教団魔導指導教官の報告書
この度聖女様の教育指導を賜りました。
学院に通われて居たので何をどれくらい習ったのかとどれくらいの学力が有るのかを確かめるために試験を行いどの様に学院で過ごして居たのかと質疑応答の結果を報告したします。
必要最低限の読み書き算数は孤児院で習ったようですが、それ以上のことは習えなかかったので学院に入る直前に勉強させられたそうです。
彼女は「判定」により高魔力なのが判明したので学院への入学許可、(入学金、学費免除です)の話が出たのですが、最初は「ちゃんと勉強して居ないから」と学力不足を理由に辞退したそうなのです。ですが、「勉強させてやるから」と受験勉強をさせてもらったので入学を決めたそうです。
次に魔術魔法、魔力操作ですが彼女曰く、しょっちゅう爆発させて居たそうです。爆発しても威力は無かったそうなので、黒焦げになるだけだそうです。(火傷も無いそうなので、無意識に操作できて居たんじゃ?と考えます。)
火を出そうとすれば黒焦げ、水を出そうとすればずぶ濡れ、風を呼べば突風でスカートが捲れ(下にはしっかり履いて居たから下着は見えなかった)、土を操ろうとしたら泥だらけになる・・・という有様だったそうです。
さらに魔道具(ご存じでしょうが魔力を注いで、動かす道具です)は動かす度に壊れ、粉砕させる(「弁償だ!」とか言われて仕事手伝わされた!そうです)
「上手くいかなくて実技はいつも赤点で、皆んなには『雑だ』『ドジだ』と笑われて悔しくて悔しくて嫌になります」と
魔力循環が出来て居ないだけでは?と聞いたら、
「魔力循環って何ですか?魔力が出てき辛いから、思いっきりやらないと何も出ないんです。」と言われた。
・・・魔力循環自体を知らないらしい、高魔力保持者には必須なのに?体の魔力を上手く循環させればコントロールできるはずだ。
と彼女に伝えたら、
「ぜひ教えてください!」と強く言われた
信仰上の問題は無いのか?と聞いたら、
「そんなこと聞いたことありません!いくら相談しても『時期がくれば精霊が導いてくれます』と言うばかりで何もしてくれないんです」
と言われた。
どうやら精神論ばかりで技術的なことは教えてもらえなかったらしい。
王国は精霊信仰により「自然な魔力」を重んじるから魔力掌握は理念に反するのでしょう。
我が帝国では魔力、気力、体力が基本として居ます。それらを完璧に把握してこその帝国魔導士です。
まずは魔力循環を教える事にします。魔力掌握もすぐに出来るでしょう。