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おかんは今日も叫んでる  作者: 猫茶屋
二章:道中
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齢は取りたくないもんだ

「痛みを転移で飛ばすとか、今までそんな事を試した人なんていませんよ。

 マォ殿は本当に・・・前代未聞な事を起こしますね」


「ダルクくん呆れてないか? ってまた口調が・・・」


「むぅ・・・だったらマォ殿も私を呼び捨てでお願いしますよ」


「あー、そういえばそうだね。OK 解ったよダルク」


まぁ出来る魔法が増えるのはいい事だ、と思う事にしよう。

たぶん発想の転換ってだけでやろうと思えば皆出来ると思うんだがなぁ。

新たな事も解ったし小休憩も終わり、再びモファームで移動を再開する。

これエアクッションあったら楽なんだろうなぁ。

・・・ 風魔法の応用で出来ないかな?と思ってちょっとだけお尻を魔法で浮かせてみた。

うんこれは失敗だ、改良すればなんとかなるかもしれないけど風圧に負けて体が後ろに流されそうになった。あぶね・・・


次の小休憩の時は遠いお山ではなく


「痛いの痛いの お城の古狸貴族に飛んでいけ~♪」


「「「 ぶふっ 」」」


「そうきたかっ」


まぁ誰に飛んで行ったのか、本当に飛んで行ったのか確認する術はないんだがね。

この小休憩が終わって2時間ほどすれば温泉の湧く場所に到着するらしい。

あれ?・・・ 秘境みたいな所って言ってなかったか? まさか源泉?

源泉なら源泉で、どっかに穴掘って引き込んで水でうめればいいか。温度にもよるだろうし。

あー・・・温泉玉子作りたかったぁ、残念。代わりに芋蒸かそうかな。



その後も順調に進んで夕暮れ時には無事温泉の湧く場所に辿り着いた。

硫黄の匂いがする、懐かしいなぁ。周囲に黄色い結晶が付いてるからあれは硫黄だろうな。少し瓶にいれて持って行けるかな?硫黄は意外にも使い道が多いんだよね。皮膚病や湿疹にも効くし作物の病害虫予防にも使える。殺菌作用があるんだよねー臭いけど!

火薬の原材料としても使われるけどこれは教えない方が良い気がする。

もっとも硫黄なんてそう簡単に手に入らないだろうしね!


「温度は丁度良さげ ダナ。女性陣からお先にどうぞ。

 我々はその間に寝床の準備をしておき オクヨ」


なんかダルクの喋り方がおかしなことになっている。

お言葉に甘えて先に入らせてもらう。

くはぁ~、気持ちい。41~2℃くらいだろうか。あ~このまま眠れ・・・ぐぅ。


「マォ、寝るな!」


「はっ、一瞬寝てた」


やっぱりお湯に浸かると疲れが取れる気がする、さすが日本人とでも言うべきか。

さっぱりしたので男性陣と交代する。

温泉から少し離れた場所に野営地を設けてあった。おぉ、ハンモックがある!儂使った事ないけども!乗り方にコツが必要だってTVで見た気がする。


「少しでも疲れが取れるようにハンモックも買っておいたんだ。

 かさばらないしモファームも居るからな」


なるほど、気遣いがありがたい。ちょっと試しに乗って見よう。

足を上げて よっ ほっ うぉっ 揺れる揺れる おっとっとっと おぶねぇ

難しくないかこれ・・・


「マォ 使った事ないのか? こうやって腰から」 スポンッ


「なるほど!」


座るように腰を下ろして・・・ ぐるんっ どてっ

そのまんま後ろに落ちたよね・・・


「ぶっ マォ意外と不器用?」


「不器用というか加齢のせい?・・・」


自分で言っておいてなんかちょっと切なくなった。

若い頃に比べてバランス感覚がにぶった気がするんだよ・・・


何度か挑戦してやっとこさコツを掴んで乗れるようになった。

やだねぇ、歳は取りたくないもんだ・・・ ふっ(遠い目)


気持ちを切り替えて飯の準備だ。

ここらは人も来ないし、硫黄の匂いがあるから肉を焼いても大丈夫だろう。

うへへっ 肉だ肉だ。肉汁したたる肉を食うぞぉー!

と、取り出したのは牛っぽい魔獣の肉! 名前は忘れたけどバッファローぽい名前だった気がする。

串に刺して塩胡椒で味付けして焚火にかざせば

  じゅぅぅぅ~

たまらんっ! いい匂いだ。 

おっと涎が、やばいやばい誰にも見られてないよな? キョロキョロ セーフ!


「お?旨そうな匂いだな」


「久々に焼き立ての肉か!」


グゥー・・・


誰の腹だよ鳴ったの。


「失礼、私のお腹で ダ」


ダルクかよ(笑)


「さ、食おうぜ!」


モファーム達にも味付け無しの肉を焼いてあげた。モモちゃんは食べれないだろうと思ったのに食ってたよ普通に。ええぇぇ・・・喰うんだ。


お腹もいっぱいになって硫黄の匂いで魔物も近寄らないとの事で今夜は見張り無しで皆ぐっすりと眠れそうだ。

そしてまた夢を見た。


「おかん!ちょい写真撮ろうや。姉ちゃんと冬依がおかんの写真欲しいって!」


「は?」


行き成りかーい! ってかスマホまで持って来れるんかいっ!

まぁ背景はどおせ畑だし大丈夫かな。


パシャ


何も言わんと撮るんかい!


「自然体の方がええかなぁって」テヘッ


テヘッじゃねぇんだわ。まったく相変わらずというかなんというか。

あ、そうだ!


「こないだゆっちゃんに貰った飴さぁ・・・

 しっかりあっちでも手に握ってたわぁ・・・」


「マジで? 凄い夢じゃね。ちゅうかもぉこれ夢と呼んでええんかも解らんね」


「あ、これゴミ。持って帰って」


「えー、ゴミくらい自分で捨てんさいよ」


「プラとかセロハンとかあっちに無いんよ、じゃけぇあっちで捨てれんのん」


「あ、なるほどね。仕方ないねぇ。

 じゃぁ唐辛子とか渡す時は入れ物変えた方がええんかね?

 ジプ〇ックは駄目じゃしビニール袋もだめよね。何ならええんよ」


「紙袋か瓶?いや、解った。次来る時会える時?持って来るわ」


「その方がえかろうね」



・・・


これだけ? ねぇ今回の夢これだけなん? えぇぇ・・・

写メ撮ってゴミ渡しただけって・・・ないわぁ。

ゆっちゃんにも会えんかったし・・・

次はもちっと頼むよ。って誰に頼んでんだか。

読んで下さりありがとうございます。

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