第5話~旅立ちの決意~
「・・・フォルカ、今なんて言った?」
「エリアル、クラス、僕も一緒に行かせてくれないかな?」
はぁ・・・とため息が部屋中に響いた。
「あんた自分の言ったことの意味わかってんの!?」
「・・・うん。」
フォルカはまっすぐエリアルのほうを見た。
怒っていたエリアルの表情が・・・変わった。
怒ってはいない・・・だからといって笑ってもいない、ただ目線がとても冷たかった。
「・・・見たでしょ、私とクラスは何かに狙われているの。」
「見たよ、見た上で着いて行きたいんだ。」
「安全は保障できないわよ。」
「・・・知ってる。」
フォルカの眼がエリアルからそれた。
よくはわからないけれど・・・見続けるのがつらかった。
クラスのほうを見る。
無表情でこちらを見ていた。
母のほうを見る。
母は首を横に振った。
(逃げちゃだめ・・・だよね、母さん。)
両手にぐっと力をこめて、再びエリアルのほうを向いた。
変わらず・・・とても冷たい目線でこちらを見ていた。
「・・・お願いだよエリアル、僕は世界を知りたいんだ。・・・答えを探したいんだ!」
エリアルは少し怯んだ。
先ほどまでのフォルカは・・・もうそこにはいなかったからだ。
「・・・・・・・・・・。」
沈黙が続いた。
エリアルが後ろを向いた。
そして、
「・・・フォルカ、着いてきて。」
といった。
「・・・わかった。」
フォルカはエリアルの言葉に従った。
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二人は外に出た。
クラスも一緒に出てきて、母は家の窓越しにこっちを見ていた。
「・・・着いて来たよエリアル、ここで何を?」
フォルカがそういったとき、エリアルがこちらを向いた。
「・・・エリアル?」
その時、
---どごっ!!
「ッ!!!」
フォルカの体が地面に付いた。
一瞬何が起こったのかわからなかった。
すると頬が急に痛みに襲われた。
やっと理解できた、・・・自分はエリアルに殴られたのだと。
「っ、エリアル!?」
「こないでクラスっ。」
動きそうになったクラスを、エリアルは一喝した。
クラスは思わず動きを止めた。
クラスの動きが止まったのを確認すると、フォルカのほうを見た。
「どうフォルカ・・・痛い?」
フォルカは何も言わず、コクリとうなずいた。
「私が旅で味わった痛みは・・・こんなものじゃないのよ?それでも私たちについてきたいの?」
今のエリアルの表情はさっきのような冷たさはなかった。
むしろ・・・温かかった。
こちらのことを心配してくれる・・母のような温かさだった。
「・・・・・・。」
少し言葉が詰まった。
エリアルの言ったとおり、この旅は危険と隣り合わせだろう。
だけど・・・危険だからこそ自分の納得できる答えが見つかるかもしれない・・・そんな気がした。
「それに・・・私たちとじゃなくて他の人と行けばいいじゃない。・・・自分で危険なほうを選ばなくてもいいじゃない。」
確かにその通りだ。
だけど・・・だけど・・・!!
「僕は・・・僕はエリアルたちとがいいんだ。二人となら・・・弱い自分を換えられる気がする、自分の納得いく答えが見つかる気がするんだ。」
「・・・・・・。」
エリアルは黙って手を差し出してきた。
フォルカはその手を強く握った。
「・・・立てる?」
「・・・うん。」
エリアルの協力を得てフォルカは立ち上がった。
「・・・ねぇ、フォルカ。」
「何っ、エリアル?」
フォルカはエリアルの手を離して、首を軽く傾けた。
「私を殴って。」
「えぇぇっ!!」
「だって・・・私が一方的に殴っちゃったじゃんかぁ~。いまさらだけどなんか罪悪感が残るっていうかぁ~・・・その~・・・。」
エリアルは、両手の人差し指をくるくる回しながら恥ずかしそうにいった。
「あぁ~もうっ!とにかく、フォルカが私を一発殴ればいいのよ!!はやくしなさい!!」
「・・・逆ギレ・・・。」
「クラスはだまってなさぁぁ~~~い!!」
思わずフォルカは笑ってしまった。
やっと自分の知っているエリアルという女の子に戻ったような気がしたから・・・。
「・・・わかったよエリアル、一発殴ればいいんだね。」
フォルカは右手で拳を作って見せた。
「・・・思いっきりしなさいよ。」
「もちろんっ。」
エリアルは眼を瞑って、待機している。
フォルカも拳に力をこめる。
「・・・、いくよ。」
---どごっ!!
「・・・・っ!!!」
今度はエリアルの体が地面に付いた。
「だっ大丈夫、エリアル?」
「~~~ったぁぁぁぁ!!」
エリアルは体を起こし、頬を押さえた。
「・・・フォ~ル~カァ~~~。」
「わぁっ、ごめんなさいっごめんなさいぃぃ~~~!!」
「謝ってる暇があったらさっさと準備しなさいっ!!」
「・・・えっ?」
「早くっ、私は今イライラしてるのっ!!」
「・・・自業自得・・・。」
「だまらっしゃいっっ!!!」
二人は(どちらかというとエリアルが一方的に)ギャーギャーとけんかしている。
フォルカは早足で家に戻った。
これ以上エリアルを怒らせないようにしないと。
「置いていかれたらいやだものねっ。」
こんなにわくわくしながら家に戻るのは初めてだった。
家に入ったとき、母が立っていた。
そして、
「いってらっしゃい。」
といった。
「・・・いってきます。」
フォルカは満面の笑みを浮かべて部屋に向かった。
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また遅れるかも知れませんが、読んでいただけたらうれしいです。




