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第7話〜闘いの唄 前編〜


朝、一人の青年が目を覚ます。

布団からでて慣れた手つきでシーツを直す。

寝間着から仕事用の服に着替え終わったその時、


ーーーこんこんっ


扉を叩く音が聞こえた。


「・・・誰だ?」


「私です、フィニカ様。」

ゆっくりと扉が開く、開いた扉の向こうには・・・



「・・・ドールか、おはよう。」


以前、フォルカ達と戦闘したクロム、『ドール』が立っていた。


「おはようございますフィニカ様、さっそくですが・・・私達に新たな任務が出されました。」


「内容は?」


「先日、私単体で捕獲する予定だったクロムを、今度はフィニカ様も同行して捕獲せよとのことです。」


「・・・わかった、さっそく仕度をする。」


フィニカはドールに背を向けて、仕度を始めた。


「あっ、フィニカ様・・・報告したいことが・・・。」


「なんだ?」


フィニカは仕度しながら答えた。



「実は・・・例のクロムと行動しているもののなかに、フィニカ様の弟と思われる少年が・・・。」


フィニカの手が止まった。


フォルカが・・・大切な弟が・・・クロムと行動している!?


「・・・嘘だろ。」


フィニカの頭の中に、フォルカとの思い出が蘇る。


よく笑い、よく泣き、よく怒る・・・そんな姿がとてもいとおしい・・・大切なただ一人の弟。


そんな弟が今、クロムと行動しているのなら・・・。


「自ら進んで庇ったので、人質ではないと思われます。」


「・・・騙されている可能性は?」


「・・・十分あると思います。」


フィニカは立ち上がる。

そして、ドールに言った。


「ドール、任務追加だ・・・クロムを捕獲し、弟を・・・フォルカを救出する。」


「了解・・・。」



2人は歩きだした。


(フォルカ・・・必ず助けてやるからな。)



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「はぁっ!!」


フォルカは手にしている素器をおもいっきり振りかぶった。


「まだまだ、あと二十回!!!」


エリアルも心を鬼にして(フォルカの体力にあわせてはいる)指導している。


「じゅ・・・きゅう・・・。」


「はい、ラスト!!」


フォルカは最後の力を振り絞り、ラストを終えた。


「・・・お疲れ様です、フォルカ。」


「・・・あり、がとう・・・クラス。」


フォルカはクラスが差し出してくれたタオルを受け取り、汗を拭いた。


「・・・ふぅ。」


「まぁ、傘でちゃんバラする子供レベルにはなったかなぁ〜。」


そんな会話を交わしながら訓練する、それが最近の3人の日課だ。


「よし、行くわよ2人共!!」


「うん。」


「はい・・・。」


3人が歩きだしたその時、


「・・・待て。」



聞いたことのある、氷のように冷たい声が聞こえた。

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