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おかんは今日も叫んでる  作者: 猫茶屋
三章:辺境の地
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思い出したアレの存在

どうやら儂は丸っと2日寝ていたらしい。そりゃ腹も減る訳だ。

まだ頭の中も心も整理出来ていない。

なんなら実はこれまでの事がすべて夢でしたなんて夢オチだったりしないのかとさえ思う。

そうだったらどんなに良かっただろう。

まぁ考えてもどうにもならんのじゃけどね。


取り敢えず、時間がある冬の間に玄武と青龍の木像を作る事にした。

え?守護仏は彫らないのかって?

・・・・

細部まで覚えて無いんだよ・・・ごめんなさい守護仏様(汗)

四神獣は何度か・・・と言うか病んでた時期に水墨画もどきで書いてたのでなんとかなるかなと・・・

駄目だったら水墨画もどきに変更しよう・・・


特に信仰に篤かったとかって訳ではないけれど、娘や孫の為に怒ってくれてこちらの神様と交渉してくれたのだから、やっぱりそこは感謝したいと思った。

儂が黙々とやっているのを見て狩りやダンジョンに行かない留守番組もなにかを彫るようになった。

うん、別にいいとは思う。思うんだけどね?

なんで熊ばっかりなんかね? 大中小様々なサイズに様々なポーズの熊熊熊! 

土産物屋じゃないんだから・・・ どうすんのさそんなに作って。と思ってたら

温かくなったらケイルの町で売ればいいのだそうだ。なるほど?

1体は陛下に送るらしい・・・


どんっ!


庭に等身大の熊の木彫り人形が・・・

え?オルガが作ったの?


『 皆作ってたから オルガも作ってみた 』


わぁ・・・毛の1本1本まで彫られててもぅどこぞの匠ですかねって仕上がりだし。

オルガ器用だね?  ってかこのサイズの木がよくあったね・・・


翌日には等身大ササミの木彫り人形が・・・

これもオルガが作ったのかと思ったらササミが嘴でつついて彫り上げたらしい。


さらに翌日には等身大モモちゃんが・・・ああそう、モモちゃんが彫ったの・・・


こうなってくるともう想像つくよね、1体 また1体と増えて行き庭はすっかり木彫り動物園みたいになっていった。

うちの庭はいったい何を目指しているんだろうか・・・


いやこれもきっと皆が気遣ってくれた結果なんだろうとは思う。



「なぁマォ、聞いてもよいか?」


夕食後ルークが改まって聞いて来る。


「どした?」


「その・・・マォの子供と孫の事だ。あの子達以外にも子や孫は居るのか?」


そういえば・・・話した事は無かったんだったか。

ならばと簡単に説明する。


子は3人、あの子の姉と弟がいて、孫は上の子んとこに2人末っ子んとこに1人とゆっちゃんの4人。


「なるほど。では何故にあの子とゆっちゃんだけが影響を受けてしまったのだろうか」


ぶっちゃけ儂にも解らん。けども儂と一番接点が多かったのはあの2人だし、なんなら千秋は儂と二周り違うが誕生日も同じなので守護仏も同じになる。あ、後は同じバツ1だな・・・


「まぁ解らん。

 だってさ、神仏まで出て来てどうこうとか言われても理解できる訳ないし?

 ましてやあの阿呆の召喚魔法?で何で儂が選ばれたのかも解らんじゃん?

 世の中考えたって解らん事もあるんだからさ。

 もぉ神秘な力とか神仏の力とか

 人の目に見えざる力が働いたって思うしかないんじゃないかなと」


「確かにな。見えざる力か。

 んむ、考えてもどうしようも無い事もあるが受け入れるしかない・・・か」


「時間が巻き戻ってすべてが無かった事に~とかさ。出来ないと思うし?」


「 ・・・ 」


「え?・・・ まさか・・・」


「禁術として書物には残っていたような・・・」


「あるんかーいっ! あかん、それさくっと破棄しよう!さくっと!」


「いやだが・・・」


「禁術って事は使えばヤバイって事だよね?

 なのになんで書物が残ってるかな。

 ええかね? もしその禁術を儂が手に入れて使ったとしよう。

 そうだね、儂がこの世界に呼ばれる前まで遡ったとする。

 でもあの阿呆が存在する限り同じ事はまた起きる。

 じゃぁあの阿呆が生まれる前に遡ったとしてもあの阿呆はやっぱり生まれる。

 て事はまた同じ事が繰り返されるよね?

 誰かが記憶を持ち越せるのか

 もし持ち越せたとしてそれはきっと発動者だと思うんだよね。

 この場合儂になるよね。でも儂は異世界の人間だから遡ったこの世界には居ない。

 て事はだ、やっぱり同じ事が繰り返される。

 何度もあの悲しみと怒りを味わうの?冗談じゃない。

 じゃぁ発動者をこの世界の・・・ルークやダルクがなったとしてだ。

 あの阿呆が生まれないように、あの阿呆がやらかさないようにと行動した場合

 どれだけの人に影響が出るだろうね?

 それこそまた世の理が乱れるんじゃないかね?

 つまりね?禁術になるには理由がある訳だよ。なのにそれの記録を残す意味が解らん」


「だが書物が無くとも辿り付く者が出てくるかもしれん。

 その時の対応法が書物には載っているのかもしれぬし」


「載ってなかったら?

 というかね、辿り着いた人が居てその人がどう判断するかはその人の人間性によるじゃん?

 でも書物が残ってれば邪な考えを持つ人が使う可能性が高くなる訳だよ。

 召喚だってそうじゃん?

 あ・・・」


 そうだよすっかり忘れてたけどあの阿呆が居るじゃん・・・


「あ?・・・」


「その禁術が記載された書物って何処にあるん?城内?」


「ああ、確か城内だな」


「・・・

 やっぱ即燃やそう。破棄しよう」


「早々簡単に見れるような場所に・・・あ!忘れていたな」


「城内って今危険じゃね? あの阿呆がもし使ったら・・・」


「さすがに大丈夫と思いたいが断言出来ないな。

 陛下にすぐ報告をして破棄してもらおう。いや私が行ってこよう、その方が早い」


「確実に破棄してね?灰も残らぬように抹消してきてね?」


よくSF映画とかであるじゃんね、タイムパラドクスによって世界が変わったとかさ。必ずしもいい方向に変わる訳じゃない、予想外のあらぬ変化が起きる事の方が多い。下手すりゃ人類滅亡とかだってありえるんだから安易に時間を巻き戻すなんて事はやらない方がいいと思う。

自分の都合がいいように改変出来るなら皆やってるだろうし?


ルークは段々と事の重大さを理解したのか、もふりんに乗って地中に消えて行った。大丈夫かなあれ・・・ 泥だらけの傷だらけにならなきゃいいけど。

 

読んで下さりありがとうございます。


「儂ののんびりライフは何処行った」と嘆くマォですが作者もそう思います(;´Д`)

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