プロローグ~昔々のお話~
生命の息吹が響きあう世界、「テュルキュミア」。
この世界に住んでいる二つの種族、「ヒト」と「アルフィ」。
ヒトは、アルフィを恐れていた。
姿かたちは似ているのに、空気中にあふれている自然の力、「スティア」を術式に変換し、「素術」として使用することの出来るアルフィを。
ヒトは考えた、アルフィと同等の力を手にする方法を。
ヒトは試した、考えだされた方法を。
何度も、何度も、何度も繰り返した。
だが、全て失敗に終わってしまった・・・。
ヒトたちは、やる気を失いあきらめてしまった。
しかし、あきらめていないヒトがいた。
そのヒトの名は、カルヴィド。
カルヴィドは、ヒトの体内にスティアを取り入れる装置、「スティアセイヴ」の開発に成功した。
スティアセイヴを装備したヒトは、身体能力が驚くほどまで上昇した。
ヒトは手にしたのだ、アルフィと同等の力を。
しかし、一つの不安が頭をよぎった。
---彼らが自分たちにも牙をむくのではないか?---
カルヴィドは、「大丈夫ですよ。」とだけ言って、手につけていたブレスレッドを空に向かって掲げた。
すると、突如ブレスレッドが光りだした。
その光に共鳴するかの用に、スティアセイヴも光りだした。
「我が前にひざまずけ。」
そうカルヴィドが言うと、スティアセイヴを装備したヒトは、彼の前にひざまずいた。
「彼らは装置を装備している限り、ブレスレッドをつけているものには絶対に逆らいませんよ。」
カルヴィドの一言に、ヒトたちは声を上げて喜んだ。
もう、アルフィたちに恐れることはないのだから。
カルヴィドは名付けた。
ヒトを救った、スティアセイヴをつけた彼らに。
この世界、テュルキュミアに伝わる「赤眼をした救世主」と言う意味の言葉、「クロム」と・・・。
この小説を読んでいただきありがとうございます!!
作者自体、まだまだ未熟で作品の更新も決まった日に出来ませんが、見守っていただけたら光栄です。