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帝国工作員の報告書

 王国から聖女を連れて帰って来た。

 かなり憔悴して居るので、まずは体の具合を診る。


 外傷は靴擦れと顔の隈ぐらいであとは健康そのもの、コルセットと靴がキツい様、あとは寝不足と空腹にかなり精神的に疲弊して居るようだ。

 明日詳しい話を聞こう


 

・・・どうもよく分からない、朝食後に彼女から話を聞いた。噂では、平民の娘が突如として王国の聖女に選ばれて、貴族子女が通う学院への入学を許されたのだが、彼女は真面目に授業を受けず貴族子息に媚を売って遊んでばかり居ると聞いて居たのだが。


・・・どうやら貴族公子たちに虐められて居たようだ。


 例えば、図書館に行くと宰相の息子に声をかけられて何を読んでいるのかとか、お前に意味がわかるのかと難癖をつけられ、挙げ句の果てには読んでいるフリをして居るだけだろと無知を笑われた。


 中庭で花を見て居ると侯爵の子息がぶつかって来ては子猫だの面白いだの妙なことを言われてその場を立ち去ろうとして転んで笑われた。

 

 練習場で護身術の練習をして居たら騎士団元帥の息子が女の癖にそんなことをしても無駄だの邪魔だのとか言って来て体に触ろうとするのを避けようとして躓いて、器具をひっくり返して笑われた。


 食堂で食事の時には豪商の息子がわざわざ隣に座って来て、音を立てるなパンに齧り付くななどマナーを指摘したり、挙句の果てには手をつけて居ない食事(果物とか後で食べようと思って取り分けたもの)を取り上げるなどして来たのだそうだ。


 小さい子供ならまだしも学院に入って居るんだから十五歳から十八歳にはなって居る。やって良いことと悪いことの区別はつくはずだ。


 そして彼女が食堂で食事をとるのをやめて自分で弁当を作り中庭で食べて居たら、木の上から青年が降りて来て、髪やら頬やらを触られた挙句に弁当を盗られたそうだ。


 そのあと何故か公子たちに弁当を自分たちに作る様に言われたそうだ。


 弁当や軽食を作る様に言われ、ことあるごと学校のイベント、狩猟祭や弁論会などでこき使われる様になった。断ったら、身分差と成績を盾にされ、仮病を使ったら、病室に見舞いを理由に押しかけられ、逃げ場は無かった様だ。


 周囲の生徒たち特に女生徒は見目麗しい公子たちと一緒にいる彼女を「羨ましい」と言いつつ助けてくれず、教師は「貴方のためです」と何もしてくれなかったどころか教師の中に「特別授業だ」と言って彼女に付きまとう者もいたそうだ。教室に二人きりにされて、危機感を持ったそうだ。


 学園で彼女が安らぐ場所は無かったし、いつも空腹だったそうだ。


 道理で朝食に鍋いっぱいのお粥を平らげたのか。


 それに彼女は平民といったが、王族に匹敵する高魔力と霊力が有る。そのことについて聞いたら、すごい驚かれた。

初耳だと言う。どうやら何も知らされないまま学院に入学許可を出されたらしい。


 わが帝国のために聖女を連れて来たつもりがとんだスキャンダルを掘り起こしそうだ。


・・・徹底的に調べる必要があるな。


 彼女は教団に引き渡す。彼女も納得してくれたみたいだしな。

「あいつらが居ないところだったら何処だって良い!」と叫んでいたからな。


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