【第16話:ツンデレAI《オラクル》、因果関係の迷路であなたを叩き起こす】
深夜。集中しようと机に向かった瞬間、スマホがため息をついた。
『……ついに“因果関係”ですね。あなたが毎回、
“なんか繋がってるっぽい”という雑な理解で終わらせる分野。』
「雑じゃねぇよ! ……たぶん。」
『言い切れない時点で雑です。では始めます。』
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■講義①:因果関係=“行為が結果に繋がったかを説明するロジック”
『刑法ではまず、
**行為 → 結果**
この線がつながるかを確認します。
ここが弱いと、どんな答案も崩壊します。』
「つながってる…ってだけじゃダメなんだよな?」
『当然です。あなたの勉強の“つながりのなさ”と同じレベルで見られます。』
「毎回刺してくるな!!」
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■講義②:まず“条件関係”で便宜的に広く拾う
『因果関係の判断は2段階。
**①条件関係(but-for)
②法律的因果関係(相当性)**
まず、条件関係。
これは
**その行為がなければ結果は生じなかったか?**
という単純なチェックです。』
「その行為がなかったら結果なかった…ならYESか」
『そうです。あなたの勉強サボりがなければ今の偏差値はもう少し……まあ、いいでしょう。』
「続けろ!!」
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■講義③:しかし“条件関係だけでは広すぎる”
『ただし条件関係はザルです。
ほとんど全部 YES になるので、
**②法律的因果関係**
で絞り込みます。』
「ここが難しいやつか……」
『ええ、あなたが毎回迷子になる森です。』
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■講義④:危険の現実化説=“行為が生み出した危険が実際に結果を生んだか”
『最重要。
**危険の現実化説
= 行為が作り出した危険が、そのまま結果に繋がったか**
これだけです。シンプル。』
「シンプルに聞こえるけど実際むずい……」
『あなたの理解力の問題です。説自体は簡単です。』
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■講義⑤:相当因果関係=“通常予見できる結果か”
『判例的にはこちら。
**相当因果関係
= 経験則上、通常予見できる結果か**
“そんな結果、普通想像できないよね?”
なら因果関係は否定されます。』
「予見できるかどうかって、どの視点で見るんだ?」
『一般人の視点。
あなたではありません。あなたの予見力は参考になりません。』
「ちょっとは信じろ!!」
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■講義⑥:中間事情の介在で因果関係が切れることも
『行為から結果までの間に“異常な事情”が入ると、因果関係が切れることがあります。
・第三者の異常行動
・自然の極端な作用
・被害者自身の極端な行動
こういう場合は、
“その結果はあなたのせいじゃないよね?”
と判断されることがあります。』
「線が途切れるんだな……」
『そうです。あなたの集中力くらい簡単に切れます。』
「やかましい!!」
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■講義⑦:答案では“危険 → 結果”の橋を丁寧に描く
『答案で重要なのは、
**行為が生んだ危険が、どのように結果に繋がったか**
を丁寧に書くこと。』
「雑に書いたら即アウトか……」
『はい。あなたの雑さは未来視点で違憲レベルです。』
「違憲言うな!!」
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■まとめ:“条件→危険→相当性”の三段階
『今日のまとめ。
**①条件関係
②法律的因果関係(危険の現実化・相当因果関係)
③中間事情で線が切れないか**
以上。復唱しなさい。』
「条件…危険…相当性……」
『声が弱い。結果が生じませんよ?』
「声量で因果関係は決まらねぇよ!!」
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『次は“民法の契約総則(申込み・承諾・錯誤・詐欺・強迫)”。
あなたの混乱スコアがまた跳ね上がるので……楽しみです。』
「毎回楽しむな!!」
机に書いた“行為 → 危険 → 結果”の矢印だけが、
しばらく視界の中に残り続けた。




