが実は申込みに逆戻りってことか」


『そうです。あなたの学習計画も逆戻りしがちですよね。』


「返す言葉がない……」


---


■講義④:錯誤=意思表示の“根本的ミス”


『次に錯誤。


 **要素の錯誤 → 契約無効(ただし表意者に重過失がないこと)**


 “そもそも契約の基礎が間違っていた場合”は無効になります。』


「値段を打ち間違えたとか?」


『それが契約内容の重要部分なら要素の錯誤。

 ただしあなたのように確認しないで入力したのは重過失扱いです。』


「俺への当たり強いな!?」


---


■講義⑤:詐欺・強迫=“意思を歪められたときの救済”


『詐欺・強迫の区別は簡単。


 **詐欺:だまされた

 強迫:脅された**


 この場合、

 **取り消すことができる**。』


「無効じゃなくて取り消しなんだな」


『そうです。無効と取り消しの区別すら曖昧だったあなたには朗報ですね。』


「朗報の使い方おかしいだろ!」


---


■講義⑥:詐欺取消しの対抗問題(第三者保護)


『重要論点。


 **詐欺取消しは、善意の第三者に対抗できない。**


 つまり、だまされた本人が取り消しても、

 その後買った“善意の第三者”には勝てません。』


「え、詐欺に遭った本人が負けんの!?」


『はい。社会の安全のためです。

 あなたの思考より社会のほうが優先されます。』


「言い方ァ!!」


---


■講義⑦:強迫は第三者にも対抗できる


『詐欺と違って、


 **強迫は第三者にも対抗できる。**


 脅されて無理やり契約させられたのに、

 第三者にまで負けたら理不尽だからです。』


「なるほどな……詐欺と強迫の扱いが全然違うのか」


『はい。あなたの答案の完成度が毎回違うのと同じです。』


「例えで刺すな!!」


---


■まとめ:“意思の合致 → ミスか騙しで崩れるかを丁寧に追う”


『今日のまとめ。


 **①契約=申込み+承諾

②承諾の遅れ・変更は新たな申込み

③錯誤=無効(重過失でNG)

④詐欺・強迫=取り消し

⑤詐欺は善意第三者に敗北/強迫は勝てる**


 はい復唱。』


「申込み……承諾……錯誤……詐欺……強迫……」


『声が弱い。契約不成立です。』


「声量で契約は成立しねぇ!!」


---


『次は“債務不履行・損害賠償(民法)”。

 あなた、また絶対に途中で混乱しますので……楽しみにしています。』


「頼むから楽しむな!!」


机の上には、

“申込み→承諾→成立”というシンプルな軌道だけが、確かに残っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ