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【書籍化】カバンの勇者の異世界のんびり旅 ~実は「カバン」は何でも吸収できるし、日本から何でも取り寄せができるチート武器でした~  作者: 茨木野
第3部

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30.呪いでワルージョを封印する

30.呪いでワルージョを封印する


 憤怒の魔王イラさんを取りこんで超巨大化したワルージョを、ミサカさんの奥義で消し飛ばしたぞ!

 僕らは地上へと戻ってきた。


 ゲータ・ニィガ上空にて。

 僕の目の前に人魂が浮いてる。


【手間ぁ……かけさせちまったな……ありがとよぉ、カバンの坊主】


 魂だけとなったイラさんが僕に謝ってくる。


「いえいえ。当然のことをしたまでです」


 ミサカさん曰く、悪い人を懲らしめるのは、勇者の仕事だからね。


『悪いやつもぶっ殺したし、これでハッピーエンドだね、けーすけくんっ』


 ミサカさんがうれしそうに言う。

 でも、うーん……なーんか、忘れてるようなぁ。


『げひっ、げひゃひゃ! これで終わりだと思ったかぁ、魔神ぅう!』


 うげ、どっからか、ワルージョの声がするぞ?


「どこだ、ワルージョ!」

『げひひひ! ここだよぉ』


 目の前の、イラさんの魂から、ワルージョの声がする。

 え、なんでここから……?


『まさか……!』


 ヒキニートさんが何かに気づいた様子。


『憤怒の魔王の魂と、ワルージョの魂が、一体化してるのかっ?』

「一体化……? え、混ざり合ってるってこと!?」


 なんてこったい!


『げひひひ~! そのとおりだよーん! 今イラとわたくしは同一の魂! つまりどういうことかわかるかぁ~?』


 そんな……!


「どういうこと?」

『『『わからねえのかよっ!?』』』


 ヒキニートさん、シズカさん、そしてワルージョがツッコむ。

 なんかワルージョにツッコまれるの凄い不愉快。


「魂しまっちゃおうかな」


 カバンを黒い獣に変えて、魂を食らおうとする。


『駄目でござるよ啓介殿! イラ殿とワルージョの魂は同化してるでござる。ワルージョを食べると、イラ殿の魂も消滅するでござる!』


 なるほど……!

 じゃあだめじゃん。


『チクショウ……! ワルージョのやつ! なんて生き汚いんだ! 自分が助かるために、鞄の魔神の仲間と同化するなんて!』


 ちょいちょい出てきてるけど、カバンの魔神ってだれなんだろう……?

(※↑啓介です)


『ぎゃはっはっは! 今は負けちゃったけどよーん、最終的に、勝てば良かろうなのだぁ~~~~~~~~~~~~~!』


 うーん、このくそ野郎。

 しかしうーん、どうしよう。


 ワルージョの魂はイラさんと同化してる。

 ワルージョを蠅王宝箱ベルゼビュート狼王の暴食(グラトニー・プライド)で食べたら、イラさんまで死んじゃって蘇生できなくなる。


『うーん……ワルージョもイラちゃんも殺さないで、ワルージョだけ、封じることができれば……』


 とミサカさん。

 封じる?

 ……封じる。なるほど。


 そうかそうか。


「じゃ……こうします。久遠封縛くおんふうばくの匣、オープン!」

『な!? く、久遠封縛くおんふうばくの匣だってぇ!?』


 僕の魔神器カバンの蓋がひらいて、巨大な、光る箱が出現した。


『あ! これ知ってる! わたしを封印していた、ちょーヤバいすごい呪いの箱だ!』

『……語彙力なさすぎだろ』

『アイちゃんちょっとあほの子だから……』


 ヒキニートさん、シズカさんがツッコミを入れる。

 ええい、いいとこなんだから邪魔しないでよね。


『そうか! 久遠封縛くおんふうばくの匣に、ワルージョの魂を封印するのじゃな!』

「うん。この箱、対象を殺すことなく、永久に封印することができるからさ」


 この箱にワルージョの魂だけぶっ込んであげれば、イラさんを殺さずにすむかなって。


久遠封縛くおんふうばくの呪いを解いたことで、僕、この呪いをコントロールできるようになったんです。任意の魂だけを、閉じ込められるように」

『任意の魂だけ……ま、まさか……!』


「はい。たとえ、イラさんの魂と同化してたとしても、分別して、ワルージョだけを閉じ込めることは可能です」


 なるほど、とヒキニートさんが納得いったように言う。


『啓介君は久遠封縛くおんふうばくの呪いを解いたことで、呪いを扱うレベルがあがったんだ。結果、最強呪いすらも、自在に、対象をいじれるようになったと』

『……それ、冷静に考えて、ヤバくないか?』


『うん。とんでもないやつに、とんでもない力が渡っちゃったね。でもまあ、今更って言うか……』

『……そうだな……今更だな……』


 なんだかヒキニートさんたちが、遠い目をしてるのが幻視できた。

 なんなの?


「ま、ということで、ワルージョ。さよならのお時間です」


 光の箱が6つにに分解される。

 6つの箱は、ワルージョたちの魂から少し離れた空中にとどまる。

 

 箱同士が光の線で結ばれ、六芒星を描く。

 ワルージョの魂だけが、六芒星に縛られる。


 1つだった魂が、二つに分かれた。


『イラの魂だけを分離できたみたいだね』


 とヒキニートさん。

 よし!


「じゃ、あとは箱を閉じるだけですね」


 すると……。


『いやぁ! いやぁああああああああああああ! やめてぇぇええええええええええ! たすけてぇえええええええええええええ!』


 ワルージョが泣きわめき出す。


『いやだぁ! この箱はいやぁ! 永遠に、死ねない状態で、暗い場所にいれられるなんていやぁあああああああああああ!』


 うん?

 なんでこのおばさん、呪いのことについて、詳しいんだろ?


『アイちゃんを久遠封縛くおんふうばくの匣にとじこめたのが、他でもない、ワルージョだからだよ』


 とヒキニートさん。

 あ、そうですかそうですか。


「じゃ、もう同情の余地無しです!」

『待って待って! 聞いて、わたくしがこんな風になってしまったのには、理由があるのぉ!』


「理由?」

『そう! わたくしが悪に落ちてしまったのは、遙かいにしえの時代……』


久遠封縛くおんふうばくの匣、起動!」


 6つに分離した箱が、1つに合体する。

 ばちん!


 そして、空中には小さな箱だけが残される。


「ワルージョ、封緘ふうかん!」

『『よ、容赦ねえ……!』』


「え、悪党に容赦なんて必要なんですか?」

『ないね!』


 ミサカさんが即答。

 ですよねー!


 ということで……ワルージョ封印したし、これにて一件落着!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 物語を続ける為だけの展開ですよね?
[良い点] 悪党には容赦なし。 良いですねぇ。
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