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おかんは今日も叫んでる  作者: 猫茶屋
三章:辺境の地
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地味だけど痛い

「おかん、久しぶりじゃね」


あれ?千秋?・・・ 

なんか老けたね?ゆっちゃんがおらんこなっって心労のせいじゃろうか。

てかまたこれ夢なら儂泣き疲れて寝たんじゃろうか。

久しぶりも何もさっき会ったような?


「あのね、おかん。

 おかんの世界とこっちの世界って時間の流れが違うんかもしれんよ。

 ゆっちゃんの葬儀の後におかんと会ったじゃろ?

 あれおかんがおらんこなってから1年半経っちょるん」


へ? そないに経っちょったん・・・


「そんでからね、ゆっちゃんがおらんこなってからもぉ5年になるん。

 私も老けるよそりゃぁ」苦笑


なるほど? でも時間の流れが違うにしてもおかしくね?

儂にとってはせいぜい半日とか1日しかまだ経ってないのにそっちはもぉ5年?

前に会った時より加速してねぇか?


「そこはなんでか知らん。

 そもそもおかんが異世界に()るちゅう事で何が起きてもおかしくなかろう」笑


いや確かにそうなんじゃけどね。

はっ、そうじゃ。伝えんにゃいけん事が!


「ああ、知っちょるよ。亀と竜に聞いたけぇ」


は?・・・ 亀と竜・・・ 玄武と青龍の本体?

なんかファンタジー通り越して神秘な世界になってきた気が・・・


「時間が無いけぇ本題にはいるね。大事な事じゃけぇ忘れんさんなよ」


その話は・・・


千秋は肺癌末期で余命宣告されていて残りが一ヶ月無い事。

阿呆なアレのせいで儂が異世界に行った事で世の理が乱れ

本来死ぬはずではなかったゆっちゃんが死んでしまった事。

勿論それに連なり亀と鯉が消滅してしまったのも・・・

そこで玄武・青龍を始めとする四神獣と守護仏達が、界渡りなど異世界に干渉出来ぬようしっかり管理をしろと異世界の神にクレームを付けたらしい事。

損害賠償と慰謝料という事でゆっちゃんと千秋と亀と鯉がこっちに転生する事になった事。

ゆっちゃんは願い通りに千秋の子として生まれるらしい。

ん?・・・


「さすがに儂もぉ子産めんよ?」


「知っちょるし!」


千秋が誰の子として生まれるのかは教えて貰えなかったそうだ。


「でも絶対探しておかんの所に行くけぇ。待っちょってよ」


「ん、解った。頑張って長生きするわ」


「じゃぁねおかん。次はリアルで会おうやぁ」



リアルで会おうやぁ、はいいけどさ。なんか色々あり過ぎじゃね?

特に千秋!アンタの人生波乱万丈過ぎやしないか?

まぁ儂もな気がせんでもないけど。


そっか・・・いつ会えるのかは解らんけど2人共こっちに転生してくるのか。

会えば解るんかな・・・

そうと解れば、気を取り直して元気に生きとかにゃぁね。

起きようとして・・・ 目が開かん。泣きすぎて腫れたらしい。


「アルー。ルークー」


ドタバタと2人がやって来る。


「目が開かん!」


「「 ぶっ 」」


恥ずかしながらアルにおんぶして貰ってリビングに向かう。

リビングには獣人達も皆集まっていた。


「マォ殿!起きてだいじょ・・・・ぶふっ」

「ちょ・・・その顔・・・」

「まず目を冷やした方が・・・」

「マォ、こういう時こそヒールの出番ですよ」


腫れも外傷になるんかな・・・

目の腫れと痛みが癒えるようにイメージして・・・


「おぉぉ、眼が開いた!見える。やったぜぃ」


皆がほっと安堵しているのが解る。

コレットがホットミルクを持って来てくれたので飲みながら皆に説明をした。


「四神獣に守護仏・・・」

「可愛いゆっちゃんがこうなったのはアレが発端だと?コロソウ今すぐコロソウ」

「落ち着けコレット」

「しかし参ったな。陛下への報告はどうする?」

「しない方がいいだろうな」

「だがアレへの厳罰を求めるとなると」


「陛下には伝えない。厳罰も求めない。儂が鉄槌を下してやる。

 次元が違えど家族が生きているからと思って渋々だけど我慢してきた。

 さすがにもぉ我慢しなくていいよね?」


「今回はさすがに私も止めません、むしろ私も殴りたいくらいです」

「ダルクじゃ自分の手が痛くなりそうだが?」

「そこはほら、棍棒でも・・・」


我も我もと皆がやってしまおうと言い始める。


「皆の気持ちはありがとう。でもね。

 あんなんでも一応は陛下と殿下の子な訳だから生かしてはおくさ」


「ではどうするつもりだ?」


「え? それ聞いちゃう?

 決まってるじゃーん、こう・・・グチャと    ね?」


皆一斉にサッと股間を押えた。 コレットなんでアンタまで・・・


とは言っても直接潰しに行く気はない。

たぶん、生き物同士じゃなくても出来ると思うんだよ。

貯蔵庫から林檎を持って来て貰う。きゅっと握って力を込めて念じる。


「 潰れてしまえ! 」 ブシュゥッ


それと同時にアレに向かって潰れた林檎の傷を飛ばすイメージを浮かべる。

と、リンゴは元に戻った。たぶん成功!

でもこれだけだと命の代償としては安くないかとも思ってしまうので。


「フハハハッ 落ち武者禿になってしまえ!

 ついでに耳毛は癇癪起こす度に伸びてしまえー!

 オマケに1日3回机の角に足の小指ぶつけてしまえ!

 も1つオマケに痔にもなっちまえー! フハハッ フハハハハハ!」


たぶんこれで大丈夫、きっと。呪詛になるのかもしれんけど気にしない。


「「「「 ぶっ 」」」」

「落ち武者禿とは何だ?」

「解らないが余り良くない禿だと思われる」

「地味だけど確実に痛い。身も心も・・・」

「マォは怒らせたら駄目だな・・・」

「「「「うんうん」」」」


「いやいや、儂から大事な物奪わなきゃいいだけだろ?」


「確かにそうだけど」


グゥゥ・・・

儂の腹が鳴った。


「何か食うか」

「だな」


その後、皆思い出したかのように

「四神獣ってなんだ?!」「守護仏ってなんだ?!」「落ち武者ってなんだ?」

と騒ぎだしたので説明する事になった。勿論儂も詳しい事までは知らん。

読んで下さりありがとうございます。

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